たかが糸、されど糸。
昨日は久々に午後からダウン。目がやられてしまって眩暈が起きるカウントダウンだったので、notoに綴ることは断念した。
今日は、何とか回復出来たので家族の用事を済ませつつ作業をしていた。
タイトルの「たかが糸、されど糸」の糸の話を綴ろうと思います。
私の作品作りには、糸やファスナーのように副資材と呼ばれるものが必須です。
手芸屋さんにもミシン糸(シャッペスパンなど)はありますが、私が使う工業用ミシンでは使いにくく、巻きも少ないため糸も工業用のものを使っています。
私が工業用ミシンに出会ったのは、高校卒業後入社したアパレルデニム会社です。
高校で使用していたミシンは足踏みミシンで超アナログ。
ここから動力モーターを使う工業用ミシンに一気にジャンプアップ!!
厚いものもガンガン縫えるし楽しい!!!
そのほかにも、特殊ミシンが使えるようになった事も、とても嬉しかった。
そして、Zakuroを立ち上げた頃は嫁入り道具の家庭用ミシンを使っていたが、
長時間使っていると熱で針が折れ出してしまい使い物にならない。
1人である程度の量を縫うとなるとやはり、工業用ミシンだ!となり、いろんな縁から廃棄寸前の工業用ミシンがやってきて、長らく使用していたがモーターがダメになり、夫の祖母が使っていた工業用ミシンがやってきたのが今の相棒だ。
私が作品を作り出した頃は、個人相手のお店も少なく糸を仕入れるのも苦労した。
私が住んでいる地域は、アパレル企業が多く工場も沢山あるので資材を販売している企業も多いのだが、取引相手は企業だ。個人相手ではない。
糸一本のみで、コンスタントな取引ができない私のような個人は取引してもらえない。
当たり前だ、あの頃のロット数を考えれば企業相手の業者にしたら個人の取引は、手間がかかるだけで利益にならない。
デザイナーをしている友達などから紹介して貰っても数を頼むことができないので、気持ちが引けてしまってなかなかお願いできなかった。
だから友達が大量に購入するときに一緒にお願いしたり、友達に糸を分けてもらったりしていた。
そうこうしているうちに、ネットが進むのと同時にハンドメイドブームも起きていた。
作品の差をつけるために資材の仕入れ先を探す方も多く、ありがたいことに徐々に個人へ販売してくれる企業も増えていった。
工業用糸も1本から個人へ販売してくれるお店を見つけた!
今でも凄く嬉しかったことを覚えている。
以前在庫がないものがありご連絡をいただいた時に、お礼を言うと
「お住まいの地域からこちらは仕入れているので、良かったら紹介するので直接購入しますか?」とおっしゃっていただいたことがあったが、
「いろんなカラーの糸を一本づつオーダーするのでお手数をおかけするのですが、よければ今のまま〇〇様のところで購入させて欲しいです」とお願いをした。
個展ごとでにしか糸を購入しないので、紹介してもらうことに気が引けたのだ。
今日も糸見本を見ながら今回使用する糸をオーダー。
毎回デニムの町からのオーダーらしくないカラフルなラインナップに出荷をしてくれる方もどんなものを作るのだろう?と思うかもしれない。
「たかが糸、されど糸」
糸を売ってもらえなかったら、糸がなければ作品が縫えない作れない。
私の作品作りは、こうしていろんな企業の方々の協力の上に成り立っている。
そう思うと、今の環境に感謝せずにはいられなくなる。