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【読了】『地球星人』---約400字感想
今日の1冊: 村田沙耶香著『地球星人』
読後、地球上にコンビニがあることを忘れさせてくれる作品。
世の中には生きづらさを感じている人が存在し、それは決して少数でないということを強烈に思い出させてくれます。
眉を顰めてしまうような大人たちの暴力から自分を必死で守る主人公に胸が痛くなりますが、その大人たちもその上の世代の人間や社会の歪みによって作られたのか?
逃げ場を失った人たちが見つけたコミューンは、奇妙だけど少しのユーモアもある。でもやっぱり猛烈に奇妙で、わたしは到底そこに入れる気はしない。
ウイルスが蔓延する昨今の同調圧力や陰謀論みたいなものも思い起こさせる登場人物たちの会話には、時々耳を塞ぎたくなりました。
著者を一躍有名にした『コンビニ人間』は地球規模(というか日本国における社会)の物語でしたが、『地球星人』は「星人」というだけあってこの星を凌駕し、人類を超越したストーリー··· であるのかもしれない。
何が真実なのか、すべて幻覚であってもらっても良い、と思わせれられる展開でした。
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