見えないものがつく
正直会社員でよかったことって何かあるかと言われたら、そんなものはないだろと瞬発的に思ったけど絞り出したらあった。
自分が知らない潜在的なところに常識が身につく
今の仕事に就く前にも何度か転職していたが、その間に2、3ヶ月のニート期間があった。
最初こそ「やったー!人生の夏休み!大学生に逆戻りやー!!」と、好きな時間に寝て、起きたらみたい映画見たり漫画見たりどっか買い物行ったりしていたが、2ヶ月目に入ると漠然とした不安でたまらなくなり、履歴書を狂ったように書き、よくわからん会社にまで応募して面接していた。
私がボケーっと何もしないをしている間にも周りの人たちは仕事をしているのだ。自分が馬鹿みたいに思えた。
仕事をしないと不安になるという嫌な習慣が身についたなと思っていたけど、それはこの社会で生きていくための潜在的な常識なんだと気づいた。
仕事中の細かいところで言えば、目上の人や後輩との接し方、スケジュールの進め方、人への仕事の頼み方、確認の仕方…仕事は必ず他の誰かと成していくと思うけれど、そのやりとりひとつひとつに小さなマナーや常識が刷り込まれている。
そんな気づき、会社員を経験しないと考えもしないなと思ったわけです。
強制的に規則正しい習慣がつく
仕事を辞めて好きな時間に寝て十何時間寝て起きてという生活をしたことで、最終的には寝たい時に眠れないのにすることがないという地獄みたいな時間ができた。どこでも寝られます!が自分の特技だったのに一睡もできずに朝の光を浴びた時、人としての何かが崩れたような感覚になった。
人間って陽の光を一定時間浴びていないと人間の形が保てないように設計されている。「ずっと寝てたい〜」という言葉誰しも言ったことがあると思うけど、ずっとは寝られない。マジで。
ずっとは寝られないからどうしても起きちゃう。起きると何かしようと思うし、どうせなら稼げることでもしようか。会社員の大半はだいたいそんな考えで動いているんじゃないかなって思っている、少なくとも私はそう。
こんな私でも会社員していると身につくものあるんだなと思った。
学生の時は働いたら負けとまで思っていたけど、今は会社員やっててよかったなと思えてきた。月曜日の朝に必ず辞めたくなるけど。
会社員のみんな、朝の「ずっと寝ていたい」を経て辞めたい気持ちを抱えてなんともない顔して出社している。
そう思うと、すれ違う名前も知らない会社員たちが途端に同志に思えてきます。