都合のいい人になりたくない
いい人に思われたい。
別な言い方をすれば、嫌われたくない。
そんな事を気にしていたように思える。
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だから、その不安を打ち消すように、本気で自分はいい人で、誰からも好かれていて、悪口を言われる事はないと思っていた。
今思えば、無理がある話なのだが、そんな事を本気で思うくらいに人に対しての不安が大きかったと思う。
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小さい頃から、親に物事の失敗を人格否定までされれば、致し方ないかもしれない。
それはやっては駄目。
だから、お前は駄目なんだ。
なんで出来ないんだ。
やっぱり、お前は駄目なんだ。
そんな事を言われ続けた幼少時代。親に嫌われる事を恐れ我慢の日々を過ごしてきた。
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でも、大人になっても、その思いは変わる事は無かった。
変わった事といえば、自分より下と思う人、大人しく弱い存在があると、見下し傲慢な言動を繰り返すようになる。
何故なら、嫌われてもいいと思ってしまうから。自分の思いとは真逆の自分がいる。その真逆の自分でいる事で、今までの自分とバランスを保つように、自分を保ってきたのだ。
そして今までの自分も相変わらずで、自分より同等もしくは、上と思う人に対しては、嫌われたくない思いで接するのだ。
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当然、人間関係は上手くいかない。
傲慢な自分は、嫌われていく。人が離れていく。
嫌われたくない自分は無理をする。無理して頑張るので結果的に不機嫌な言動をする。同じく嫌われていく。人が離れていく。
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結局残るは、人の言動なんかどうでも良い。自分の事しか考えていない人。他人を騙し利用する事を考えている人。
だからこそ、気づくべきだ。
いい人になろうとすればするほど、都合のいい人になっている事実を。
だからこそ、都合のいい人はヤメて、いい人になっていこう。