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2023/07/25 「ROCK the ROCK」(CLUB UPSET)

 このライブが発表された当時から行きたいとは思っていました。だって、いつでも僕の無彩色な毎日に寄り添って、脆弱な僕の味方でいてくれたthe quiet roomが名古屋に、それも自宅から自転車を飛ばして10分くらいの所にあるライブハウスに来るなんて。しかももう一組のOKOJOだって好きなバンドだし。好きなバンド同士のツーマン、どうでもいいけど一応バースデー前夜。でも7月末って大学生はテスト詰でそれどころじゃないのかなと思ったりして、予定も分からないから申し込まないことにしていました。

 でも結局、開演の3時間前くらいになって急に思い立って、急いで支度をしてCLUB UPSETに向かうことにしました。今考えても本当に衝動的に行動してるよこの人。4000円ってまあまあな金額なのに。実際のところ、大学のテストは既に殆ど終わっていて、しかも明日は全休。想定していたよりもこの日は忙しくなかった。もう一つ、僕を突き動かした要因は、5月から7月にかけて行われたクワルーの対バンツアー。全7公演、毎回セトリを変えていて、どの公演でも普段のライブではあまり聴けないレア曲が組み込まれていた上、今回のOKOJOとのツーマンはこの対バンツアーの集大成のようなセトリにしたいとvo.菊池遼は語っていました。菊池がインスタで募集していたリクエストに対して、僕は持っているアカウント3つ全部使って「ノンフィクションの日々に捧ぐ」と答えてみたりしていました。ライブ行くつもりないのに。でも、この「ノンフィクションの日々に捧ぐ」という楽曲、本当に大好きな曲、とかそんな言葉で纏めてしまいたくないくらい僕にとって大切な一曲で、自分の毎日に向けて書き下ろされた主題歌だと本気で信じて生きているくらい、人生レベルで縋っているんです。ライブで披露されることはあまり多くない楽曲だと思っていたけど、先述の宇都宮公演では初手で演奏されていて、もしかしたら今回のツアーでもやってくれるかもしれない。もしそうなった場合、リクエストまでしたのに結局行かずに、後になってセトリを見て知ってしまったら絶対に後悔する。そう思うとやっぱり参戦しないという選択肢はないと思って家を飛び出しました。

 とは言っても初めてのライブハウス、初めての当日券。何も"知らない"けど、だからこそ"知りたい"に誘われてここにいる。CLUB UPSETはビルの5階にあって、エレベーターの外に出ると夢に見たあの薄暗いライブハウスの空気感が漂っている。ワンドリンク別。よく考えたらこれも初めてだ。初めてばかりの空間、事前に決めていたわけじゃなくて飛び入りで来たから、いつもより"自分がライブ会場にいる"という実感が持てないまま、ただ浮ついて開演を待っていました。

①OKOJO

 実はOKOJOって僕のバンド遍歴の中では意外と早期に出会ったバンドだったんですよね。高校1年から2年にかけてくらいの時期(2022年春頃)、手探りで色んなバンドを聴いてみようとしていた中で出会ってすぐに惹かれたのが「最低なラブソング」でした。ちなみにほぼ同時期にクワルーの「Fressy」や「パレードは終わりさ」にも出会って少し好きになり始めた頃です(他にもシズゴとかオレスパとかリュックとか、今でも大好きなバンドにたくさん出会ったタイミングでした。)。でも本格的にクワルーのファンになったのはそれから一年半ほど後のことになります。

