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きっとまだしばらく闘い続けるであろう敵

2020年はタフな一年でした(そして今もまだ)。
誰もが様々な立場や環境下で、祇園精舎の鐘の音を聞いたのではないでしょうか。

この世界には変わっていくものがあり(それはそれは沢山の事柄が!)、また逆も然りだとウイルスによって改めて気付かされた訳ですが、変えられるものや変わらないものの中には、”自分次第で” という事柄も多く存在します。
”ウイルス次第” では無く。

さて、タイトルの件です。
そんなタフな一年をくぐり抜ける中で私は「Who Am I ? 」的なことを考えることが幾度かあったのですが、それは外でもないジョージの得意とする分野であります。
Quiet Beatle などと称されることもあったビートルズの最年少・リードギタリストのジョージ・ハリスン。

ジョージが、特にそんな”自分” や”エゴ” について書いたという楽曲が “I Me Mine” で、ビートルズとして最後のリリースとなったアルバム “Let It Be” に収録されています。

“I Me Mine” でジョージは「自分自分うるせーよ」と歌っているのですが(←ざっくりしすぎ)、パンデミックな世界で私たちをウイルス以上の恐怖に陥れた同調圧力なんかもこの”I Me Mine” の精神に根付いているものではないかと思う訳です。

そして、私自身も、昨年は人との付き合い方において酷く頭を悩ませることがありましたが、いま、2020年の出来事として客観的に振り返ってみると、
まさに自分の中に ”I Me Mine” な血が隆々と流れていたのかもしれない、と思える部分もあるのです。

一番付き合いが難しく、でもいつもそばにいるから時に闘わねばならない存在。
それがエゴ。

1970年に公開されたビートルズの最後の映画 ”LET IT BE” では、メンバー同士のエゴのぶつかり合いも具に見られます。

特に、多くのビートルズファンのトラウマ体験となった”Two Of Us” の演奏シーンのポールとジョージの口論では、お互いの”自分” のぶつかり合い・エゴの応酬を見ることができます。

G「分かった。君が言うように弾く、弾くなと言うなら弾かない。」

字面にすると一層刺さります。。。

いやほんとに、ファンにとってはメンバーの仲が険悪であろうが円満であろうが「解散」という事実だけで充分ショックなのだから、あんな風に破滅的な切り取り方をしてくれなくていいのに。
なんなの?マイケル・リンゼイ=ホッグ監督ったら、優しくない悪魔なの?

でもそんな我々の救いとなるかもしれないのが、ビートルズの新作映画 ”The Beatles: Get Back”。
残念ながらウイルス騒動でその公開が2020年から1年ほど延期となりましたが、ピーター・ジャクソン監督を迎え、同じGET BACKセッションの映像素材を用い、現在全力編集中とのこと。
前身映画 ”LET IT BE” の片割れとして、別の角度から彼らのエゴを明るく照らして欲しいと思います。


”I Me Mine” の作曲の経緯については、のちにジョージが「LSDをやった後、目に映る全てのものが自分のエゴに関わるものだった。
僕は自分のエゴの全てを憎んだ。〜中略〜 ” Who Am I ? 僕は誰なんだ?” それが何より大切な命題になった。そこから”I Me Mine” は生まれたんだ。」と語っています。

その一方で、ポールやジョンへの当てつけ、なんて言われたりもしますが、
真相はなんであれ、ジョージのボーカルに合わせて「I me mine!」とハモコーラスを高らかに歌いあげるポールにいつも救われるのであります。

ビートルズから教わったこと。否、いま現在も教え諭されていること。

凡人の自分は、己のエゴとはこれからもまだしばらく(もしかしたら一生)闘い続けるのだろうという気がしてるけど、その事実を忘れることなく、謙虚に、感謝の念を持って過ごすことが
結局は自分の機嫌をすこぶる良くしてくれるということ。

エゴを憎まず、日々健やかに過ごせますように。

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MiHo O'Hara / Mihowell
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