Vol.29 パーキングブレーキ
今回はゲームとは離れ、車のパーキングブレーキに関するお話です。
パーキングブレーキは主に駐車時に使用し、MT車では坂道発進で用います。また通常のブレーキ(フットブレーキ)が何らかの事情で使えない時には緊急停止で用いる事から、海外ではEブレーキ(エマージェンシーブレーキ)と呼ばれる事もあります。通常のフットブレーキがディスク式なのに対してパーキングブレーキは小型のドラム式であることが多いようです。操作方式としてはレバー式、ペダル式、スイッチ式(電動)等が有ります。
私はトヨタ・カローラアクシオのレバー式、3代目ホンダ・ライフや初代ホンダ・フリードのペダル式、ホンダN-ONEやマツダ3のスイッチ式を触ってきました。利便性の観点で言えば、レバー式よりもペダル式やスイッチ式の方が便利であるのは間違いないと思います。レバー設置の為のスペースの確保やレバーを引く際にそれなりの力を要する事からレバー式のサイドブレーキの新車採用率は減少傾向に有ります。一方で電動パーキングブレーキは作動時に力を要さず、アダプティブクルーズコントロールのような運転をアシストする技術との相性が良い事からこれからのパーキングブレーキの主流になると思われます。
時代に逆行してしまいますが、私は昔ながらのレバー式サイドブレーキが好きです。レバーを引いたり下ろしたりする動作が車の運転における一つの儀式のような物と考えており、あの操作が無いのはどこか物寂しく感じます。今後の新車でレバー式を採用して欲しいとまでは思いませんが、アフターパーツで電動式パーキングブレーキをレバー式にコンバート出来る物が有れば…と思う今日この頃で御座います。
【余談】
サイドブレーキはドリフト走行においてスライドのきっかけ作りに用いられる事も有ります。特にD1GPのようなドリフト競技やWRCのようなラリー競技では必須のアイテムで、これらの競技用車両では専用の油圧式サイドブレーキが装着されている事がほとんどです。レバーを引いている時間だけ作動する物で、そのレバーはハンドルのすぐ横の高さまで伸びています。作動経路は各車両によって異なりますが、フットブレーキの経路にサイドブレーキの入力操作を介入させて、レバーを引いた際にリアのブレーキだけ作動させる物も有れば、フットブレーキとは別のキャリパー・パッドを増設して作動させる物も有ります。
尚、油圧式サイドブレーキはロック機能が無い為、車をパーキングする事が出来ず、車検は通りません。
D1車両やWRCマシンでシーケンシャルシフターのレバーと油圧サイドのレバーがハンドルの横に2本並んでいるのを見て、「ドライバーはサイドとシフトレバーを引き間違えたりしないのかな」と思った事があるのはきっと私だけでは無いはず…。