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シーン19:HARIO CAFEでコーヒーミルを買う(カフェ、コーヒーが好きな理由)

これまでの記事はこちらから。

社会人になってから休日は基本的に外でしかコーヒーを飲まないし、家でコーヒーを淹れるのは時間がないけど温まりたい冬の朝くらいのもので、そもそも家にミルもないので、コーヒー豆はいつもお店で挽いてもらっていた。

あるとき、会社の同期から「HARIO CAFE」というカフェを教えてもらった。そのとき、水出しコーヒーのはまっていた自分は、水出しコーヒー目当てで、HARIO CAFEに行ったのだ。1階は手作りの雑貨屋さんのようになっていて、カフェは2、3階にある。

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「HARIO」という字面はどこかで見たことがあるような気はしていたが、お店に来るまで全然ピンと来ていなかった。しかし店内に並ぶコーヒー関連の器具を見て、その時初めて、自分が普段入れているプラスチックのコーヒードリッパーがHARIO製だったということに気づいた。

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HARIOとは元々、漏斗やビーカーなどの科学の実験に使うような耐熱ガラス製の器具を作るメーカーらしい。そして、今はその技術を応用してコーヒー器具の製造・販売もしている。HARIO CAFEはいわばそのショールームだ。

きれいにディスプレイされた器具がどれも理系心というかカフェ好き心をそそる。

9月末という絶妙な時期であったため、残念ながらお目当ての水出しコーヒーは販売が終了しており、私は普通のコーヒーを注文した。他に用事があって有給休暇を取ってきていたので平日夕方でほぼ店は貸切だった。普段ならコーヒーを待つ時間は、席に座って、本でも開けるところなのだが、そんなガラガラな店内で、コーヒー器具に見とれていた。

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しばらくしてコーヒができあがり、私はカウンターでコーヒーを飲みながら、座り心地のよい椅子だと思って、柄にもなくスケッチをしていた。

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(人に見せるほどのもんではないですけど、、、なんとなく載せます。)

コーヒーを飲み終わって、お店を出る頃には何となくこのお店のファンになっていて、それで店員さんと話を始めた。

「コーヒー淹れるとか普段あんまりしないんですが、いろいろ並んでるのを見ていると、ミルが気になってきて、、、」

「それなら、コレがおすすめですよ。価格もお手頃で、容量は2、3杯分サイズで、お手入れも簡単です。こんな感じで分解できるんです、、、(分解したミルを組み立てながら)少し挽いてみますか?」

コーヒーのミルをお試して挽かせてくれるなんて聞いたことがない。

「そんなに力入れなくても結構スムーズにいきますね」

「そうでしょ。あと、お客さんが今やったみたいにこれはテーブルにおいて、挽いている時も滑らないように底面にゴムがついているんです」

「なるほど。。。」

別にコーヒーミルを買いに来たわけでもなかったのに、自分はすっかり明日からコーヒー豆を自分で挽くんだ、というテンションになって、このお店で購入を決めた。(おそらく量販店や通販の方が安いです。でも、店員さんへの感謝?的な気持ちもあって、その場で買いました)

このミルはハンドルについているネジを調整することで、挽いた時の目の細かさを調整できるのだが、その調整がはじめのうちは難しい、ということもあって、お試し用で豆を30gくらいつけてくれた。

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HARIO CAFEは「作り手」と「売り手」の様子を間近で見ることができ、さらに話を聞くことができ、カフェというリアル店でしかできない体験が味わえる。そして、その体験価値に共感したお客さんをファンにしてしまう。

前々回のスタバのあたりから、(というかここ1年ちょっとの自分の興味なこともあり)マーケティングやブランディングのような話をしているが、そういった体験価値の目線から見て非常によくできているな、と思った。

なお、(私は見たことがないのだが)このHARIO CAFEは外出自粛中はインスタライブでコーヒーの淹れ方講座や器具解説をしていたらしい。そういった広告メディアのハブとしてもカフェという空間が活きている。

(これだけ褒めて書くと、自分がちょろいだけの気もするが、、、実際のところ、果たしてこの店が儲かっているか、あるいはこの店がHARIO本体の売上に貢献しているかわからない、、、)

かくしてコーヒーミルを手に入れた私は、コーヒー豆を買うときの

「豆はそのままでいいですか?お挽きしますか?」

の問いに対して

「豆のままで」

と応えることができるようになった。今でも、いろんな豆を買って研究する、というところまではいくわけではないのだが、単純にコーヒー豆を挽くという行為自体が、一種の精神統一のような感じて好きだ。


最終回はこのミルも活躍する、おうちカフェのススメです。

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