ローローの出エジプト日記⑥ - バクシーシ!バクシーシ!
まんが: けんいちパンダさん さん🐼
チェックインしたホテル(仮称バクシーシホテル)は、日本のエジプト国営社を通してあらかじめ予約を入れていた三星ホテルでした。
日本の感覚で、「学生なので三星ぐらいが無難」ということで、街の中心地でロケーションも便利だし、そのホテルにしました。
しかしエジプト国営社も、教えてくれるべきだったと思います。
エジプトの三星ホテルとは、普通の国では星も付けられない有様なんだということを。
まず
ポーター二人に「バクシーシバクシーシ」と荷物を運ぶ前にせびられ、
まだ"青かった"私は1エジプトポンド札(当時30円)を渡そうとすると、二人には
「チッチ」舌打ちされる。
「エジプシャンポンドはいらん。アメリカンダーラー、アメリカンダーラーをよこせ」。
まだこの手の国になれていない、うぶだった私はそこで言われるがまま、それぞれに1米ドルを渡しました。
するとエレベーターに乗る時に、その二人のポーターは今度は
「エレベーターバクシーシ、エレベーターバクシーシ」。
ア然です。でも払っちゃいました、本当にまだ甘かった当時の私...
部屋に入った後も、
「ルームバクシーシ、バクシーシ」...
そしてこの漫画とおり何かとドアをノックされ、
「バクシーシ、バクシーシ」
と従業員が入れ代わり立ち代わり現れました。
流石にもう払いませんでしたが、「no バクシーシ」というと、みんなブスーと露骨にふくれて、「チッ」と大きな舌打ちをしてきます。確認ですが、私は宿泊"客"です。
(ちなみにバクシーシの意味は喜捨で、本来は"チップ"だとか"ぼったくり"の意味ではないことも、モスリムの名誉のために付け加えておきます)
レセプションのオバチャンも強烈でした。
ムーミンに出てくるミィと同じ赤毛の頭をし、前歯がないスカスカオバチャンでしたが面倒くさそうに肩肘つきながら、私のチェックイン手続きをしていたのです。
朝食も腐った牛乳とカビのはえたパンが出てきたのが一生忘れられません。
しかもそれを指摘したら、ウェイターに
「ノープロブレム」
と笑顔で言われました。
さらに私が朝食を食べている隣のテーブルでは、従業員たちがタバコを吸いながら大声で井戸端会議。
後で気づきましたが、まともなホテルはどこも支配人がオランダ人、ドイツ人、イギリス人、アメリカ人と外国人ばかりでした。
そもそもバクシーシホテルにはそもそも支配人自体、見なかったような...
ちなみに一番驚くのは、このホテルはいまだに残っていることです。そう、潰れていないです。
むしろ別の、良心的で清潔で素晴らしかったホテルの方が消えています。そういうものなのでしょうか...
ネットをみると、このバクシーシホテルの紹介でこう書かれています。
"カイロのダウンタウンという、ショッピングと銀行街の理想的な場所にあるこのアールデコ調のホテルは、ヨーロッパの香りを残してリノベーションをされているため、ベルエポックの雰囲気が漂っています。
しかし外観は歴史に溢れていますが、
あまり期待しないでください"。
以下、バクシーシホテルのホームページに掲載されている画像ですが、相変わらずです。
ホテルの玄関をはいったらいきなり、シャンパングラスに入れた変な茎の飾り?がお迎えです!↓
しかもロビー全ての写真にこの茎グラスが必ず写りこんでいます。そんなに見せたいのでしょうか。
↓壁一面を黄色く塗っちゃう感覚もあっぱれです。
↓どうみてもソファーに座っているのはスタッフ。普通はホテル宣伝用なら宿泊客の姿を撮影するんじゃぁ..
↓これもどう見ても従業員がソファーで新聞読んでいて、肝心なカウンターは空っぽ。そしてロビー画像が多すぎる、しつこい。
↓腐った朝食をとるところは廊下でした。
追伸
先日、ロンドンの語学学校が舞台のシットコム、『Mind Your Language』のことを書きましたが、この番組は世界中でリメイクされており、ヨルダン版もあります。
オリジナルのイギリス版『Mind Your Language』は、英語を話せない外国人たちが、ロンドンの語学学校に入学し、様々な面白い英語の言い間違えをしたりするというストーリーですが、
ヨルダン版はそうじゃない。
ヨルダン版では、生徒たちは流暢にアラビア語を話します。
しかし生徒たちはアラビア語の読み書きができない年寄りやベドウィンなのです! www
しかも話すアラビア語はべらべらとはいえ、パレスチナ方言とかベドウィン言葉とかてんでんばらばら!
もちろん生徒は男のみで、授業中にプカプカ煙草を吸いまくり。
العلم نور(El Elm Noor)というタイトルですが、"知識(文明、科学)は光"。
80年代に放送され、イントロソングの"知識は光、知識は光、無知は破滅..."という歌詞がなかなか深い。
当時、ヨルダン国内でもサウジアラビアでも大ヒットしたそう。
誰もみないと思いますが、一応リンク↓
宣伝🐼😊↓
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