#163 宇宙産業の市場規模(2017/04/27)


今日の朝刊に日本政府が宇宙ビジネス参入の支援をするという記事がありましたので、今日のざっくりは宇宙産業の市場規模についてです。(ご安心下さい。ちょっとあっさりめです。笑)

2015年の世界の宇宙産業の市場規模は2080億ドル(22兆8800億円)

・世界の宇宙産業市場規模 ざっくり2100億ドル(23兆円)

2015年の自動車の販売額がおよそ200兆円だったので自動車産業のおよそ1/10ほどということになります。

10年前は1060億ドルだったので、この10年間でおよそ2倍に拡大していますが、ここ3年ほどは年間3-4%程の増加にとどまりペースが鈍化しています。

・10年間で2倍に成長(近年は成長鈍化)

2015年の市場を見ると、全体の892億ドルはアメリカが占め、1191億ドルがアメリカ以外となっています。実に42%をアメリカが占めています。

・アメリカの市場規模 ざっくり900億ドル(全体の40%)

市場は大きく衛星サービス、衛星製造、打ち上げ、地上設備の4つにわけられ、
・衛星サービス 1274億ドル(61.2%)
・衛星製造   166億ドル(7.9%)
・打ち上げ   54億ドル(2.6%)
・地上設備   589億ドル(28.3%)
と衛星を利用したサービスの市場規模が全体の6割(通信、地球観測、国家安全など)で3割が地上施設。衛星製造と打ち上げ合わせて1割をしめる状況です。

少し古いデータですが、2009年のアメリカにおける宇宙開発予算を軍事と民事に分けると72%は軍事、28%が民事と軍事が7割を超えています。宇宙事業は国家の安全保障に係るということで軍事と位置づけているところがあるようですが軍事関連が宇宙産業 にドライブを掛けていると言えるかと思います。ちなみに日本は民事が95%を占めています。

出典が異なるので数字がずれますが、2014年の宇宙産業の売上規模と従業員数をアメリカ、ヨーロッパ、日本で比較すると

売上
アメリカ  488億ドル(5.4兆円)
ヨーロッパ 96億ドル(1.1兆円)
日本    28億ドル(0.3兆円)

従業員数
アメリカ  6.8万人
ヨーロッパ 3.8万人
日本    0.8万人

と日本は売上規模でアメリカの1/17、ヨーロッパの1/3程、従業員数でアメリカの1/9、ヨーロッパの1/5となっています。

・売上規模  米:欧:日 17:3 :1
・従業員規模 米:欧:日 9:5 :1

日本にとってはこの領域はまだまだ伸びしろがあるといえのではないでしょうか。

ちなみに2015年末時点で運用されていた衛星数は1381。

・2015年末運用中の衛星数 1381

2011年が986だったので、5年間で39%増加していることになります。(かなりのペースで増加していますね)
運用されている衛星のうち、通信衛星(商用37%・官軍用14%)が51%と半数以上を占め、以下地球観測(14%)、R&D(12%)、ナビゲーション(7%)、軍用監視(8%)、科学(5%)、気象(3%)の順になっています。

59カ国(コンソーシアムでの参加も含む)が少なくても1つの衛星を運用しています。

Source:
State of the Satellite Industry Report 2016
http://www.sia.org/wp-content/uploads/2017/03/SSIR-2016-update.pdf
内閣府 宇宙産業の現状と動向について 平成28年6月
http://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-sangyou/sangyou-dai1/siryou3-1.pdf
日本の宇宙産業の課題 2016年6月7日 日本電気株式会社
http://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-minsei/minsei-dai13/siryou1-1.pdf

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