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【MTG】チャンピオンズカップベスト4 グルール機体解説


はじめに


こんにちは、zamiです。
6/24,25にチャンピオンズカップファイナル サイクル3が開催されました。
私は不参加でしたが、共に調整したMurachoこと村上和弥がTop4でPT権利獲得と好成績を残しました。


しっかりと時間をかけて調整したデッキということもあり、今回はそのグルール機体について解説いたします。
アグロデッキが好きな方、今後店舗予選やエリア予選が控えている方におすすめの内容です。
またMTG ArenaのExplorerでもこのデッキをプレイすることができます。



グルール機体とデッキ選択について


2023年6月以前のグルール機体についてはこちらの素晴らしい記事をどうぞ。

ラクドスミッドレンジに有利なデッキとして一時は人気を集めたグルール機体ですが、ラクドス側のプランの確立、苦手なエニグマファイアーズの隆盛等の逆風もあり減少傾向にあるデッキでした。
しかし2023年6月にアメリカの地域チャンピオンシップ(Regional Championship =RC)で活躍すると再び話題のデッキとなります。
まずはそのリストをもとにお話します。

Gruul Vehicles by Bradley Schlesinger
MTGMelee.comより

メインの《ヴォルダーレンの興奮探し》3枚、《イクサランへの侵攻》2枚が特徴的なリストです。
《ヴォルダーレンの興奮探し》は《恋煩いの野獣》や《アクロス戦争》との相性が良く、グルール機体の穴を埋めるカードとして最高の1枚に見えます。
調整メンバー内にグルール機体を触ったことのあるプレイヤーが複数いたことからこの《ヴォルダーレンの興奮探し》入りグルール機体は関心を集め、とりあえず回してみることになりました。

実際に回してみるとメインコンセプトの完成度の高さを感じる一方で、1枚差しカードが多い点やサイドボードにまだ伸びしろがあると判断し、それならばと本格的な調整に移行しました。
ラクドスサクリファイスやボロス召集についても検討を重ねていましたが、調整期間中にMurachoと私が今季の店舗予選を抜けたこともあり次第にグルール機体に傾いていき、やりこみ環境であるパイオニアを制するためにもチャンピオンズカップでも使用するに至りました。


デッキリスト

こちらが完成したリストです。

Gruul Vehicles by Murakami Kazuya
MTGMelee.comより

テキストはこちら(MTGMelee.com)

メインボード

《恋煩いの野獣》、《ヴォルダーレンの興奮探し》増量
アメリカRCでは3枚ずつとなっていましたが、このパッケージはあらゆる相手に強く、無駄にならないため増量しました。
グルール機体は有利不利がとてもはっきりとしたデッキで、クリーチャー主体のアグロ~ミッドレンジを得意とし、除去の多いコントロールやコントロール寄りのコンボを苦手としています。
《恋煩い野獣》は5/5というサイズからアグロに対して効果的なだけのカードと思われがちですが、マナクリーチャーから2ターン目に展開しコンボデッキと速度勝負したり、コントロール相手に出来事面で頭数を確保したりと無駄がありません。
《ヴォルダーレンの興奮探し》も打点向上、除去、本体火力と役割が多く無駄になりにくいカードです。

これらの代わりに不採用になったのは目的が漠然としている《迷宮壊し、ミグロズ》とテンポを損なう《イクサランへの侵攻》です。
多くのリストでとりあえず1,2枚採用されている《迷宮壊し、ミグロズ》はアーティファクト・エンチャントを使用するデッキに効果的ではあるものの、タイトなマナの支払いが要求される《ヴォルダーレンの興奮探し》入りグルール機体において複数回の能力起動は難しく、《恋煩いの野獣》同様にアグロデッキに対するサイズ感が重宝されるだけのカードになってしまっていました。
それならばとこの枠はさらにサイズに優れる《恋煩いの野獣》の4枚目とし、過多になりがちな3マナ域の枚数を調整しました。