 話をライブに戻して、会場BGMの音量が一気に上がると同時にステージが暗転。SEに乗せてOKOJOの3人がステージ上に。僕はフロアから見て左側の端の方にいたので、vo.まつしたの姿がしっかり見える位置でした。ギターを手に取ったまつしたが歌い始めたのは「キャロラインの花束を」。状況が飲み込めなくて混乱していました。クワルーの代表作とも言える一曲、僕自身も何回も聴いていて耳に馴染んでいるはずなのに、いつもと全然違う。あれ、目の前にいるのはOKOJOだよね。なんでクワルーの曲が聴こえてくるんだろう。目の前では黒髪の男が「キャロラインの花束を」を歌っている。どう見ても菊池遼じゃない。どういう状況?そんな錯乱が一瞬のうちに脳内を駆け巡ってすぐに我に帰りました。そうだった、これはツーマンライブだ。お互いの曲をカバーしたりするの、インスタで後日談として見たりしたことはあったけど目の当たりにするのは初めてで勝手に感動していました。そしてサビを歌い上げると "OKOJOですよろしくお願いします。"と改めて名乗った後で、「レモンサワー」で正真正銘OKOJOのライブがスタート。そのままの勢いで「遮二無二に恋しない」「最低なラブソング」「猫舌」と、OKOJOのキャリアにおける重要楽曲を立て続けに披露。gt.でんでんはギターソロの度にステージ前方のステップに乗っていて、最前で見ている人は手を伸ばしたら届きそうな距離にいる。これがライブハウスなのか。僕も前の方で見ていたわけじゃないけどそれでもまつしたの表情がはっきりと見えるくらいの距離だったし、肌に感じる音圧が今までには感じたことのないものでした。フロアが狭い分、バンドとリスナーとの距離が近いから、一つ一つの音が心臓を直に掴んで揺さぶってくる感覚で、自分の為だけに歌ってくれているように思えました。初めてのライブハウスの何もかもに感銘を受けながら聴く、OKOJOの楽曲たち。「最低なラブソング」では"やっぱいいな菊池の顔は"と歌詞をアレンジしていて、"世界で1番最高なクワルーに送るラブソング"に変容していたし、「猫舌」の"さあ今までで一番素敵な二人を始めようか"というフレーズも生で浴びると自分に言われているみたいな気がして完全に撃ち抜かれました。「猫舌」の歌い出しの時の照明が赤色だったのは、この曲が収録されたアルバム「NEKO」のジャケットをイメージしたからなのかな。そういえば「最低なラブソング」の時は「YADOKARI」のジャケットと同じ青色の照明がステージを彩っていました。

 「猫舌」を終えてMCに移りそうな雰囲気かと思いきや、dr.ヤマトがドラムカウントを打ち始め、2人は戸惑っている様子。シンプルにヤマトのミスだったそうです。なんかそのままグダグタになってMCする気を失ったのか、まつしたの気怠そうな"OKOJOです。"からすぐに、これまでとは打って変わってスローテンポな「MOMO」に移っていきました。その後、明転したステージではでんでんが"ここまで何のトラブルもなく順調にやれてますね"と、明らかに先程のヤマトを弄るように言葉を発し、またフロアに対して"今日楽しみにしてきましたか?"と問いかける。そこにまつしたが割り込んで、"今日は待ちに待った「WBCWAO〜」(ボクシングの大会の名称だそう)ですね。"と矢継ぎ早に語り始め、でんでんからは"オタク特有の早口"とか言われていました。実は前日、まつしたがインスタのストーリーで告知の際にこのライブのポスターではなくボクシングの試合のポスターを貼り付けて、菊池遼から突っ込まれるというか件があったんです。ボクシングに詳しくない僕はよく分からず見ていたけど、まさかここでも持ち出してくるとは。MCの間もまつしたは終始ふざけていて、でんでんとヤマトにツッコミを入れられていました。この緩い感じの空気が最高ですごく居心地の良さを感じるライブです。最後までボクシングの話しかしないまつしたが "まあ、やるからには勝とう。"と宣言すると「お湯を注いで3分間待てば君が蓋を開け出てきてくれたらいいのに」を披露。いつ見てもタイトルが長い。多分僕が出会った楽曲の中で1番長いよ。でもこの曲もOKOJOに出会ってからずっと大好きだった曲で、生で聴くことが叶って嬉しかった。続く「サイチェン・マイフォーチュン」はサビ毎にフロア全員で叫ぶ"イー・アル・サン・スー"が兎に角楽しかったです。初めてなのに一瞬で対応できちゃった。OKOJOのライブは楽しい曲が多いけど、一方で少しシリアスな「疫病神」の前には"クワルーを聴きに来たお客さんの心も掴んでみせます"と、彼らの覚悟が伝わってきました。疫病神って言われているから早く逃げてと告げる彼女に対して、それも全部受容して愛してみせると誓うこの曲。普段はずっとふざけた感じの飄々さを醸しているのに、"君が疫病神でも死神の遣いでも1億から1を引くくらいの誤差だから"とか真っ直ぐに言えるところが本当にかっこよくて、自分もこうなれたらなって思ったりします(なれないけど)。

