海を眺めたい人
浜がある土地で生まれ育ったからか、定期的に海が見たくなる。
大学進学から約6年間、内陸部で暮らしていたが、帰省したときはほぼ必ず「海を見たい」と言っていた。
泳ぎたい、ではない。あくまでも「見たい」。海岸からすぐそばの道を車で走りながら、すごくきれいとは言い難い色の海を眺めると、じわじわと喜びが滲んでくる。地元にいる! という気持ちになれるのだ。いやはや、助手席の特権だな……(運転練習しようね)。
山を見るのも好きで、青々とした、もこもこの緑を眺めると清々しい気持ちになる。こちらも実際に登ることはせず、やはり見る専門。外には出たいインドア派、なのかしらん……。
しかし、山では補完しきれない寂しさがある。もっと、開けた空間がほしい。そう叫んでいる部分が、自分のどこかにある。何の枠もなくて息苦しくない。そういうイメージを海は持っている気がしている。
海を挟んで見える街並み
水平線が伸びる、海と空のみの眺め
視界の限界が試される、海の先の景色
一方、色が二層になっている様を見ると怖いなとも思う(深さがいきなり変わっているらしい)。飛び込みが苦手で水泳教室を挫折している私にとって、海は簡単に仲良くなれる相手じゃない。テトラポットに波が打ち付けられているのを見ると、心がザワザワすることもある。
しかし、海を求める気持ちはこの先も変わらないんだろうな、と思う。
また近々、あの青緑色を見に行こうかな。
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