へっぽこぴーりーまん書紀〜2社目編 東京編vol.11
メインサブ
東京3年目の10月頃だっただろうか。ボクの所属する営業4課の会議が開かれた。
その際に、課長の足利は言った。
「オマエは担当を持ちつつ、メインサブをやって貰う。」
は!?!…メインサブ!?
言葉の意味を飲み込めない。
サブとは、課の諸々の雑用を担うという意味。
つまり、ボクはみんなの雑用を積極的に引き受けろ。ということだった。
3年目。ボクの所属する営業4課には、更に新卒の社員と新規の中途社員が加わっていた。
新卒の社員は、サブ。
ボクはメインサブ。
要はこういうことだ。
ボクは雑用指示のメイン受け皿で、統括役
新卒社員に雑用の指示を与えたりもして、2人で雑用を完結させてね。雑用履行の最終責任はオマエにあるからね。
という意味だ。
オマエは営業に専念する資格はない。
実質そう言われているのと同じだ
当時ボクは32から33歳。
世間の一般的同年代は、主査や係長クラス。脂が乗り出して、責任のある大きな仕事を任されはじめる頃だろう
「まだオレに雑用させんのかよ…」
「いつまでこんなことさせんねん…」
「雑用して評価上げてもらえるんかい!?」
怒りと虚しさでグチャグチャになった。
メインサブといった、適当な言葉の冠でお茶を濁されてる感じにも腹がたった。
またモチベーションが落ちた。
流れは一層悪くなっていく。
本田からの説教
当然つまらないから、ボクは何かにつけ雑用を渋るようになる。
新人に仕事を回したり、極力雑用を避けようとしたり、報復的な気持ちで納期ギリギリに対応したり、適当に対応したりした。
そんなことを続けていくと、雑用を振りまくる本田から別室に呼ばれた。
マンツーマンで延々と1時間以上説教をされた。
話を要約するとこうだ。
「なんで暇なはずなのに雑用をやらねえんだ。」
「オマエの勤務態度に問題がある。気に食わない。180度変われ!」
「新人のほうが優秀だ!」
ボクは完全に不貞腐れていた。
「うるせぇ!てめえにとって都合よく動いて欲しいだけなんやろ!クソジジイ!」
と思い、1時間以上殆ど黙って場をやり過ごした。
本田とは殆ど口を利かなくなった。
またボクは殻に閉じこもる。
今の自分を認めたくなかった。情けなかった。意地だけがボクを動かしていた。合理的な判断は出来ていなかった。きっと。
ボクは本田の行為を「パワハラ」として上司に喧伝することになる。
しかし、ボクの実績の無さ。
この訴えを上の人間は「被害者妄想が強い」「周囲の人間とうまくやれない」とボク側にもバツをつけた。
…またバツが付いた。
JBCホームセンターは未だに苦戦が続いていた。商談の切り口、突破口が見いだせない。
ギフトルート商談も労多くして益は少ない。営業として僕は苦戦していた。
唯一の得意分野が…
東京に来た以来から担当し、実績を大きく伸ばしたホームセンターセキヤ。
納品実績は赴任当初の1.5倍以上になっていた。僕の予算の中で売上構成も大きく、バイヤーとの関係も良好だった。
本来は、伸びつつある上得意。感謝をし、フォローを手厚くするべきだろう。
…しかし、ボクはここで手を抜いてしまう。訪問回数も減り、現場に行く機会も減っていった。
モチベーションの低下で投げやりになっていたのと油断・慢心が組み合わさり、仕事の熱意が減っていた。
地雷を踏む日が刻一刻と近付いていた。
(→次回に続きます)