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初めてのお付き合いは同性。


前回の下の方からの続きです→



『結婚を前提に、付き合ってほしい。』

と13才年上の女性から唐突に言われた私。

正直私の頭は理解が全然追いついていませんでした。


それは、女性同士だからというよりも、

他人から直接愛をぶつけられた事にびっくりしたのです。

まさか自分が他人に愛される日が来るとは思いもしなかったので、私は、こんな私でよければ是非。とその場ですぐにOKしました。


女性同士での恋愛を意識したことは1度もなかったし想像もしなかったけど、

私にとって人を好きになるのに性別など些細な問題でした。

むしろ全く疑問にも思いませんでした。


遠距離恋愛、毎週届くラブレター

私と彼女の住む街は、新幹線で3時間程度。

しかし、彼女は毎日の仕事が忙しく、子供も小さい為こちらに来ることは無く、また私も遠出などは一切許されない家庭だったので、もっぱらメールや電話、手紙でのやり取りでした。

実家は1部屋の居住スペースしかなく、プライベートなどなかったのですが、高校に上がる時に父が家の裏に倉庫として小さなアパートを借りたのです。そこを勉強部屋にしなさい。と言われ、初めて自分の部屋がもてたのです。

当然寝るときは実家に帰らないといけないし、親がアパートの鍵を持っていて勝手に入ってくるというルールはありましたが、

日中は1人での時間がやっと持てたのです。

なので、電話も親に聞かれる事なく、そのころはとても充実していました。

特にラブレターは詩的で物語のようなものばかり。(女性ならでは)

私は毎週届くラブレターを宝物にしていました。

彼女の性格

普段はとても優しく、山のようにお互いの好きなアニメグッズを送ってきてくれて、年上らしく私の話も聞いてくれるのですが、

電話口でいつも自分の子供に暴言を吐き、気に入らない事があるとすぐに私に当たります。

ヘビースモーカーで自分のことは『俺』と呼び、ガタイもよく職場も男ばかりの環境だったので、本当に男性のようでした。

でもすぐにヒステリックになるところはやはり女性だなと思います。

毎週のように喧嘩

半年たった頃くらいから、些細なことですぐ口論になり、別れ話になっては、また仲直りする。

という流れが頻繁になってきました。

私が泣くと余計に怒り、『めんどくせえ女は嫌いなんだよ!!』といつも怒鳴っていました。

私も恋愛経験がなかったので、もうどうすればいいのか、全然未来が見えませんでした。

めちゃくちゃ振り回される恋愛

それでも、私は彼女を好きで好きでたまらないところまで来ていて、この人がいなくなったら生きていけないとまで思っていました。

なので勢いで別れ話を切り出されても必死に食い止めました。

13才も自分より年上なのに、こんなに恋愛って疲れるんだ…。

と思い、正直別れた方が楽になるかも…と思うものの、やっぱり離れたくありません。

この人と海外で2人だけの結婚式をして、幸せに暮らしたい。

まるで毒親の元から救ってくれる救世主のように思っていたのです。


何より、年末のクリスマスにこっちにくる約束をしていたので、その日で何か将来についての進展があるんじゃ無いかと感じていました。


お揃いの指輪だってもらったのです。


私は人生で1番幸せで、自分だけこんなに幸せで、世間に悪いくらいに世界が幸せな色に染まっていました。

初めて会う日

クリスマスに行く。

と言っても具体的な話は無く、私も交通のことなどは当時全く分からなかったので、なんとなく新幹線の降りる場所にいけばいいんだろう。

と漠然と思っていました。

こういうことは大人の彼女が詳しいので、うまくやってくれるだろう。

特に気にもせず、あっという間にクリスマスの日になりました。


当日、電話をじっと待っていたのですが、その日は連絡が繋がらず、次の日に

『あー、うん。行けなかったわ。』

とだけ言われました。

私も、来れなかったなら仕方ないな。と納得しました。

そりゃ具体的な場所や時間の話も一切なかったので、心の中では『来ないんだろうな』とは思っていました。

けど、もしかしたら来てくれるのかも。

やっと会いに来てくれるのかも。

とほんのわずかな希望もありました。

やっぱり現実は私に冷たいものです。その日はもらった指輪を捨てたくなりました。

彼女との別れも突然

長い長い時間一緒に過ごした気になっていましたが、実際付き合っていたのは1年と少しです。

丁度高校卒業の時期と重なるのですが、その頃結構な事件が起きており、そんな中彼女から電話があったのです。

「結婚することになったから別れてほしい。やっぱり子供にもお父さんは必要だし。お前もいい人見つけろよ。」

そんなような言葉だったと思います。私は張り裂けそうな、叫び出したい気持ちを抑えて、わかった。とだけ言いました。

こんな私でも好きだといってくれた彼女。

彼女とだったら重い重い実家から逃げて幸せになれるかもしれない。

そんな彼女は、私より数倍幸せになってほしい。


できることなら、一緒に幸せになりたかったけど。

私は結局クソガキで、親からも逃げられず、結局1人で泣いているだけの存在。

喪失感と虚無感が一気に襲ってきました。

高校卒業、夢だった楽器の修理の専門学校に入る目前でした。

その話は次回したいと思います。

今思うこと

13才年上というのは、ものすごく大人な存在なんだと思ってました。

私は今、その当時付き合っていた彼女の年齢より3才年上になりました。

今の私は全然大人なんかではなく、精神も未熟で、成長もいうほどしてません。

同じ立場で考えると、そんな人に多くを求めすぎて申し訳なかったなという気持ちです。

おそらく向こうは良いお相手が見つかるまで、会える距離にいない子と疑似恋愛を楽しんでいただけだったんだと。

でも私は、たとえ偽物でも十分な愛をいただきました。

今彼女がどうなってるかは知りませんが、元気に笑っててほしいなと思います。

それからは女性男性問わず色んな方と交際しましたが、私はその彼女以上の夢中になる恋愛が全くできなくなっていました。


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ざき
自分には何ができるのか、色々な仕事に就きましたが、いずれは執筆だけで生きていこうと思っているしがないライターです。