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受け入れ合って広がる、優しい世界
以前に書いたハッピーセットについての話がじわじわと多くの方に読んでくださって嬉しい限りです。本当にありがとうございます。
(読んでいない方は是非……!)
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そんなわけで今日も元気にハッピーセットな私だが、今回は絵本をチョイスしてみた。おもちゃ目当てが多いので、絵本を選んだことはおそらく無い。しかし、これが大正解で、新作の度に買わねばなるまいよ、と思うほどだった。
ゲットしたのは『ぽんぽのだいじなともだち』(絵:平澤一平、作:益田ミリ)。平澤さんは初めましてだったが(すみません汗)、益田さんは以前から雑誌や書店の文庫棚で目にする機会も多く、その人が作者であることを読了後に気づいてびっくりした。知っている人と思いがけず出会えると嬉しくなりますね。
絞られた文字数とページいっぱいのイラスト。決して長くはない物語だが、最近の読書で一番グングンと引き込まれた。予想外な展開が起こりまくるツッコミどころ満載さ、でもほっこりする素敵なお話。ここでは例として、ほんの最初のシーンのみ挙げさせていただきたい。
話は、主人公のぽんぽが「ともだち」と森で遊びたいと誘いに行くところから始まる。しかし「ともだち」は、森には行きたいけど家からは出たくない様子。
この状況になった時、あなたならどうしますか? 私だったら……扉の前で困った後、①遊ぶこと自体がやぶさかでないなら、今日はお家で遊ぶのはどう? と提案する、②また次の機会にしようか、と言って帰る、だろうか。
違う気はするのだが、名案が思いつかなかった。
しかし、ぽんぽが出した答えはそのどれでもなく、
「それじゃあ、そのまま でかければ いいんじゃない?」
だった。そして、そのアイデアに乗った「ともだち」は本当に「そのまま」出かけるのである。その手があったか! いやあったんだ!?
このお話は一味違うぞ……と、序盤からページをめくる手が止まらなかった。
今ある状況を肯定し、対処しながら進んでいくという姿勢が最後まで貫かれており、「その発想は無かった」の連続。そこには新しい世界が満ち満ちていたが、いやいや実生活でもこのくらいの柔軟さが必要かもしれぬ、とさえ思った。
ちなみに、母にもどうかと音読しながら読み進めていたのだが(夜のゲリラ読み聞かせ会)、笑い溢れる楽しい時間となった。おもちゃに興味が無い人も、ハッピーセット、いかがですか?
※そろそろ新しい本に切り替わる時期なので、今は品切れになっている可能性が高いです(次回は12月17日~)。
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