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何に乗ったカツが食べたいか


定期的に、ふとカツカレーが食べたくなる。何かの拍子にカツ丼を見ると,
いいなあと声が漏れる。しかし、それがカツ定食になると「ふと」もないし、テレビで見てもそこまで惹かれない。なぜなのか。


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カツカレーの好きなところは、まずカレーライスだということ。カレーと名がつくものはたいてい好きだが、そのなかでもルーカレーは実家のような安心感がある。


そんなカレーに合う具材はいくらでもあるが、カツというのは豪華さという点で一線を画す存在だ。それこそ実家に芸能人が訪ねてきたくらいの華々しさ(?)。だってカツってすごいじゃない。大きな一枚肉を! 衣つけちゃって! 揚げちゃったんだから!

スパイシーでとろみのあるルーと、衣のついたお肉という組み合わせは間違いがない。サクサク食感を楽しむのもいいが、私はルーをどぼんとつけて食べるほうが好き。衣がルーをたっぷり吸ったことで油とお肉の甘みとルーの辛みが混ざり合い、思わずにやけてしまう美味しさが口いっぱいに広がる。油っこさが軽減されるのもうれしいポイントだ。


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カツ丼の魅力といえば、出汁・卵とのフュージョンだろう。出汁と卵に包まれたカツが旨いという一点に尽きる。

いいかんじにしっとりしたカツから、旨味がじゅわっと口の中に溢れ出す。そして、卵とカツという2階建て構造によって、やや半熟のとろっとした卵がカツをまろやかに仕立て上げてくれるのだ。


カツ丼に関しては最後に食べた記憶が思い出せないので、想像が入ってしまっているかもしれない。その答え合わせもすべく、食べたいと思うのである。


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私が思うカツカレーとカツ丼の良さをまとめると、「何かに浸ったカツ」ということだろうか。そして、口の中でじゅわっとさせたいらしい。

しかし、カツ定食だって、ソースにどぼんとつけることは可能である。昔とんかつ屋さんで食べた、胡麻を自分で擦って作る香り高きソースも美味しかった。濃いめのソースがしみしみの衣も美味しいですよね。



ということは、別の理由があるということか。カツ定食の要素を今一度、想像してみる。大きな茶碗に入った白米、お味噌汁、カツ、どっさりキャベツ、お漬物、それらが乗った大きなお盆……。


あ、実際の量と視界の圧迫感? 

つまり、問題はカツではなく、「定食」だった。今までの考察はなんだったのか。だって、定食という形態が苦手なのは知ってるもん。まさに灯台下暗しである。



せっかくなので、定食が苦手な理由を再検討してみる。実際の量とそれがわかりやすく提示されることによるプレッシャーは1つとして……あと、構成要素がバラバラになっているのもあるかもしれない。

ベジファーストの癖もあって、キャベツ! お味噌汁! カツ! ご飯! みたいな、個人主義さが際立って見えてしまう。対して、カツカレーやカツ丼は完成した段階で手と手を取り合っている。特にカツ丼なんて一心同体だ。

では、定食の中身を1つの丼にまとめたらどうだろう。白米の上にキャベツを敷いて、カツをドーン。ソースをかけて横に漬物をちょこん……これ、ソースカツ丼的なやつでは。そして面白いもんで、「食べたいかも」と思っている自分がいる。丼ってすごい。ただ、量については全く解決してないけど。




食べてもいないのに、延々とカツについて話してしまった。みなさんが最近食べた「カツ」は何でしたか?




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三谷乃亜
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