日光道中歩き旅 街道と徒歩について
きっかけは単純
今年の夏、散歩中にあることに気が付いた。野宿しながら1日40キロ歩き続ければ2週間で東海道歩けちゃうよね、というとてもシンプルな気付きだった。
このことに気づいてしまってから街道を歩きたくて仕方なくなったが、連続して歩き続けた経験も野宿の経験もない。そこで練習がてら日光街道を歩くことにした。
日光街道って?
日光街道は江戸時代に整備された主要5街道の一つである。当時の呼び名は日光道中。21の宿場町から構成されており、東京の日本橋から栃木の鉢石宿までを結ぶ約140キロの平坦な街道だ。
主要5街道の中では最も短く峠もないため初心者にはもってこいのコースである。今回の旅は「ちゃんと歩ける日光街道 奥州街道」 八木牧夫著を参考に4泊5日の日程で行った。
歩き終えて
今回歩き終えてみて、いろいろ気づいたことがある、野宿のための装備、長距離に適した歩き方、足のケア、体調管理の目安などなど。今回は詳細については記載しないが、やってみないと分からないことだらけで、難所の無い日光街道を選択して正解だった。
旅の自己評価は70点/100点ほどで、初めてにしては上出来な成果。装備に無駄も不備も無く、持っていった道具全てをフル活用してゴールを達成できた。しかしながら、これ以上長期的な今後になると少し装備の足りない部分があるため、東海道や中山道を目指すなら装備を充実させる必要がある。
当初の目的通り今回の旅を通じて歩き旅に必要な情報を得ることができた。しかしそれと同時に、街道をなぞる方法として徒歩はベストな手段ではない気もしてきた。
歩くよりいい方法があるはず
今回、歩くという選択肢を選んだのは上記の気付きに加え、知らぬ土地を知り、ローカルな情報を集めるためには歩くのが最も適切だと考えていたからである。しかしながらそれは街道歩きにおいては必ずしも正しくないように思える。
街道の性質上、街と道のパートが存在する、そのため場所によって得られる情報量に差がある。もちろん現代までに開発が進んでおり道の区間が全く整備されていないわけではない。道区間でも遊んだり交流することは可能である。しかしながらここに街道歩きの弱点がある。
街道をなぞることが目的であるため、寄り道する場合には元の地点に引き返す必要があるのだ。そのため、一日の移動距離が少ない歩き旅では寄り道する余裕がほとんどない。結果、ローカルな情報を手に入れることよりも移動することに費やす時間が増えてしまう。このような理由から街道をなぞるのであれば徒歩以外のより速い移動手段を選択し、時間を寄り道や交流に使用したほうが良いと感じた。
ではどの移動手段がベストであろうか。街道をなぞる移動手段に求められる条件として、
・移動中に人に話しかけやすい
・寄り道しやすい
・情報量が疎な地帯に費やす時間を減らし、密な地帯で時間を使用できる
が挙げられる。これらの条件を考慮すると原付もしくは自転車が考えられるが、原付ではいささか色気がない。次は自転車で東海道でも制覇しようかな。