マナベースについて
《反逆のるつぼ、霜剣山》は不採用とし、《山》に変更しました。
チャンピオンズカップはリスト公開制の大会であり、基本土地が1枚しかないことがバレると《廃墟の地》で大打撃を受ける可能性があります。
また《反逆のるつぼ、霜剣山》は《恋煩いの野獣》を動かす役割もあるカードですが、《ヴォルダーレンの興奮探し》登場以降は以前より動きやすくなっており、魂力能力を起動する場面が減っていました。
1ターン目に緑が必要であることから、アンタップインするタイミングが実質2ターン目だけである《バグベアの居住地》も不採用です。

フリースロットについて
《野獣》《興奮探し》パッケージにフィーチャーした構築を模索した結果《アクロス戦争》は4枚から減らせず、フリースロットは《辺境地の罠外し》2枚と《領事の旗艦、スカイソブリン》2枚です。
フリースロットとは言うものの、2枠をユーティリティー2マナクリーチャー、2枠を除去で埋めたいという思いもあり、《漁る軟泥》、サイドボードに収まった《抹消する稲妻》やライフを狙える《稲妻の一撃》といった候補から採用することは決まっていました。

《漁る軟泥》は墓地利用デッキだけでなく戦闘の多いクリーチャーデッキにも強いカードです。
しかし今回はサイドに墓地対策を多くとっている点、クリーチャーデッキよりエンチャントデッキを苦手としていることから《辺境地の罠外し》を優先しました。
《漁る軟泥》と比べて除去に強いカードであること、《無謀な嵐探し》に先駆けて夜にできることも強みです。

除去枠についてはラクドス系、緑単に強いカードにしようということで《領事の旗艦、スカイソブリン》2枚を優先しています。
《領事の旗艦、スカイソブリン》を抜くと決め手を欠きフラッド気味になって負け、という展開も多くありましたので0枚にすることはおすすめしません。
《領事の旗艦、スカイソブリン》が効果的なデッキこそ有利な相手であり取りこぼしは許されない、という考えも持っています。

サイドボード

見慣れないカードが多いと思うので1枚ずつ丁寧に解説させていただきます。
《湧き出る源、ジェガンサ》の重要性と《エンバレスの宝剣》の不採用についてもこの項目で扱います。
このリストで最もこだわっている部分です。


《未認可霊柩車》
即効性のある墓地対策であることからアブザンパルへリオンに対するカードとして認識されていると思いますが、他のデッキに対しても効果的で"広い"カードです。
青白コントロールに対しては《記憶の氾濫》を追放しながらサイズを上げてタップアウトの隙に攻撃に向かうことができますし、ラクドスミッドレンジに対しては構えられている除去を躱したり《死の飢えのタイタン、クロクサ》を追放できたりします。
緑は墓地対策が得意な色ですが、機を見て攻めに転じられるところがデッキの方向性と噛み合っており、《未認可霊柩車》に墓地対策を任せています。

《抹消する稲妻》
初期のグルール機体ではメインから複数枚採用されていましたが、環境の変化により次第に枚数を減らしていきました。
主な役割は緑単信心対策で、《老樹林のトロール》を後腐れなく処理したり搭乗を阻害する《大いなる創造者、カーン》の対処に役立ちます。
《黙示録、シェオルドレッド》を1枚で処理できる《焙り焼き》としばしば比較されますが、PWに当たる、追放、というメリットは大きく、時期的に青白スピリットの隆盛もあり飛行クリーチャーに当たらないデメリットも無視できません。

《引き裂く流弾》
白単人間、ボロス召集、青白スピリット、アブザンパルへリオンに対してプレイします。
1マナで構えられるところが強みで、グルール機体では《ヴォルダーレンの興奮探し》や《変わり谷》のおかげで構えても読まれにくいというメリットもあります。
似たカードとして《丸焼き》がありますが、あちらは《ドミナリアの英雄、テフェリー》に当たるというメリットがあります。
2マナということでやや使いづらさはありますが、《引き裂く流弾》の追加としては《丸焼き》の採用もあり得ると考えています。

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