story③ 聞いてほしい聞いてそうで聞いていないうさぎの話
聞いてそうで聞いてないうさぎには夢があります。
それは「韓国ドラマを書く」ことです。
正確には、「韓国ドラマを書いて、主演にしたイケメン俳優と結婚すること」です。
もう、韓国ドラマの神髄は掴んでいます。
とにかく、主演の俳優はクールか朴とつで無口にします。
ヒロインの女優はちょっと癖があり、したたかだけど根はピュアにします。
あとは、演技派のコミカル役者を集めて、いっしょに悪の権力と戦えばできあがりです。
とまぁ、
こんな感じで、韓国ドラマを甘く見ている聞いてそうで聞いていないうさぎは、いつの日かのタンバムを夢見て、ドラマのシナリオを学んでいます。
聞いてそうで聞いてないうさぎが通うシナリオスクールでは、シナリオの基礎を学んでからは、基本的に1か月半に1回くらいのローテーションで自分の作品を発表していき、その他の日は、他の人が作った作品の感想を言い合っていくことで切磋琢磨していきます。
今日は、聞いてそうで聞いてないうさぎが書いた30分ほどのシナリオの発表日です。
聞いてそうで聞いてないうさぎは、この日の為に作り上げた作品を発表します。
内容としては、プルコギ屋の一人息子が、ある日ケバブ屋の男に父親を殺され、その復讐として、父親秘伝のプルコギダレをベースに作った毒に漬け込んだ毒手で男を殺す話です。
聞いてそうで聞いてないうさぎの今年一番の作品です。
しかし、スクールのメンバーの反応はいまいちです。
原因としては、
30分の話なのに話が大きすぎること
大きすぎるから急に父親が死んで、急に主人公がプルコギダレに手を漬け込んで、あっさり敵は殺しちゃうところ
あと「プルコギダレをベースに作った毒に漬け込んだ毒手」ってのが、わかりにくい
などがあげられました。
聞いてそうで聞いてないうさぎは、聞いてそうで聞いてないんですが、
意外とこういった時は素直に聞いているとこは聞いています。
そのため、周囲の言葉が効いてなさそうで効いています。
でも、それでも、甲斐があったと思うのは、、、
みたいな時があるからです。
聞いてそうで聞いてないうさぎは脳内にこういった声だけを録音します。
そして、寝る前に、誰にも見つからない場所で、そっと脳内再生し、
ニヤ二ヤするのです。
おわり