シーン12:まぼろし小路東入ル ヱントツコーヒー舎(カフェ、コーヒーが好きな理由)
あと55分で日が回るので、本日もさくっと。西陣の方にあるカフェだ。
店名をそのまま記事タイトルにしているが、このカフェはまず店名がめちゃくちゃオシャレだ。まあ普通は、単に「ヱントツコーヒー舎」と呼ばれていると思う。店舗面積はおそらく10坪程度しかない狭小店舗なのだが、「まぼろし小路東入ル」というのが頭についているのも納得の不思議空間が広がっている。
まず入口がこんな感じ。なんだがジブリに出てきそうな佇まい。というか本当に家と家の隙間、図と地の関係で言うと、地の部分に無理やり建物を突っ込んだような形になっている。奥には倒れそうなエントツ(?)も見える。
そして右に見える薄暗いアプローチから店内入口の扉へと向かう。そのアプローチは途中で折れ曲がり、最後は幅60cmほどで、人がすれ違うことができないどころか、少しお腹の大きな人ならそもそも通るのが難しいような通路となっている。これがまぼろし小路の名の由縁だろう。
この幅60cm程度の扉を開けるとようやく店内に入れるが店内も不思議空間は続いている(店内は良い写真が撮れてないので公式HPからどうぞ)。ちなみに狭小で店内スペースに限りがあるため、店主ははしごを登って屋根裏で豆を焙煎していると雑誌か何かで読んだ。
現行の建築基準法にはいろいろ抵触してそうな気がするが、建築基準法は建設された当時の建築基準を満たしていれば合法(既存不適格という)であるし、店舗を営業するにあたっては、消防法や保健所の許可が下りているはずなので、大丈夫だと思うが、単純に、どういう風に法律をクリアしているのかが気になってしまう。
余談だが、ディズニーランドのアトラクションだって、建築基準法を満たしている。以前、オリエンタルランドの施設課みたいなところで働いていたことのある人の話を聞いたのだが、夢の国のアトラクションの建築基準法的な工夫について聞いてみると非常に面白い。このカフェも、おそらくそういったロマンあふれる空間の裏に、泥臭い行政協議があったのだろう。。。
余計な詮索をしたから、猫に睨まれたような気がする。狭小であるがゆえにそこまで多くの制限がないのかもしれないし、ここで無責任なこと書けないので、まあいろいろあるだろう、くらいにしておこう。
今この写真を見るだけども、壁の左官仕上げやカウンターの天板の幅広の板張りの感じ、虫食いみたいになっているメニュー立てや紙ナプキンが入ったブリキっぽい缶など、ディテールが凝ってると思う。
限られた空間だからこそ、作れる世界観がある。という事実だけで、カフェという空間が希望に満ちているような気がするのは私だけだろうか。