『LUCKY UNDERDOG』
あらすじ
七聖召喚情報サイト『オルトネリコ』の記者・灯音リコは七聖召喚の大会『ディオナ杯』の直前、身なりの汚い謎の男・藤沢博斗と出会う。博斗は、弟が余命僅かであり、ディオナ杯に参加するのが弟の夢だったと語る。弟にディオナ杯に出てもらうには参加費1万円が必要だが、博斗には金銭的余裕がない。”七聖召喚の楽しさを伝えたい”という思いから記者の仕事を始めたことを思い出したリコは、1万円を博斗に貸すことを申し出る。博斗は感謝を述べ、必ず返すと約束する。ディオナ杯が始まり、記者としての仕事をこなすリコ。いよいよ決勝戦となったが、決勝ステージに立つ選手の中に博斗の姿を見つけ、驚愕する。博斗は実は、知る人ぞ知るトッププレイヤーbakutoだったのだ。弟の話が全て噓だったことを知ったリコは、博斗に対してクズ男の烙印を押す。ディオナ杯は博斗の優勝で幕を閉じた。優勝者インタビューでリコは博斗に、実力がありながら今まで大きな大会に参加してこなかった理由を尋ねる。博斗は「金がなかったからだ」と答える。ディオナ杯の優勝賞金は100万円。大会後、リコは博斗から1万円を返される。話を聞くと、博斗は七聖召喚の稼ぎのみで生活する”プロ”を目指していたが、現実は厳しく、直近は苦しい生活を強いられていたという。リコが「もし優勝できなかったら借りたお金はどうしてたの?」と聞くと、博斗は「必ず優勝できると思っていた」と答える。七聖召喚の勝敗には大きく運が絡むと考えていたリコは、絶対の勝利を確信する博斗の才能に大きな興味を抱く。博斗には目的があるという。それは、世界に君臨する7人の”七聖”を倒して、”天理”の座を手に入れることだった。”七聖”はそれぞれ炎聖・水聖・雷聖・氷聖・風聖・岩聖・草聖と呼ばれ、各属性の共鳴デッキを用いる個性的な面子で、HoYoverse公認の配信者でもある。興行収入的側面から、”七聖”に公式戦を申し込むためには知名度が必要となる。実力はあるが知名度がない博斗と、知名度はあるがネタに困っていたリコの間で協力関係が成立し、二人は”七聖”討伐に向けて歩き出す。博斗はリコにたびたび借金をしながら、七聖召喚のスターダムを駆け上がっていく。
登場人物
灯音リコ (あかりね りこ)
本作の主人公。七聖召喚情報サイト『オルトネリコ』の記者。ピンク髪。お人好し。昔は七聖召喚の大会によく参加していた。目立った結果を残したことはない。七聖召喚はどんなに実力を磨いても運で勝敗が決まるという考えから、選手を引退し、”七聖召喚の楽しさを伝えたい”という思いから記者を始めた。「記者なら、運は関係ない。頑張ったら頑張った分だけ、成果が出る。七聖召喚に対する知識を、熱意を100%活かせる。だから、私はこの仕事が気に入っているんです。」
藤沢博斗 (ふじさわ ひろと)
本作のサブ主人公。bakutoというハンドルネームで七聖召喚の大会に出ている。出場した大会はどれも、参加費が無料の大会。そのため大きな注目が集まる大会には参加したことがない。小さな大会にも参加する七聖召喚愛好家の間では、強いプレイヤーとして名が知られている。クズ。人を騙すことを厭わない。ギャンブル癖がある。私生活がだらしない。身なりが汚い。七聖召喚は鬼強い。七聖召喚は戦略次第で運の影響を排除できるという考えを持つ。その神髄はある特定の状況でなければ成立しない不完全な戦術パターンを幾重にも重ね、全体として一つの完璧な戦略を構成する”変幻自在”のデッキメイキングにある。
世界観
西暦2120年の出来事である。
七聖召喚はフルダイブ型オープンワールドRPG『世界』のサブコンテンツである。
七聖召喚はもともとは約100年前に流行したオープンワールドRPG『原神』のサブコンテンツだったが、『原神』サービス終了後も次々と出されるHoYoverseのゲームの中でサブコンテンツとして存在し続け、『世界』で大ブレイクした。
『世界』について:以下の記述がある。