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自由研究が今に繋がっているとしたら
夏休みの宿題で1番楽しめたのは自由研究だった。
ちなみに1番大変だったのは読書感想文で、ただでさえ暑い中、知恵熱で汗だくだくになりながら机に向かうのはだいぶしんどい。暑くなければ良いかと言われるとNOだが、夏は更に厳しいって……。
それに引き換え、意欲的に取り組んでいた自由研究だが、何かをノートにまとめるといった「研究」的なものはたぶん1回くらいしかしておらず、あとは全て何かを作っていた。じっくり何かを作るのもそれはそれで汗ばむのだが、楽しいので我慢できる。
自由研究あるあるだと思うが、クラスのほとんどが手芸・工作勢。休み明けに開催される発表会はバラエティに富んでいた。その中から選抜された数名の作品が空き教室で展示されるので、私は毎年結構真剣にやっていたものである。展示室に置かれたときは気恥ずかしさもちょっぴりありつつ、ほとんど達成感と喜びでいっぱいだった。
覚えているのは、ビーズをワイヤーに通して作ったモチーフ。
正方形の中に星座のシンボルマークが入ったデザインで、背景と星座自体の色合い、そして他の星座とのバランスも考えながら作った。そしてそれらを楕円形のコルクボードに押しピンでとめ、時計のように配置した自信作である。
小さなビーズを使うため消費する集中力は結構なもの。熱をこもらせた体と、汗でしっとりした手先でてんびん座を作る記憶だけしかないが、そのときが暑さのピークだったのかもしれない。ちなみに、おそらく自由研究の中で唯一現役なのがこれで、実家の玄関にずっと飾ってある(天井に近い壁のため、放置されているという説もあるが……)。
うまくいったので残してあるものの、もったいなくて使えていないものもある。それが刺繍を施したクッションカバーだ。
自由研究はやったことないことを挑戦するのにも良い機会だと思うのだが、刺繍もその1つ。刺繍枠を用いてカモミールみたいな花をチクチク縫った。ビーズにしろ刺繍にしろ、夏にやりすぎ注意の手先細かいシリーズばかりしているが、そういうのが好きだから仕方がない。
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こうして振り返ってみると、昔からやっていることは変わっていないし、むしろ自由研究によって手芸との距離が縮まったともいえるかもしれない。2年前くらいに刺繍に凝った時期があったのだが、『小学生の頃にやったことあるから大丈夫』というのを根拠にして始めた経緯がある。未来の自分が何かを始めるハードルを下げたと考えると、改めて自由研究ありがとう! という気持ちになった。
もし手芸ではなく工作にしていたら、あるいは調べ物や実験を主とした「研究」を毎年やっていたら……ちょっと違う今を生きていた可能性もある、と思うと面白くありませんか?
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