理想と期待、その先
人に期待するのはやめなさい
これは私の尊敬するある人の言葉
あの人は何を経験してこの言葉を
私に残してくれたんだろうか。
ふと考えるときがある。
それはさておき今日はこの話。
カルテット
東京ラブストーリーなどで知られる
坂元裕二さん脚本のテレビドラマ。
プロの夢をあきらめた音楽家4名が
ある日偶然知り合う。
その4人が軽井沢という地で共同生活を送り
変わることが出来ない今の自分
そして変えることの出来ない過去と向き合い
未来を変えようと進んでいく話。
ラブコメ、サスペンスもありで
作品の構成や展開がもともと好きな作品。
この作中の中である夫婦が出てくる。
制作会社で生き甲斐を感じ働く夫と
細々とプロとして音楽家活動をする妻。
結婚したことをきっかけに妻は家庭に入る。
一見、当たり障りない幸せな夫婦に見えるが
ある日夫が失踪する。
この夫婦は小さな問題が重なり最終的に
夫が失踪していたけど、その中でも相手に
対する理想や期待が現実と違ったときの
裏切られたという気持ちがさりげなく
表現されていたことに気が付き
私に重くのし掛かりました。
私は結婚してません。
しかしここ数年の間にお付き合いをした人に
対して同じような感情を抱きました。
彼とは2年の付き合い。お互いを理解し
気を使わずとも一緒にいることが出来る。
お互いの両親にも会ったことがありいつかは
結婚するのかも?とも思ってました。
そんな穏やかな日々が続く中で彼との
予定調整で少し違和感を感じるようになりました。
2人で共通のカレンダーで共有してるのに
すでに予定が入っている日に彼都合の予定が入る。
彼の同僚や友人に会う
彼の先輩の家に遊びに行く
確かに2人の予定を入れていたけど相談もなく
勝手に予定が入っていく。そこに私の都合は
聞かれることはなく、いつも決まった後の
事故報告のみ。
最初は仕方ないかと思う。
一言次から気をつけてと言う。
また同じことが起きる。
それが何回も続いたとき私の中で
「ぷつり」と何かが切れました。
それは感情的に怒るとかではなく
ただただ悲しく涙が止まらなくなりました。
あなたなら許してくれると甘えていた
と彼は言ったけれど、
私は「蔑ろにされている」
ただただそう感じていました。
色々と話し合った後も同じような事が
何回も続き、私はどうしてもその度に
心が抉られるような感覚に陥り
結局お別れをしました。
しかし、彼だけが悪かったのか
そう考えるとそうではないと結論に至りました。
私は彼に理想を押し付け、期待をしてました。
彼は私を大切にしてくれている
私が好きな彼は私を蔑ろにしない
私にとっては相手の予定を確認なしに
決めるという行為は自分ならしない。
相手を思いやる気持ちがあれば絶対にしない。
カルテットの作中でも
夫は自分の好きな作家の本を妻に
プレゼントします。何気ない日常を送る中
その本を適当に扱われてしまいます。
その時夫はとても悲しそうな
絶望した様な、傷ついた様な表情をしていました。
今回見直してそのシーンにとても
共感してしまいました。
カルテットの中で妻はその時
どう思ってその行動をしたか表現されてない。
でもきっと妻にとってはそれは些細な事で
夫を傷付けようとしていないことはわかりました。
多分、私の彼も同じ気持ちだったのでは
ないかと今は思えます。
もしかしたら彼からすると
自分がされても別に嫌ではない。
その予定が嫌なら断ればいい。
くらいの感覚だったかもしれない。
しかし当時の私は、それをされたら
嫌だ!とは言えず出来ればしないでと伝え
その結果、彼は私を大切にしてくれない
そう決めつけていました。
人は期待や理想を持つと
相手に対してその期待や理想に
応えてほしいとつい思ってしまう。
悪いことではないけどそれは
とても傲慢なことかもしれない。
その人の本質をみて、自分の理想や期待を
押し付けるのではなく、その人の
良いと感じる所、悪いと感じる所も
全てを受け入れ愛す事が出来た時、
本当に人を大切に出来るかもしれない。
そう感じることが出来ました。
今の私には無理かもそれませんが
そういう人になりたいと意識し
生きることで少しでも変われるかもしれない
カルテットを見てそう感じました。
まとまりが全くありませんが
今日はここで失礼します。