 その後、再びMCに移り、さっきまでの飄々としたOKOJOが帰ってきました。名古屋でツーマンをやるのは初めてと語るヤマトに対して、"お客さんみんな立ってるのに1人だけ座って失礼やろ。"と文句をつけるまつした。更に"立ってもサイズ変わらん" "カービィみたいなもん"とヤマトを煽り続けるまつしたと、その一つ一つにツッコミを入れるヤマト、"横で頷いているマシン"と言われてしまうでんでん。OKOJOのライブを見るのは初めてだけど、いつもこんな感じなのかな。もう3人の掛け合いがずっと面白すぎて大好きになりました。まつしたによると、OKOJOとクワルーは相思相愛とのこと。でも、OKOJOは大阪、クワルーは東京と物理的に距離がある為、ゆっくり話す機会は年一回程度のツーマンの時くらいしかないらしい。まつしたの"織姫と彦星よりも余程ロマンチック"発言から七夕についてあれこれ論考を始める3人。ほんと自由で好きです。

 終盤、予定より少し時間が余ったらしく、追加で一曲「君がベッドから落ちないように」。え、嘘でしょ。僕がOKOJOで一番好きな曲なんですよ。やると思っていなかったし、しかも本来は予定になかったけど急遽追加したってことでしょ。何の巡り合わせだろう。なんかすごく恵まれてるのかな。僕に向けた誕生日プレゼントかもしれない。弾き語りから始まるこの曲、歌い出しから充分すぎるほど心を掴まれていました。「最低なラブソング」や「猫舌」にしてもそうだけど、OKOJOのラブソングって捻くれてるのに真っ直ぐというか、真っ直ぐな言葉で伝えるのは苦手だけど想いは誰よりも強いから、みたいな楽曲が多くて、まつしたの言葉選びにすごく憧れてしまいます。思いつきで当日券を買って来たライブだけど、やっぱり来てよかった。最後はリクエストが一番多かったらしい「殿堂入り」でライブを終えて、クワルーにバトンを繋ぎました。

【セトリ】
1.キャロラインの花束を
2.レモンサワー
3.遮二無二に恋しない
4.最低なラブソング
5.猫舌
6. MOMO
7.お湯を注いで3分間待てば君が蓋を開け出てきてくれたらいいのに
8.サイチェン・マイフォーチュン
9.鍋奉行
10.疫病神
11.君がベッドから落ちないように
12.殿堂入り

②the quiet room

 OKOJOからクワルーまでの転換の間、幕が閉じることもないから、クワルーのメンバーが機材を搬入したりしている所を普通に目の前で見ている。これってかなり貴重な瞬間なのでは?ライブハウス・ツーマンライブという限られた場でしか味わうことができない光景な気がしました(多分)。OKOJOのファンが後方に下がったからなのか、かなり前の方にスペースがあったので移動。更に近くでクワルーを堪能することができました。

 暗転したステージにはボクシングのグローブをつけた菊池遼が現れる。さっきのOKOJOの茶番を受けてのことでしょう。ちなみにこのグローブはupsetのスタッフの私物だそうです。菊池が袖にグローブを置いて再びステージに戻ると、ステージ前方にはフロアから見て左側からba.前田翔平、vo.菊池遼、gt.斉藤弦。当然の事かもしれないけど、やっぱり小さなスマホ画面で見るより生で見た方がずっとかっこいい。ずっと会いたいと願い続けてきた菊池遼がこんなにも至近距離にいるなんて信じられない。遂に夢が叶ったみたいです。クワルーを好きになったきっかけは先述の通り「Fressy」だったけど、昨年の秋頃に出会った「ノンフィクションの日々に捧ぐ」の一字一句が自分の精神状態に刺さって、この曲は自分の為に存在している、自分の毎日の主題歌だと確信してしまいました。ちょうど受験期の9月下旬あたり。自分なりに努力しているはずなのに思うように結果が出なくて、それも周りと比べたら努力が足りていないからなんだろうなって思うとやり切れない気持ちで自己嫌悪に陥りそうになって、前向きにはなれないけどそれでも後退したくないから憂いを振り切ってどうにか戦うような毎日に"ほんの少しでもいいから意味がありますように"とどれだけ願い続けてきたことだろうか。不安で押しつぶされそうな毎日の中で、それでも"私らしく胸を張って生きてきた"と歌うこの曲が確かな拠り所になってくれていました。そして、遂に引き下がれなくなった受験直前期には「You」の"泣いちゃうくらい愛しい日々は一つだって消えやしないよ"という言葉に何度も救われました。全てが間違いかもしれない毎日だけど、それでもちゃんと意味があって僕を作ってくれている。クワルーの楽曲は無彩色な日々にちょっとした彩りを添えてくれるような楽曲が多いと僕は思っているけど、特にこの2つの楽曲は僕にとって一番思い入れの強い時期を一緒に過ごしてくれたこともあって、クワルーの楽曲の中でも特に思い入れが強い、大好きな楽曲でした。

