東京のホテル宿泊記録(⑤sequece | MIYASHITA PARK 前編)
8/1にMIYASHITA PARKがオープンしました。三井不動産による再開発。区立公園が商業施設+屋上庭園+ホテルに生まれ変わりました。公共空間が民間企業により再開発される際には、いろいろ賛否両論が巻き上がるものです。区議会で不透明な金の流れがあるのではという追求があったり、もともとの宮下公園を拠点としていたホームレスの支援団体のデモが続いていたり、公共空間のあり方という点で、複雑な議論が巻き起こるのも無理はありません。
そんな生まれ変わったMIYASHITA PARKの終点にできたのが今回訪れたホテル、sequence | MIYASHITA PARKです。
いつものようにまずはA面としてデザイン的な話をしていきます。
MIYASHITA PARKの屋上からホテルの外観を眺めるとこんな感じです。このアーチはただの意匠かな、と思っていたのですが、ワイヤーネットがかかっており、ゆくゆくは蔓のような植栽がアーチを覆い、緑のカーテンができるようです。奥に見える少しくすんだような色の外壁と不揃いな窓の建物がホテルとなっています。
近寄るとこんな感じ。大きさまで不揃いに見えていた窓ですが、近寄ってみると意外と綺麗にそろっています。ちょうど外壁の色に濃淡がついており、テーパーになっていることで、日光の加減でランダムにみえるよう工夫されているようです。
ちなみにサムネは道路側から見上げた様子。長手方向は波打つような形状が印象的。ブランド戦略は次回に語りたいと思いますが、"sequence"の名の持つ「流れ」のニュアンスが外壁からも見て取れます。
ホテルのメインエントランスである屋上庭園は地上4階にあたります。専用駐車場はもとより車寄せもないですし、もともと渋谷駅からこの公園を通って歩いてくることを想定しているため、1階のエントランスは裏口のようにひっそりしています。4階エントランスを入るとこんな感じ。手前にカフェ・バーがあり、その奥にホテルのフロントがあります。
密になりすぎないゆったりとした空間で、いかにも「渋谷で働いてます」というフリーランス風の方がMacbookを広げていたりオシャレな若者(~40代手前くらい)がお茶をしたり打合せしたりしています。
ホテルのフロントはこの奥の見えない場所に位置しており、一見すると普通に公園のカフェなので、街に開けており賑わっていました。ちなみに窓側のソファ席は奥行があるので靴を脱いで体育座りやあぐらをかいて寛ぐのにちょうどよい感じになっています。
奥の方にホテルのカウンターがあります。もともと、コロナ禍と関係なく計画されていたもので、今となっては先見の明があったとも言えますが、対面でのチェックインが不要なスマートチェックインが採用されています。アルミパネルのカウンターと中央の植栽、木の荷物台などがコンクリート土間と相性がよく、デザイン的にも未来のホテルのニューノーマルの一端が垣間見えます。
しかし、こういった無人でのチェックインは使う側のリテラシーがないので、結局スタッフの方が出てきて操作方法を説明するのが現状です。このチェックイン機もNECのサービスを活用し、顔認証によるキーレスの入退室を目指していますが、あらかじめアプリのインストールをして顔の画像情報の登録が必要なので、むしろ利用者の手間が増える結果となっており、利便性という点では対面でチェックイン手続きを行って、キャッシュレス決済をし、カードキーで入退室をするという現状に敵ってない印象です。このDXによる顧客利便性や体験価値の向上と、顧客側のリテラシーのギャップみたいなところは最近の関心事です。
ちなみにこのチェックインモニターと手前のカードキーや決済機の納まりはいいのですが、少しダサい感じがするのは、それぞれが独立してデザインされたものをはめこんでいるからでしょうね。電動のアルコール消毒やボールペン入れなんかもとりあえず置いた感じが強くて、スマートなのに微妙に惜しい感じです。
5階にレストラン・バーがあり、朝食会場となっています。ちなみに、オシャレの権化ことDean&Delucaの系列でDongxiというお店。”Dongxi”は中国で東西という意味で、“東と西のあいだ”をコンセプトに、古今東西の伝統料理や郷土料理を提供しています。とてもインスタ映えな朝食の写真が撮れたのですが、それは後日掲載します。
この椅子がとても好みでした。あまり語彙力がないのですが、座面の貼り方が綺麗です。糸を縫い合わせたものだと硬い印象なのですが、なんとも馴染んでいます。
窓側の席からMIYASHITA PARKを見通せるのも面白い光景です。奥にはスクランブルスクエアとストリームを臨むことができます。この視線の高さ、抜け感はこの5階ならではなので、夜景も面白いんじゃないでしょうかね?
夜にバーにも寄ったのですが、お客さんがいてあまり写真が撮れていません。代わりに朝にレストラン横からバーの様子を覗くとこんな感じでした。ホコリがかぶらいなように布をかけている感じとか、ビンやグラスが綺麗に並んでいる感じとか、朝のバーのひっそり感ってエモいですよね。
ホテルの18階にはDJブースも設置されてよりクラブに近いバーが入っているのですが、コロナの影響もありまだオープンしていないようです。オープンしたら行ってみたいです。
さて、今回は共用部のみで客室までたどり着けなかったので、次回後編で客室の話をしていきます。なかなか最近忙しくなってきてホテルに泊まる余裕もnoteの記事を書く余裕もなくなってきていますが、せっかくなので回数や分量に拘らず書きたいことを書いていきたいと思います。続きはこちらから。
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ホテルの宿泊記録を書いています。過去ログはこちらから。
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