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ビートルズアメリカ上陸から60年。2024年ニューリリースの衝撃

毎年秋の足音が近づいてくると仄かな期待と共にお財布が疼きはじめるビートルズファンの方も少なくないのではないかと思います。

2017年 Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band
2018年 The Beatles - White Album -
2019年 Abbey Road
2021年 Let It Be
2022年 Revolver
そして昨年2023年にはまさかの新曲 “Now And Then” と赤盤・青盤 Remixと、パンデミックイヤーの2020年を除き、6年に渡りニュー・リリースにより我々の年末を温めてくれているビートルズですが、今年は一体何を聴かせてもらえるの?HELP?Rubber Soul…??という希望的観測を軽々と飛び越え、先日ビートルズ公式から発表されたのは、ビートルズアメリカ上陸60周年を記念した【THE BEATLES 1964 US ALBUMS  in MONO(2024年11月22日発売予定)】でした。


2024年新作情報

THE BEATLES 1964 US ALBUMS  in MONO  

リリース内容

今回フォーカスされたのは、1964年1月から1965年3月の間にアメリカでリリースされた7つのアルバムです。

MEET THE BEATLES
THE BEATLES SECOND ALBUM
A HARD DAY’S NIGHT (Original Motion Picture Sound Track) 
SOMETHING NEW 
THE BEATLES STORY
THE BEATLES '65
THE EARLY BEATLES

こちらのモノラルのアナログ盤7作品8LPすべてが収められているのが【THE BEATLES 1964 US ALBUMS  in MONO 8LP BOX SET】で、THE BEATLES STORY 以外の6枚のアルバムは単品でもリリースされます。

尚、MEET THE BEATLES に関しては、カラー盤も発売されます。

マスタリング

今回のリリースで公式が力強くアッピールしているのが、「今回の新譜の音源はオリジナルモノマスターからカッティングされている」ということです。

これらのアルバムはオリジナル・マスター・テープを使用し、アナログ盤にカッティングされている。またその際、アナログの信号経路のみを使用し、オリジナル・アルバムの最初期のプレスの音を常に参照しながら作業を進めていった。今回のアナログ盤は、マスター・レコーダーにアナログ・プレビュー/プログラム・パスの機能を備えたスチューダー・A80を、カッティング・マシンには1971年にキャピトル・スタジオに設置されたノイマン・VMS70を使用して制作された。こうしてカッティングの全工程をアナログ機材により進めることで、オリジナル・テープに記録された音域とダイナミクスを忠実に表現することが可能となっている。

THE BEATLES STORE JAPAN サイト「マスタリング・ノーツ」より

もともとの音源に対する評価や好みは色々あるかもしれませんが、今回のリリースに当たっては、 ”当時のオリジナルモノマスターを使い、更にすべての工程でアナログ機材を使ってカッティングした” というところがポイントとなりそうです。

ラッカー盤のカッティングは、ユニバーサルミュージックのアクティブ・マスタリング&カッティングエンジニアであるケヴィン・リーヴス氏が担当し、アルバム制作はカントリーミュージックの聖地テネシー州のナッシュビルにある ‘East Iris Studios’ で行われたそうです。

私はサウンドの違いを聴き分ける耳が赤ちゃんである上に、各国盤やテイク違い、ステレオ・モノラルの違いでさえ把握できていないような人間ですが、アナログ盤を愛し、さまざまな音源の差異を楽しまれているファンの方々にとっては、当時の音を忠実に再現しているモノレコードコレクションの発売というのは心踊るニュースなのではないでしょうか。

アートワーク

オリジナルに忠実なアートワークも注目ポイントのひとつです。
1964年のオリジナルのアルバムをお持ちの方は、そのあたりを比較する楽しみもありそうです。

また今回新たにリリースされる日本盤には、当時の日本盤の帯デザインを再現した帯がついてくるという嬉しい特典もあります。

価格

ひととおり商品を眺めてみて思うのが、ちょっとお高くないですか?ということです。
モノラルのアナログ盤(11-12曲入り)が単体で 7,000円 超えです。
日本語対訳・翻訳仕様だから仕方ないのか…ということでもなく、輸入盤の価格も 6,000円 程度です。

〈 THE BEATLES STORE🇯🇵 サイトより 〉

円安の影響が重くのしかかっていることは間違いありませんが、アメリカのビートルズ・ストアで このLPが1枚30ドル程度で売られているのを見ると、えー、日本のファンにちょっと厳しすぎませんか?という気持ちになってしまいます。
私の場合は未だにまともなレコードプレイヤーも持っていないため、主にジャケットを飾って眺める為に7千円か。。と思うと、愛があってもなかなか渋い気持ちになります。
ましてやBOXセットとなると、「2セット買うと 最新の iPhoneが買えそうだな…」みたいな邪念が浮かんできてしまい、自分のことが嫌いになりそうです。

BOXセットも単体もどちらも予約受付は 9月12日に開始したばかりです。
そして発売は 11月22日。まだ2ヶ月ほどありますので、即決できないでいる方は大いに悩みましょう!

静かなる男からの挑戦状

そんなこんなで今年のビートルズ新譜について頭を悩ませつつ咀嚼している間に、Quiet Beatle ことジョージ・ハリスン公式からも衝撃のアナウンスが投下されました。

名作”ALL THINGS MUST PASS” に続くジョージ・ソロアルバム第二弾 【 LIVING IN THE MATERIAL WORLD 50周年記念エディション】のリリースです(2024年11月15日発売予定)。
(※厳密に言うとビートルズ期のソロ作を合わせるとジョージ・ソロ第四弾。)

みんな大好き “Give Me Love (Give Me Peace on Earth)” が収録されていますが、こちらの楽曲では現在公開中の映画【セッションマン】で再度注目が集まっているニッキー・ホプキンスの素晴らしい鍵盤も聴くことができます。

こちらはこれまでのビートルズ・デミックスの各リリース作品と同様に、デラックス・エディション、2CDs / LPs、1CD / LP、カラー盤、ストリーミングなど様々なオプションが用意されています。

このジョージ・マテリアルも、今年リリースされるとの予想は堅くなかったはずなので、嬉しい誤算というか「おぉジョージ、そう来たか…」的な驚きを持って受け止められているような空気を感じます。

個人的には今年は50周年を迎える1974年発表のダークホース界隈でなにか動きがあるかな?と思っていましたが、まんまと予想が外れました。
ジョージ公式的には、細かい年代には拘らず、オリジナルのリリース時系列で再販していくよ!という意思表示なのかもしれません。
ということは、来年以降もありますね、きっと。。

まとめ

こんな風にビートルズとジョージがクリスマス商戦に向けて新譜を真正面からぶつけて来ちゃった訳ですから、瀕死状態(お財布事情が)のファンも少なくないのではと推察します。

この上さらにポールが「お待たせ!久しぶりのニューアルバムだよ!」と被せてきたり、リンゴが「毎年恒例のEPだよ!Peace & Love!! 」と上乗せしてくる可能性も否めず、心の奥底がざわついている9月の暮れです😇

私個人としてはビートルUS祭りもちょっと楽しみつつ、きっと来年こそ拝めるであろう RUBBER SOULのデミックスのために今からビートルズ貯金を始めておく必要があるのではないかと考えております。

いずれにしても、解散から半世紀以上経ってもこうして「今年の自分のクリスマスプレゼントはどのアルバムにしようかな?🎄」などと悩ませてくれるビートルズには、改めて感謝しかありません。
手加減してほしいけど、いつもありがとう。

▼【動画】ビートルズ2024年新作情報、1964年アメリカツアーについて


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MiHo O'Hara / Mihowell
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