明日へ爆走、逆行とも気づかず
6時に目がさめるが布団の中でうだうだする。
いつもより早い時間に家を出て、昨日の朝会った職場が近所の友人に、いつもわたしは朝何番目の車両に乗っているよ!と意気揚々と連絡をしながら、しっかりとした足取りで職場と逆方向の電車に飛び乗る。
ぼんやりしており、しばらく気づかず数駅、ここはいつも通らない駅やわ、と愕然とし飛び降りる。
引き返して急いだが5分遅刻で汗だく、引っ越してからいまだホームの位置の逆転に慣れずにいる、あべこべの世界、俺があいつであいつが俺で。
今日は絶対にミートソーススパゲッティを作るし食べるぞ、と心に決めていたので家に帰るなりわしわし作る、わしわし食べる、ものすごい飛沫が服に飛んでいることに気づく、よりによって白、立ち上がって、なんなんや、なんなんや!と天に向かって手を広げのけぞる。
こういう時、自分を人形劇の登場人物と仮定して、手に棒がついているようにわらわらっと動いてみると、これも第何話かのエピソードであると思えるが表情は苦渋そのものである、悲しみのパペット、
布団に入った瞬間、設置したラックが落下したのだろう、浴室の方からこの世の終わりのような音がする。
嫌気がさしたので見に行かない、明日の朝に地獄の光景を見るのはもう決定したが今は絶対に見に行かないぞ、と強い決意、電子のサイバーアイマスクによって視界を遮断しゴリゴリに揉みしだかれ就寝。
どうか明日が来ませんように。
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