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ブルーな気持ち

私に「ブルーな気持ち」というのを教えてくれたのは、外でもないビートルズです。
1963年にリリースされた彼らのデビューアルバム “Please Please Me” を私が初めて手にしたのはその30年以上も後のことですが、当時小学生だった私は、自分よりずっと年上のビートルズが歌う「ブルーな気持ち」というのがどんな気持ちなのかよく理解できず、でも何か甘酸っぱさと大人っぽさとアンニュイな雰囲気を感じ取っていたように思います。
もっとも、当時は「アンニュイ」なんて言葉は知りませんでしたが。

PPMのアルバムの中には、そんな「ブルーな気持ち」をBlueという言葉を使ってきっちり表現してくれている楽曲が3つあります。

まず、”Ask Me Why”.
“I love you.”というこれまた昭和日本の小学生には馴染みの薄いフレーズから始まるセクシー・ジョンの楽曲。
君が僕のものになって、“I should never be blue.” と歌う甘いバラードです。
”My happiness still makes me cry.
And in time, you’ll understand the reason why”
と、幼き私は、ジョンが直接自分に語りかけているような気がしたものです。
Never never never be blue! と畳み掛けてくる Never という言葉にも鳥肌でした。

2曲目は、”Please Please Me”.
言わずと知れた彼らの2枚目・初 No.1獲得シングルで、ビートルズを多くの人に知らしめたアルバムタイトル曲です。
“Why do you make me blue?” と明るく歌う彼らに、私は人生で初めて「ブルーな気持ち」というものを教わりました。
Ask Me Why で幸せに咽び泣いたり、Please Please Me で ”there’s always rain in my heart” と、つれないあの娘に振り回されたりと、大人の男の人も恋をすると随分可愛いんだな、とキュンキュンしたことをつい先日のことのように思い出すことが出来ます。

そして最後は ”There’s A Place”.
最初のハーモニカから何か渋さを感じていたこの曲。
“There is a place where I can go when I feel low, when I feel blue”,
When I’m alone な時に行くというその場所でじっとしていると、ブルーな気持ちは何処かへ行ってしまうんだ…、良かった。。とまで当時の自分が思っていたかは不明ですが、悲しみから解放してくれるようなこの切ない楽曲は、私の中でPPMのラストナンバー的な存在です。
本当のアルバムラストの “Twist And Shout” はアンコールナンバー。何か別格なのです。

改めて考えると、私はビートルズから、色んなことを教わりました。
2020年 Stay Home なこの年に、Stay with Beatles で、少しずつ彼らに教わったことについて思い返してみたいと思います。

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MiHo O'Hara / Mihowell
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