 菊池の開幕宣言と同時に始まったイントロは何回聴いたか計り知れないほど僕の日常に根ざしているあの曲。そう、「ノンフィクションの日々に捧ぐ」でした。クワルーが目の前にいるだけでも嘘みたいなのに、初手から一番大好きな曲をやるなんて本当に嘘みたいで。もうこの時点で泣き崩れそうになりました。どんなに報われない思いをした時も自分を嫌いになりそうな時も寄り添ってくれた楽曲。予感に釣られて会場に来てみたものの、その予感が的中する確証なんてなかったのに、ほんと未だに信じられないくらいです。この曲を聴く度に僕の"ノンフィクションの日々"の一つ一つのシーンがフラッシュバックしてくるんです。そんな曲を僕の為にこのステージでやってくれていると思うと、僕が辿ってきた日々が肯定されたようでした。迷った末に来てよかった。あの時、行くつもりはないけどリクエストを送ってよかった。

 開幕からもう泣きそうだったわけですが、続く2曲目は「Fressy」。クワルーの魅力の一つは聴いているだけで幸せをお裾分けしてもらっているような多幸感溢れる楽曲たち。その幸せも大袈裟なものじゃなくて意外と日常の近くに点在しているようなものを描いてくれることが多くて、この曲なんか特にその象徴です。自分が普段生きていて幸せだと思えることって殆ど無いけど、クワルーはそんな人生でも肯定して、ちょっとした幸せの在処を教えてくれます。だから僕にとってクワルーは必要不可欠な存在なんです。そしてライブで絶対楽しいんだろうなと思っていたら案の定楽しかった「平成ナイトコウル」を終え、MCに移りました。菊池は"ここまで何のトラブルもなく〜"と先程のでんでんのMCをオマージュし、更にはOKOJOと相思相愛であると認めていて、この2組って本当に仲良いんだろうなって伝わってきました。MCの後、"やっぱいいなまつしたの顔は"と、OKOJOへのアンサーとして「最低なラブソング」のワンフレーズを弾き語るも、すぐに"ここまでしか知らんわ"と断念し、「Twilight」を披露。その後も「vertigo」「Locus」とアグレッシブに掻き鳴らす楽曲を連発。次々と切り替わる照明の演出が全部かっこよくて、僕には言葉で言い表すことができないことが残念ですがとりあえずずっと引き込まれていました。続いて、"アッパーな曲が続いたからここで少しクールダウン"と称して"the quiet roomと出かける逃避行"「グレイトエスケイプ」。妖艶なサウンドとハンドマイクに持ち替えて歌う菊池の声が、照明も相まってフロアの空気感をさっきまでとは完全に違ったものに変えてしまっていて、本当に逃避行の旅に出ている気分でした。

 「シュガーソング」の後のMCでは、今回のライブを提案したupsetへの感謝を表した後、今日初めてクワルーに出会った観客にも向けて、今年10月から始まるワンマンツアーについても宣伝していました。僕は既に一次先行に申し込んでいて、つい先日、当選の案内を頂きました。また名古屋でクワルーに会える。それにしても、3時間前に思い付いて飛び入りで参戦できるような距離にあるライブハウスに、ワンマンに申し込むくらい大好きなバンドが来てるって、改めて考えると普通じゃないことが起こっているよね。また、菊池が斉藤に対して"楽屋でOKOJOとめっちゃ戯れ合っていたね"と振ると、斉藤の口からはクワルーがリハを終えて楽屋に帰るとOKOJOの3人がボクシングのグローブやミットを装着して遊んでいたことが語られた。反応に困った斉藤が声を掛ける中、菊池は大人見していたそう。どうやら再三話題に上がっているボクシングはまつしたの趣味らしく、今日のライブの後にまつしたの好きな選手の試合があるらしい。OKOJOの自由さに翻弄される盟友the quiet roomとしてのMCを終え、そこからは「(168)日のサマー」「Number」と、クワルーを代表する夏ソングが続きました。2曲とも"楽しかった"以外の感想が出てこないくらい、音源で聴いているだけで楽しくなれる楽曲で、会場で聴いて楽しくないわけがないんです。そして、菊池は"今日が今月8本目のライブで、今月は残り3本残しています。"と語ります。対バンツアーを中心に数多くのステージをこなし、時にはこれまであまり演奏してこなかった楽曲も織り交ぜながら毎回違ったセトリで勝負するクワルー。一つ一つのステージに、ライブバンドとしての覚悟を全力でぶつけています。

