#132 石油その1-埋蔵量・生産量・消費量(2016/12/12)

先週、OPECとその非加盟国が減産に同意したという記事がありましたので、今日のざっくりは石油についてです。

【埋蔵量】

2015年時点で確認されている世界の石油埋蔵量は1兆6978億バレル。1バレルはおよそ159リットル(灯油用ポリ容器およそ9個分)なので、ざっくり269兆リットル(ポリ容器約15兆個分)とういことになります。琵琶湖の水量がおよそ27.5兆リットルなので、ざっくり琵琶湖10個分の量ということになります。(そう考えるとそれほど多くないのかもしれませんね)

・石油の確認埋蔵量 ざっくり1.7兆バレル

(ざっくり270兆リットル・琵琶湖10個分)

1995年には1.1兆バレルほどでしたので、新たに0.6兆バレル分の石油の埋蔵が確認され、およそ1.5倍に増えています。

埋蔵量のTOP5は

1.ベネズエラ   3000億バレル(17.7%)

2.サウジアラビア 2666億(15.7%)

3.カナダ     1722億(10.1%)

4.イラン     1578億(9.3%)

5.イラク     1431億(8.4%)

以下、ロシア(1024億)、クェート(1015億)、UAE(978億)、アメリカ(550億)と続いています。なんとベネズエラがトップだったんですね。カナダが3番目というのもちょっと意外でした。歴史的には2009年まではサウジアラビアが最大の埋蔵国でしたが、2010年にベネズエラに取って代わられています。ベネズエラとサウジアラビアで世界の埋蔵量の1/3ほどを占めていることになります。

【生産量】

一日あたりの生産量をみてみると全世界では9167万バレル

・一日あたりの生産量 ざっくり9200万バレル

生産量は10年前(2005年)には8190万バレルほどでしたので10年で10%ほど増えています。単純に埋蔵量を生産量で割るとおよそ51年分の埋蔵量があることになります。(そういえば石油ショックの頃(70年代)にはあと30年で石油は枯渇すると言われていましたね。)

一日あたりの生産量のTOP5は

1.アメリカ    1270万バレル/日(13.0%)

2.サウジアラビア 1201万(13.0%)

3.ロシア     1098万(12.4%)

4.カナダ      439万(4.9%)

5.中国       431万(4.9%)

以下、イラク(403万)、イラン(392万)、クェート(310万)、ベネズエラ(263万)、メキシコ(259万)、ブラジル(253万)と続きます。アメリカ、サウジ、ロシアの3カ国で世界の生産量の1/3を軽く超えているんですね。

埋蔵量TOPのベネズエラは生産量が意外と少なく、埋蔵量の14番目の中国が生産ではTOP5に入っているというのは面白いですね。

アジアの産油国といえばインドネシアを思い浮かべる方も多いと思いますが、埋蔵量で中国、インド、ベトナムについで4番目(世界では27番目)、生産量では中国、インドについで3番目(世界で24番目)となっています。多いは多いのですが、個人的にはちょっとイメージと違っていました。

【消費量】

消費量をみてみると一日あたりの消費量は9500.8万バレル。

・一日あたりの消費量 ざっくり9500万バレル*

TOP5を見てみると

1.アメリカ    1940万バレル/日(19.7%)

2.中国      1197万(12.9%)

3.インド      416万(4.5%)

4.日本       415万(4.5%)

5.サウジアラビア  390万(3.9%)

以下、ブラジル、ロシア、韓国、ドイツと続きます。

生産量に続いて消費もアメリカがトップ。世界の消費の1/5を占めているんですね。中国と合わせると2国でおよそ1/3に達します。凄まじいですね。(とはいえ、両国で世界のGDPのおよそ4割を占めていることを考えると、むしろ少ないのかもしれません。。。)

日本は2013年にインドに抜かれて4番目になっています。2005年には535万バレル消費していたので10年間で23%減少したことになります。先進国はここ10年でみると多くの国が消費量を減らしていて、G7ではカナダがわずかばかり増やしていますが(1.5%増)、他の国はイタリアの30%減を筆頭に、フランス17%減、イギリス15%減、ドイツ10%減、アメリカにおいても7%ほど減少しています。CO2排出抑制やエコに関する意識の高まりなどの影響と思われます。

一方で、BRICs諸国を見てみると、中国は73%増、インド59%増、ブラジル49%増、ロシア18%増と軒並み大幅に消費を増やしています。他にも産油国のサウジやUEAがそれぞれ77%増、79%増、アジア諸国も増加が著しくシンガポールが68%増、ベトナム67%増、パキスタン66%増、インドネシア、マレーシア、タイなども20-30%ほど増加させています。

石油といえば外せないOPECですが、加盟国はアルジェリア、アンゴラ、エクアドル、ガボン、イラン、イラク、クェート、ナイジェリア、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ベネズエラの13カ国。(中東・アフリカばかりでなく、ベネズエラやエクアドルも加盟しているんですね。)OPECは埋蔵量で71.4%、生産量で41.4%を占めています。影響力も大きいはずです。

OPEC加盟国の

・石油埋蔵量:ざっくり世界の70%

・生産量  :ざっくり世界の40%

今回は埋蔵量・生産量・消費量にしぼってざっくりしましたが、石油はいろいろ奥深いので別の切り口でまた取り上げたいと思います。

*消費量にはバイオガソリン(エタノール)、バイオディーゼル燃料、石炭や天然ガスからの抽出物も含まれているため生産量より大きくなっているようです。


Source:
BP Statistical Review of World Energy 2016
https://www.bp.com/content/dam/bp/pdf/energy-economics/statistical-review-2016/bp-statistical-review-of-world-energy-2016-full-report.pdf

滋賀県 琵琶湖の概要
http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako-kankyo/lberi/01shiru/01-04biwako/01-04biwako.html

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