#96 国内ビール市場(2016/8/1)
梅雨も開けて、選挙も終わって、8月に突入。いよいよ夏本番ということで、今日のざっくりはビール、国内ビール市場です。
ご存知の通り、国内のビール業界はアサヒとキリンが激しいシェア争いを展開していますが、昨年2015年の出荷数によるシェアをみてみると、ビール全般(ビール、発泡酒、新ジャンル合計)では大手4社の総出荷数は4億2070万ケース。大瓶換算で約80億本になります。日本の成人人口がざっくり1億500万人なので、一人あたり年間4ケース(大瓶80本)、350ml缶に換算して145本飲んでいることになります。
・大手4社のビール全般出荷量 ざっくり4億ケース
(成人一人あたり年間350ml缶145本)
ビール全般のシェアを見ると
・アサヒ 1億6221万ケース 38.6%
・キリン 1億4189万ケース 33.7%
・サントリー 6654万ケース 15.8%
・サッポロ 5006万ケース 11.9%
となっています。アサヒが僅かながらキリンを上回っています。またサントリーはサッポロにやや水をあけた感じです。
純粋にビールのみに絞ってみると総数量は2億1300万ケース(ざっくり大瓶43億本)ですが、そのシェアは大きくかわり、
・アサヒ 1億665万ケース 50.1%
・キリン 5221万ケース 24.5%
・サントリー 2465万ケース 11.6%
・サッポロ 2935万ケース 13.8%
とアサヒが50%以上のシェアを握ります。プレミアムモルツが大きくシェアを伸ばしてきたサントリーですが、ビールのみに限ると12%弱で、サッポロのほうが多くなっています。
さらにビールをブランド別に見ると
・スーパードライ(アサヒ) 9,815万ケース
・一番搾りブランド計(キリン) 3,470万ケース
・プレミアムモルツ(サントリー) 1,756万ケース
・黒ラベルブランド計(サッポロ) 1,615万ケース
・エビスブランド計(サッポロ) 952万ケース
スーパードライは単体(ブランド全体ではなく)なのですが、一番搾りブランド全銘柄の3倍弱、プレミアムモルツの5.6倍の出荷数になっています。いかにスーパードライが強いのか分かります。いやー、正直こんなに違うとは思っていませんでした。(スーパードライブランド全銘柄だと1億383億ケース)
トップ争いを繰り広げているアサヒとキリンの出荷数におけるビール・発泡酒・新ジャンルのシェアを見ると
・アサヒ
ビール 65.8%
発泡酒 9.8%
新ジャンル 24.4%
・キリン
ビール 36.8%
発泡酒 27.9%
新ジャンル 35.3%
と構成が大きく異なっています。アサヒはスーパードライの強さもありビールが6割以上を占め、一方のキリンはビール、発泡酒、新ジャンルをバランスよく展開しています。
ちなみにサッポロは
・サッポロ
ビール 58.6%
発泡酒 9.6%
新ジャンル 31.8%
とアサヒに近い構成ですが、発泡酒で出遅れた分を新ジャンルで巻き返しを図っているところという感じでしょうか。(サントリーは課税出荷数量報告を公開していないため同じ比較ができませんでした)
*1ケースは大瓶20本。12.66リットルになります。
Source:
アサヒビール アサヒビール 2015年(平成27年)12月のビール類 課税出荷数量
http://www.asahigroup-holdings.com/ir/financial_data/monthly201512.html
キリンビール 2015年 年間課税数量報告
http://www.kirin.co.jp/company/data/salesdata/pdf/2015/2015_annual.pdf
サッポロビール 課税移出(出荷)数量報告 2015年通期
http://www.sapporobeer.jp/company/sales/pdf/H27_hanbai_nenkan.pdf
サントリー 2016年 サントリービール(株)事業方針
http://www.suntory.co.jp/news/article/12541.html
食品産業新聞社
http://www.ssnp.co.jp/articles/show/1601210005225160