パラレルワールド・マンドポップ 後編
前回は、上海タワーの展望台でとある音楽に出会い、一耳惚れした話で終わりました。
今は、Apple MusicやYouTubeですぐに世界中の音楽を聴くことができる時代になりました。本当に、世界は狭くなりました。帰国してから「123我愛你」のフルバージョンが聴きたいな、と思って、探しているうちに、いろんなマンドポップを聴くようになり、意味は全くわからないのに、その歌声や曲調の心地よさやかわいさに、ドンドン惹かれていきました。
意味がわからないのに、「心地よい、かわいい」というのは、その理由が説明しづらい分、「心地よい、かわいい」の本質に迫っているような気がするのです。一時期、実在しない言語(イカ語)で歌うスプラトゥーンの曲にはまっていたのですが、同じような理由かな、と思いました。
ちゃんと中国語がわからないので、曲の解説などはネット記事や個人ブログから借用していますが、私が最近よく聴く歌手から、4曲ご紹介します。
1.123我愛你/新樂塵符
上海タワーで聴いた曲でこの曲でマンドポップに惹かれたという1曲です。このリリックビデオ(歌詞だけのPV)は、YouTubeの再生数が1000万回と爆発ヒットした曲だとわかりました。中国版TikTokでバズっているようで、中国の若者に刺さるポップでキャッチーに乙女心を歌った曲のようです。”I need you”や「サランヘヨ」も聞こえていて、心地よい感じです。男性のラップパートも優男感があります。この記事で、日本語に翻訳されていました。
2.馮提莫/佛系少女
英語名ではFeng Timoという人で、毎日のように自室から歌ってみた動画をあげている人なので、ネット発のアイドル的なポジションでしょうか。「123我愛你」の歌ってみた動画でこの人を知りました。
めちゃくちゃ可愛くないですか?なんでも、「佛系少女」というのは、「佛系少年」=草食系男子の女性版みたいなもので、恋に積極的じゃない女性の恋心を歌った曲のようです。この記事が詳しく解説してくれますが、Sen=森 に、gを足すとSeng=僧になる(私は森ガールじゃなくて、僧ガールみたいなニュアンス)という言葉遊びも入っているようです。森ガールとか草食系、みたいな言葉が中国にもあるのが面白いです。
3.G.E.M.鄧紫棋/差不多姑娘
お次はクール系のRAPです。タン・チーケイと読むらしいです。これはApple Musicの台湾トップ100を聴いてて出会いました。ニコ動のパクリみたいなサイトに解説動画があがっていました。香港の天才歌姫とのことです。「差不多=チャプドナ」が連発されてて耳に残るなぁ、と思ってみたら、PVもかっこいい。「差が多くない」=「平凡な」みたいな感じで尖った曲ですね。これは香港や台湾では流せても、中国本土では流せないような。。。
4.陳雪凝/綠色
これもApple Musicで知った曲ですが、聴いた瞬間に失恋ソングだと思うような曲調。シンガーソングライター感があるんで、日本で言うとYUIみたいなポジションでしょうか。歌も声もよいです。そしてこの曲に関して言うと、最初のカセットテープがストップする演出が堪りません。なんというかそこで自分の時間が永遠に止まってしまうような、、、
日本語訳がありました。タイトルの緑色はどういう意味なのかわからないままです。灰色や黒色などは万国共通でマイナスイメージな感じでしょうし、曲の中でも登場するのですが、「れからあなたは私の心の中では緑色だけなの」という表現が全く意味わからないのに、異様に切なく感じます。
以上、よくわからないけど惹かれるマンドポップの世界でした。今回、中国に行ったのをきっかけに、何か仕事や生活が変わるわけではないのですが、なんか、多分このジャンルの音楽はしばらくは聴いていくんだろうな、と思います。惹かれるのには、何かしら理由があると思うからです。また、中国視察の本題は別の機会で話するかもしれませんが、今回はこんな感じです。
ざれーご 7
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