 "残り2曲、お付き合いください。"と告げるとライブ終盤の定番曲「パレードは終わりさ」を披露。この曲も大好きな曲です。幸せなひと時は一瞬で過ぎ去って、また憂鬱で変わり映えのない日常が帰ってきてしまう。このライブだって、あっという間に終わってしまうものだ。だからこそ、過ぎ去った時間を捨てきれない間は無理に前を向こうとしなくたって、"涙止まるまで隣にいてあげる" "心晴れるまで話を聞かせてよ"と寄り添ってくれる。"みんなの声を聞かせて"という菊池の呼び掛けに応じるフロア全体によるシンガロングは、紛れもなく幸せと呼べる時間でした。そして最後の一曲は「キャロラインの花束を」。よかった、本物だ。安心した。途中、菊池は"OKOJO、カバーしてくれてありがとう"と叫びながら、優しくてささやかな幸せを描くこの曲でthe quiet roomのライブを終えました。

 ライブを終えたフロアでは手拍子が広がって、アンコールに応えてクワルーがステージ上に再登場。菊池はまたグローブをつけて来ている。OKOJOはと言うと、まつしたが楽しみにしていたボクシングの試合が始まったらしく、クワルーがもう一曲やることに。メンバーの中でも意見が分かれたらしく、"めっちゃ盛り上がる曲"と"めっちゃ感動する曲"の2択を観客の拍手に委ねました。僕は間違いなく「知りたい」「知らない」の2曲のことだと思いました。よく考えたら2曲とも今日やってないし。投票の結果は"めっちゃ盛り上がる曲"の勝利。披露されたのは「知りたい」ではなく、「Instant Girl」でした。予想外ではあったけど、よく考えたらこの曲も披露してなかった。実際、盛り上がりは抜群でした。そうなるともう一方の選択肢が何だったのか気になるところ。最後までテンション上がりっぱなしのライブ。でも、楽しいだけじゃなくて、リスナーの飾らない日常に寄り添って色彩を与えてくれるような魅力がクワルーにはあります。本当にthe quiet roomに出会えてよかった。今日、ライブに行ってよかった。探してたピースはここにあった、やっと見つけた。迷ったり悔やんだりしてばかりの日々の意味は彼らと一緒に見つけられそうです。

【セトリ】
1.ノンフィクションの日々に捧ぐ
2. Fressy
3.平成ナイトコウル
4. Twilight
5. Vertigo
6. Locus
7.グレイトエスケイプ
8.シュガータイム
9.(168)日のサマー
10. Number
11.パレードは終わりさ
12.キャロラインの花束を
en1. Instant Girl

 終演後、物販ではそれぞれのvoである菊池とまつしたがブースに出向いて直接手渡ししてくれました(まつしたはボクシングの試合見なくてよかったのかな)。最近ライブやCDに出費しすぎてるから今回は物販は買わないつもりだったのに、流石に菊池さんが手売りしてるってなると買わないわけにはいかなくて、結局タオルを買ってしまいました。長く話すことはできなかったけど、次のツアーも名古屋で参戦すること、「ノンフィクションの日々に捧ぐ」に救われ続けてきたこと、ツアーでは「You」も聴きたいと言うことを菊池さんに伝えることができました。というか普通に考えて大好きな人と至近距離で直接言葉を交わしているなんて、もうこんな機会は二度とないかもしれないし、それくらい特別な時間でした。普段はこんなこと感じないけど、18歳最後の夜をthe quiet roomと過ごすことができて、今だけはすごく幸せな人生に思えています。クワルーとOKOJOが今まで以上に大好きになったのは勿論のこと、初めてライブハウスという場所の空気を吸って、あの空間が大好きになりました。ホールとも野外フェスとも違うあの空気感を、まだまだ味わい足りないからこの先何回も足を運びたい。何回も言うけど、本当に来てよかった。行かなかったら絶対に後悔していた。11月11日、またこの街であなたに会いに行くから待ってて。

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