ピンクペッパーを美味しく食べたい
思いがけず、ピンクペッパーが家にやってきた。夫がどこかからもらってきたらしい。
ピンクペッパーとは名の通りピンク……というか赤色の香辛料である。
ちなみにお馴染みの胡椒とは違う種類らしいが、調べるまで気づかなかったくらいなのでその点に関しては特に影響はない。が、しかし。
”ピンク”から受ける可愛らしい印象と小さくて丸っこい姿からは想像できないくらい味のクセが強いのだ。
私はこれを小中学生あたりの頃にスープカレー屋さんで初めて口にし、自分の味覚がおかしくなったのかと思うくらいの衝撃を受けた。
細かい具材と一緒にスープを美味しい美味しいと飲んでいると、急に変な味が口の中で弾けて広がった。
思わず顔をしかめてしまうような味。今まで食べたことがない、○○っぽいとも形容しがたい未知の存在に、なんだこれはと困惑せざるを得なかった。
さらに困ることに、正体がいつまで経っても掴めない。その結果、毎口ごとにあの味がしないかドキドキしながら飲む羽目に。
結局最後までわからずじまいで、もはや気のせいだったのかしらんと狐につままれたような気持ちで帰路についたのだった。
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結局それがピンクペッパーだったのだが、このように出会いはだいぶ残念である。
しかし出会いが最悪なほうが最終的には結ばれるというセオリーもあるため、これから約2ヶ月、一対一でお近づきになりたいところ。
なぜ2ヶ月かというと、賞味期限が4月だからですね。そしてなぜ一対一かというと、味見の結果、夫は苦手だということが判明したからですね。
とはいえ香辛料は期限を過ぎても大体の場合使えるだろうし、ひとり暮らしのときは余裕で過ぎまくっていたのを余裕で使っていた。
しかしこういうのは期限を設けたほうがいいはず。無理難題に立ち向かうと結果的に成功するというセオr
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ピンクペッパーの出会いはスープカレーだったが、基本的にはカルパッチョやソテーなどのトッピングに用いられるらしい。
そういえば、以前行った居酒屋でもピンチョス的なものの上に赤い玉が載っていたような……そうだ、そのときは美味しくいただけた気がする。これは幸先がいいぞ!
ということで、いろんなものに載せてみることにしよう。少しずつ使っていけば気づかぬうちに減っていくし、意外な組み合わせも見つかるかもしれない。
まず第1弾はこちら。
私の十八番、レンチンエノキである。
ちなみに味付けはコチュジャンと醤油。ブラックペッパーをかけても美味しいので、ピンクペッパーもいけるじゃろうという算段だ。
ただ、残念ながらこの目論見は失敗に終わった。
せっかくピンチョスで縮まりかけた距離が一気に離れた気がする。第2段を2日間延期しているくらいダメージが大きかった。
ピンクペッパーの味が勝ちすぎて後半ツラくなったため、食材自体の味付けを強くしないといけないのかもしれない(だから居酒屋のピンチョスではちょうどよかった説)。その点を踏まえ、挑戦を重ねていきたい。
食べきる頃には寂しさを覚えるくらいになっていることを目指して‥‥‥。