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11/26の日記 (ほかほか)

家の中に壊れたものがあるとして、それが直ると、また何か違うものが壊れる。というのは海外生活あるあるかもしれない。

うちはこの数ヶ月ずっとシャッターが壊れていて、それが先日ようやく数ヶ月ぶりに直ったのだけど(直す際に破壊された天井はまだ直っていない)、最近になって暖房が壊れた。天井が直らないくだりを日記として書こうかと思ったのだけど、それはかなりの労力を書けないとかけないし、その割にだいぶ愚痴っぽくなるだろうから書くのをやめた。

寒い国なので一部屋に一個、暖房器具(たぶんお湯か何かが流れて暖かくなる仕組み?)が備え付けてある。それが壊れた。これからもっと寒くなる時期に壊れるなんて信じられないくらいポンコツだ。サッカーのワールドカップの決勝トーナメントで90分間戦った末に延長戦にもつれ込んで延長戦でも決着がつかずPK戦に入り、ここぞとばかりにPK職人(止める専門)のゴールキーパーが投入されたのに全然止める気がなくてゴール前で胡座をかいてパカスカとゴールを決められたゴールキーパーくらい役にやっていない。君はどういう目的でその大きな体でここに存在しているというんだね。

まぁでも暖房器具にそんなこと言っても仕方ないし、妻にこの例えを言ってもピンときていないし、そんなのは僕の都合でしかないんだなぁ。でも寒いのは家族全員の問題だ。ピンときていない妻も、寒い寒いと言っている。

直さねば。早く直さねば。でももう12月に入るとみんなクリスマスモードで働く気もないし、修理会社に問い合わせても年明けだとか言われるんだろうなぁ、仮に修理に来てくれたとしても年内に直る可能性は1割にも満たないだろうなぁ、なんて考えながら、「寒いなぁ寒いなぁ」と言っていたら、娘(3歳)が来て、「あったかくしてげる!」と言う。まじか。救世主きた。

何をしてくれるのかとソワソワして待っていると。僕に向かって「ほかほかになーれー!ビビデバビデブー!」とけっこう近所の迷惑を気にしてしまうくらい大声で叫んだ。声でかくないか。大丈夫か。

一体全体何が起こるのだろう、と背筋伸ばして座って待っていると、娘が僕の耳元にやって来て「ほかほかほかほかほかほかほかほかほかほかほかほかほかほかほかほか」と囁きだした。延々に。

え?

寒いとかどうでもいいし。

寒いとかどうでもくらいエモい。エモいの使い方違うかもしれないけど。とにかく今の僕にはエモい。体とかじゃない、心は瞬間にホカホカになって、ポンコツの暖房器具への怒りなんてとっくにどっかに飛んでいって、このホカホカ娘さえいれば僕は南極でもTシャツ一枚で生きていけいる気になっている。そんなのあるかよ。ほかほかほかほかほかほかほか。

で、たぶん今年、というかこの冬いっぱい、暖房が直らなくてもこのほかほかの魔法でなんとか超えられそうだから、あんまり機械に頼ってはいけないね。なんでも心の持ちようだ。

というわけで今も暖房がきかないキッチンで、今日の日記を書いている。でも僕の心はほかほかほかほかほかほか…。

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お蕎麦屋さん開きたい。