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①高校卒業から、ついに夢の第一歩へ。

私は高卒資格取得の為仕方なく通った高校とはいえ、理解してくれる1人の親友と出会い、

遠距離恋愛だけど彼女もいてくれて、楽団によってずっと音楽がある環境に身を置けたし、何より

ずっと夢だった楽器の修理師への第一歩ももう少し。

全てが良い方向に向かっているようで、幸せいっぱいで明るい日々でした。


順風満帆とは

まさにこの時のことを言うんだなと今になっても思います。

肝心の受験ですが、吹奏楽というのは夏に全国大会を目指す

夏のコンクールという行事があります。高校野球でいう所の甲子園みたいなものです。

そのコンクールに勝ち上がるための練習がとても重要で、

さすが専門学校も吹奏楽に関しての理解があるといいますか、コンクールを見越して通常の受験シーズンより半年くらい早めの受験だったのです。

とはいえ専門学校ではどんな内容の受験になるのかはよくわかりませんでした。音楽以外の勉強をしてこなかった私でもなんとかなればいいけど…。

とよくよく要項を調べていると、確か楽器に対する知識とかその辺が出ると書いてありました。

とりあえず英語や数学中心の受験ではなさそうだと、胸をなで下ろしました。

祖母と一緒に専門学校の願書をもらいに行き、簡単に初めの授業内容や校内見学をさせていただきました。

初めは金属を真っ直ぐに削る所から始まる。

まさに私が思い描いた『職人』への第一歩だ!と終始ドキドキしながら説明を受けました。

2年目には海外留学もあるそうで、勿論本場で楽器の腕も上達するような授業も組まれ、レッスンに必要な音楽に対する指示程度の英会話も勉強するようでした。

そんなことまでさせてもらえるなんて…!と私が祖母の顔を見ると、

祖母は明らかに嫌そうな顔をしていたのです。

家から出ることを許さない、まして友人の家に泊まりに行くなんてとんでもない行為と教えてきた実家にとっては、スケールを遥かに超えていたんでしょう。

祖母は帰り際に

『なんか子供の遊び場みたいな教室やったな。就職もちゃんとできんのかな?』

と一言だけ私に言いました。

当時の私は、勿論就職は狭き門で、たとえそれで運よく就職したって給料もそんなによくない。という話は知っていました。

そんなことより、夢であった仕事がしたい。そのための勉強がどうしてもしたい。

この思いがとても強かったのです。給料が安いなんて些細な問題でした。

何より高校も卒業する年齢になったし、それなりに毒親からの過干渉も薄れていってくれればいいと思いました。

そして、通常の高校三年生がそろそろ受験に向けて勉強を始めようかという時に、私は一足早く受験に挑んだのです。

いざ受験!結果は…

大学のように参考書もなければ、練習問題などもなかったので、不安はありましたが、問題内容を見る限り

『大丈夫、これわかる。』

と思い。時間ギリギリまで問題を解きました。

自分では手応えはあったと思います。

そして受験後、私のもとへ通知が届いたのです。



結果は合格。


それもただの合格では無く、特待生扱いの合格でした。


特待は確か入学料が免除、とかそんな特典がついていたと思います。


私は嬉しくて嬉しくて、何度も合格通知を見返しました。

何度見ても合格と書かれているのです。

勿論最愛の彼女にもすぐに電話で報告しました。

彼女も自分のことのように喜んでくれました。


世界がキラキラ状態の私は、そこまで親しくもない先生や、クラスメイト、後輩にも合格したことを伝えに伝えまくっていたのです。

中でも同級生は、今から自分の受験が控えているのにデリカシーのないやつだ、と思われても仕方ないのに、皆とても喜んでくれました。


続く→

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ざき
自分には何ができるのか、色々な仕事に就きましたが、いずれは執筆だけで生きていこうと思っているしがないライターです。