「ねぇ、ママ見て!」あとどのくらい見せてくれる?
息子は6歳になった。あと数ヶ月で幼稚園が終わり、小学校へ通う。
手先が不器用で、気を揉んだ。走り方のフォームが気になり、気を揉んだ。ひらがながなかなか進まなくて、気を揉んだ。友達との付き合いに、気を揉んだ。
大丈夫かな、どうするんかな、どうしたらいいのかな。沢山口出ししてしまって、やる気をもいじゃったこと、たっくさんあったよね。怒らせたり、さみしい気持ちにさせちゃったりしたよね、ごめんね。
ここにきて、ぐんといろんなことができるようになったね。目に見える進化がすごい。
冬休みに練習したうんていも、自転車で公園の坂道を登りきれるようになったことも、歌詞カードを作ってひらがなを見ないで書けるようになったことも。数字の足し算も、気持ちの切り替えも。弟にも手を出さなくなったし、お友達とも喧嘩しながらもちゃんと謝って、一緒に遊ぶのが楽しくて仕方ないみたいだね。
「ねえ、ママ見てる?見て!!」
そうやって声をかけられることが時に面倒で、生返事で返してしまっていたね。
でも今は、その言葉を一体いつまで聞けるんだろうなと思うよ。
いずれ君は、自分が何に挑戦しているかすら言わなくなるんだろう。
私以外の誰かに見て欲しくて、認めて欲しくて、「ねえ見てて!」って言うんだろう。
私は、君が何かに挑戦して、何かを成し遂げた時も、近くで見ることもできなくなるんだろう。
1日に何十回も聴く「見て!」が愛おしくなる。ちゃんとみようと思う。目に焼き付けておこうと思う。いつまで立っても、終わりが近づかないと気がつけない性分だな。
「1人でゆっくりしたりお勉強したりする自分のお部屋が欲しいな」と言われたのは、今日で2回目。憧れがあるんだろうね。
息子なりに、弟に邪魔されない時間が欲しかったりするのかもしれない。
これから、巣立つ君を送っていくばかりの日々になっていくんだろうか。
自分のことのように心配するこの気持ちはもう、なくなっていくのだろうか。
この時代の子育てはいつか終わる。いつかは、遠いことのように思うけれど、本当にあっという間に終わっているんだろう。
君の成長を、心から誇りに思うよ。