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お風呂に入るのがめんどい人へ
note友達(?)のハネサエ.さんが、「なかなかお風呂に入れない」みたいなことを呟いていた。
なぜかそれからずっと、
「お風呂に入るのを渋る人が、早くお風呂に入るにはどうしたらよいか?」
を考えている。余計なお世話と思うかもしれないが、同じように風呂を渋る人が僕の近くにもいるからだ。妻である。
たしかに女性は大変だなあと思う。メイクを落としたり、髪を乾かしたり、その後はお肌の手入れ…と、やることが多い。
僕自身は、仕事を終えて帰ってくると、すぐにお風呂に入ってしまう。メイクを落とす必要もないし、髪もドライヤーで30秒もあれば乾いてしまう。風呂に入る前も入った後も、見た目も変わらないので躊躇がない。
週末の夜など、妻と一緒にお酒を飲んでいて、つい話が盛り上がって、「オッともう0時ですぜ」「そろそろ寝ないといかんですな」となっても妻はまだお風呂に入っていないので絶望する。「あぁまだお風呂入っていないんだったあ」とソファでウダウダし始め「よし行こう」と決心するまで30分はかかる。
どうせ入るのだからすぐに行けばよいのに…と思ってしまう一方、くだんの通り、ただ風呂に入るだけでもやることが多いので、同情してしまう。
こういった行動は、仕事をしていても目の当たりにする。
いわゆる、「先延ばし」というやつである。
いつかどうせやらねばならんのに、
「どうもスイッチが入らん」
「いまやりたくない」
「それをやろうとすると纏まって4時間くらい必要、でもいまそんな時間ねえし」とか、そういつやつである。
それはすごくわかる。わかり過ぎて怖い。夜中の0時に「お風呂に行くのめんどくさい」と悶え、のたうち回っている妻に対し、
「…明日でもいいんだよ…1日くらい風呂に入らなくたって、どうってことないんだ…僕はそんなこと全然気にしないよ…さあベッドに行くんだ…」
と、悪魔の格好で三つ叉のフォークみたなやつでツンツンしながら耳元で囁いてあげたい。
恐らく「先延ばし」てしまうことは程度差はあれ、万人に共通した悩みなのではないかと思う。
そこで僕は万人の、いや妻の、ハネサエ.さんの悩みを解決すべく、読んだ本がこれである。『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』。
おいおい…コツが37もあるのかよ…と驚いてしまうが、実に役立つ本であった。
これによると、いわゆる脳は現状維持が大好きなので、大きなアクションをとることを躊躇うというのである。
たしかにそうだ。さっきまでお酒を飲みながら美味しいご飯を食べ、タイプロが面白いの〜と、へらへら話しながら気持ちよくなっていたところから、急に「フロ、イケ」「メイク、オトセ」「タイプロ、オワリ」という信号を脳に送っても、脳は「は!?え!?いまいいとこなのに!」と混乱するだけであろう。
先延ばしは、決して自分が悪いわけではなくて、もう脳がそういう作りだから、仕方ないのである。
じゃあ我々は先延ばしを一生克服できないのか?というと、そういうわけではなく、脳もちょっとした変化なら受け入れられるらしい。それを生かしたのが、
「10秒アクション」
という方法だ。
これはどういうことかと言うと、「どうしても一歩踏み出せないときは、試しに10秒だけ動いてみる」というものである。
例えば、毎朝ランニングを始めるぞ!と思っていても、外が寒かったり眠かったりと、なかなかスタートを切れないことがあるとする。そんな時は、「まず朝起きたら、ランニングシューズを履く」というのを10秒アクションに取り入れてみる。たしかにこのアクション自体は簡単である。靴を履いて外にさえ出てしまえば、散歩からランニングに切り替えることができるかもしれない。
いずれにしても、この10秒アクションで、最初のきっかけを作れるのだ。
ではこれを、「お風呂めんどい」問題に置き換えてみよう。
お風呂に入るためにやることを分解すると、
服を脱ぐ
メイクを落とす
だろうか。さらにこれらを10秒でできるアクションに落とし込むと、
「靴下を脱ぐ」というはいいかもしれない。ポイントは両方ではなく、片方だけである。
10秒もあれば靴下両方いけてしまいそうだが、脳は現状維持を好むので、急に両方脱ぐのはハードルが高い。というかそこで靴下を両方脱げる人は、ためらうことなく風呂に行ける人である。
靴下片方でリビングをブラブラしていたら、周りの家族も「あれっ?」と思うかもしれない。そうしたらもうこっちのものである。
子供「おかあさん、靴下片方どうしたの?」
母「あぁ、お風呂に入ろうと思っていたのよ」
子供「行ってきなよ」
そんな会話が容易に想像できる。繰り返すが、片方だけ脱ぐのがポイントだ。両方だと、ただ「家の中では靴下履かない人」に括られるだけだ。
夕食の前後にお風呂に入りたいと思っても、晩御飯の準備や後片付け、子供の宿題の面倒など、やることが多いのは確かだ。
それらを優先するがあまり、お風呂に入ることが遅れるのは仕方ない。靴下で効果が得られないときは、思い切って上下どちらかを脱ぐのもありかもしれない。
例えば、妻が下着姿で中華鍋を振って炒飯を作っていたら、僕だったら、「代わるよ?」と優しく声をかけるだろうし、
僕「服はどうしたの?」
妻「お風呂行こうと思って…」
僕「行ってきな…」
という会話が成り立つだろう。
自分の脳ではどうしようもない問題を、周りを巻き込んで解決するという素晴らしいアクションだ。
10秒は超えるかもしれないが、「半分だけメイクを落とす」というのもどうだろう。TikTokとかでありそうな半顔メイクで妻が黙々と洗い物をしていたら、僕だったら、「代わるよ?」となる。それで「ニコッ」とされても怖いからだ。これも周りを巻き込める、よいアクションと言えるだろう。
ここまで書いていても、女性が、ないしは母親がすんなりとお風呂に入るためのハードルは、なかなかに高い。
妻が、半顔メイクで片方靴下の下着姿でウロウロしたりしないよう、普段から、夫として、家族として、しっかりとしたサポートが必要だと再認識した。
なかなかお風呂に入れない人は、この本を読んで、10秒アクションで周りを巻き込むとよい。周りの家族も、そんな人をサポートすることを心がけよう。
独身の人は、そうですね…とりあえず家に着いたら10秒で全裸になるのをオススメする。
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