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Yesterday and Today
2024年にも幾人かの著名人がお亡くなりになった。
谷川俊太郎さんもそのひとり。
「あぁ、そうなのか。」と衝撃が大きかった。
享年92歳とのことなので、この世を去ってしまったとしてもおかしくはない年齢なのかもしれない。
でもなんとなく、谷川俊太郎さんは永遠に詩を紡いでいらっしゃる気がしていたので、「あぁ、そうなのか。」と人の寿命を思い知った。
彼が最晩年に書いたであろう詩を目にした。
目が覚める
庭の紅葉が見える
昨日を思い出す
まだ生きてるんだ
今日は昨日のつづき
だけでいいと思う
何かをする気はない
どこも痛くない
痒くもないのに感謝
いったい誰に?
神に?
世界に? 宇宙に?
分からないが
感謝の念だけは残る
そしてわたしは思い出した。
自分が学生時代に書いた詩のことを。
いつかは
すべてを
振り返ることができても
今まだ ここから
動けない気がしてるけど
昨日のつづきの
今日だけを期待してても
君から
逃れることなんて
できないから
欠伸と頭痛を繰り返し
このままでも
許されるなら
これからどこへ行こうかな
「今日は昨日のつづきだけでいいと思う」と言う谷川さん。
「昨日のつづきの今日だけを期待してても(だめだ)」と言う10代の自分。
あれから干支を二周ほど回遊して、いま、「今日の続きの明日は当たり前にある訳ではないから、今日は昨日のつづきでいい」と思っている。願っている。
そこから少しずつ、「今日は昨日のつづき ”だけ” でいい」と思える日へ、向かっていくことができれば、それはひとつの幸せな形なのかもしれない。
何かを祈り、何かに感謝する年の瀬。
いつか、目的も理由も対象も意識せず、祈り、感謝して、でもまだ知らない世界への好奇心は失わない。
そんな境地に辿り着くことができるのか、考えている。
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