Dokkenの『Heaven Comes Down』のライブはオールシッティングで観たい
みなさんDokkenは好きですか?好きですね。
どうも、ザルソバです。
体調を崩して、せっかくの休みにデジゲー博もデザフェスも行けず家で寝ていました。
気圧が憎い。寒暖差を怨む。
ずっと暑くて、やっと過ごしやすい秋がきた!と思ったら、秋が実力を発揮する前にあっという間に冬がきました。期間が短すぎません?
序盤でスポット参戦するサイバスターかよ。サイフラッシュが壊れて使えないやつ。
そんな寝たきりの休日、気晴らしに音楽でも聴きたいところ。
ただ、僕の好む音楽はハードロックやヘヴィメタルです。
パブリックイメージほど喧しい音楽ではないものの、本調子ではない体が受け付ける曲はやや限られてくるのが現実です。
ツーバスドコドコだと激し過ぎ。
この条件だけで、普段聴いている音楽の半分は候補から外れます。
メロハーも明る過ぎ。ボーカルはハイトーンじゃない方がいい。
そんな都合がいい音楽を探していたら、ふと思いついたのが、まだしっかり聴いていなかったDokkenが今年出した新譜『Heaven Comes Down』でした。
世代的にかなり後追いですが、僕はDokkenが大好きです。
ドン・ドッケン(Vo.)の高音が危うくて、そこが癖になる歌唱力。
グラムメタルバンドの中では出色の憂いを帯びたメロディー。
あと「Breaking The Chains」のMVでギターの弦が鎖になるところ。
(ジョージ・リンチに触れると長くなるので今回はドンさんの話だけに留めます)
ただそれは80年代、彼らが人気・実力ともに全盛期だった頃のアルバムの話。
いつかのLOUD PARKで観たDokkenは、ドンさんの声が全く出ておらずガッカリしてしまいました。
それはもう、悪口を言おうと思えばいくらでも言葉が出てくるくらいに。
そりゃ当時のドンさん60代ですからね。30代の頃と同じように歌えって方がどうかしてますよ。
HR/HM界隈は超人が多すぎるだけで……。
じゃあ、そんなDokkenが11年ぶりにリリースした『Heaven Comes Down』はどうなんだ?と恐る恐る聴いてみると、これが驚くほど良いんです。
聴く前に心理的ハードルを下げていた、なんてことは関係なく良い。
ドン・ドッケンが昔の曲を歌えなくなったんなら、今歌える曲を作ればいいんじゃ!という逆転(当然?)の発想で作られたであろう楽曲群は、どれも声を張り上げたり勢いがあるものではないです。
しかし、演奏陣がしっかりと70歳(!?)になったドンさんを支えて、彼の渋さを全編に渡って活かし、そして静の中に確かな劇しさも感じることができる。
これはこれで枯れ専ハードロック(今考えた)としてジャンルを代表するアルバムになるのでは?と思える一作です。
聴きながら目をつぶれば思い浮かぶのは、全盛期のホールよりちょっと小さい公民館。
そこに集まった、今ではすっかり髪が短くなったり、或いは薄くなった長年のファンたち。
「公民館ってドリンク代いらないんだ」
「久しぶりに着たけど、レザーのライダースってこんなに重かったんだな〜」
「あの頃はチケット忘れて家まで急いで取りに帰ってたけど、今は電子だから楽だね。あ、タクシーにスマホ忘れた」
会場内はもちろんオールシッティング。
ステージのドン・ドッケン、見た目も声も昔と変わったけど、今やれることを全力でやってるからカッコいいじゃないか。
ライブ後は疲れちゃったから直帰。
アルバムを聴いている間、そんなシルバーな光景を瞼の裏に幻視しました。そんな世界線無えよ。
そして今作は、体調を崩してヨボヨボになってヘヴィ過ぎる音に耐えられなかった自分の耳にもスッと染み込みました。
もしかしたら、こういう音楽をやってるアーティストは他にもいくらでもいるかもしれません。
ただ、遠い全盛期に憧れ、実際に観てガッカリした経験があったからこそ、今回のアルバムが刺さったのかと思います。
2023年の来日ラッシュも終わりに近付き、2024年は続・来日ラッシュになりそうな予感がしますが、Dokkenも是非『Heaven Comes Down』全曲演奏ツアーで来日してほしいです。
そのときは演者も観客も椅子に座って。
80年代LAメタルシーンのぶっちゃけトークも交えて……
日本語のトークが厳しかったら……ビンゴ大会とかやろっか?
ていうか、アルバムのジャケットの生き物は何?
おしまい