パラレルワールド・マンドポップ 前編
8月に上海・杭州に3泊4日で行ってきました。不動産テックをテーマに、別部署企画の視察にお邪魔する形で会社から行ってきました。
5年ぶりくらいの海外でしたが、中国は初めてでした。メンバーに中国を話せる人がいたのと、普通に通訳の方もいたので、言語は困らなかったわけですが、事前は自分の部署のことでバタバタしていて、出張準備などもあまりできなかったので、ほとんどおんぶにだっこで観光してきた感じになってしまい、申し訳ない感じですが、本当に貴重な機会でした。
アリババが手がけるホテルやニューリテールを標榜するフーマーズ(スーパーマーケット)、 中国版の無人コンビニやシェアオフィスなど、どれも日本よりずっとIoTの技術は進んでいるように見えます。正確に言うと、技術や仕組そのものはみたことがあるものだけども、それの社会実装が進んでいる、ということだと思います。
ところで、平成が始まる少し前、僕が生まれる前、バブルの弾ける瞬間まで、ジャパンアズナンバーワンの時代がありました。未来は明るく、周囲の国も驚きの目で日本の躍進ぶりを見ていたと思います。
今の中国はイケイケドンドンで、バブルなのかどうかという議論はありますが、バブル前~バブル期の日本のモーレツな感じと似通っていると思います。チャイナアズナンバーワンな感じです。
話題が飛び飛びになりますが、Vaporwaveという音楽のジャンルがあります。この記事が結構まとまっています。数年前に流行した音楽のジャンルですが、不思議な浮遊感があり、思弁的実在論という哲学と親和性があったり、なぜかMVはTOKYOがモチーフにされていたり不思議なジャンルです。TOKYOと英語で書いたのは、世界からみたエキゾチックな日本が反映されているからです。こんな感じの曲のジャンルです。
PCというものが登場してしばらく、当然アメリカが先頭を走っていたでしょうが、日本のIT化も目覚しかったと思います。上のMVなんかも幼い頃にテレビの映像でみたことがあるような懐かしさ。でも、その頃を思い出させるようでいて少し違う、仮に日本のバブルが崩壊せずにとんでもない勢いで経済発展を続けていたら、というパラレルワールドを感じさせるのがVaporwaveというジャンルなのです。
話は中国へ戻ります。アリババのお膝元である杭州を見たときに、都市のスケール感と発展している様をみて、エヴァンゲリオンの第三新東京市を連想しました。日本ではありえないけど、もしかすると、ありえたかも知れない世界がそこに展開されていました。
そして中国の看板。文法こそ違うものも、文字として漢字を使っているので、なぜか意味が分かることがある。その辺りも含めて、見たことがあるようで、見たことがない世界が広がっている、前世感というかパラレルワールドに迷い込む感覚、Vaporwave的な浮遊感を中国で感じました。
そんなことを考えていると、最終日前日、衝撃的な出会いがありました。上海タワーの展望台で、VRの音ゲー(迫り来るブロックを棒を振り回して壊す、このあたりもピンポイントで先を行っている感がある)で女の子が遊んでいたのですが、その時に流れている音楽に耳を奪われました。同じように、あのパラレルワールドを感じたのです。Siriにこの曲は?と聞くと、返ってきた答えは
「123我愛你」
愛してるの数え歌、といったところでしょうか?それが、JポップやKポップという表現と同じように、中国のポップミュージックは華語(Mandarin)から、マンドポップとよばれていることを知ったのは帰国してからです。
次回、パラレルワールド・マンドポップの世界を垣間見てみたいと思います。
ざれーご 6
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