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『 事件は現場で起きている 』
入社当初、感じた事はどこの組織も同じ様な乗務員の管理手法。
基本は上からの圧力?で新人ドライバーを管理教育していくわけです。
こうして会社の経営方針に沿った「一律の人間」を育成して行くのですね。
教育期間中にある年配の役員さんが「みんな金太郎飴の様になれば良いんだ」と豪語していた事を思い出します。
これには少し唖然とした記憶があり
百歩譲って「一理」を認めたとしても「ナンセンス」です。
どうしてそんな発想になるのかと想像してみると「職業に貴賎なし」と世の中では言われていますが、タクシードライバーの世界はかつて「雲スケ」と揶揄される世間からの悪評がありました。
つまり、この仕事を”なめて”入ってくる人間が多かったのでしょう。
そうなると
たしかに種々雑多な業界から流入してくる海千山千のドライバーをどうやって手なずけるか。
いや、失礼、、。
どのように教育して行くか。
マニュアルに従い一定の枠の中に入れ込む「投網(とあみ)的な指導方法」の選択、これが管理職からすれば一番手っ取り早く楽な手法なのでしょう。
でも、これでは優秀なドライバーの個性は育たないし自立意識の目を摘む結果になる事は「人間心理学」からしても明らかです。
「ダイバーシティ(多様性社会)」が叫ばれて久しい今、この指導法には時代遅れと言うより未来感覚の齟齬(そご)を強烈に感じているのです。
ここで実例を1つお聴きください。
これはつい三日前のワタシ自身の話です^^;
まず、予防線を張ってワタシの考えが100%正しいとは思っていませんが、これをお読み頂いてあなたはどんな印象をお持ちでしょうか?
以下です。
⇩
一日の最後に想定外の「ロングミッション」が入りました。
しっかり稼働を終え高速道路を約100kmを走って帰庫するためには残りの燃料に一抹の不安が有ったので、ガソリンスタンドで2000円分(約11㍑)の燃料を補給をしたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1697518116183-q3nmfxQZHp.jpg?width=1200)
ワタシにとってはごく当たり前の如く、全く罪悪感のかけらは1㍉も無しです。
(因みにワタシの運転する営業車両はガソリン車なのです。)
会社に帰庫後、その旨を告げ清算をお願いすると「会社の許可はとったのか?今回はガソリン代金は支払うけど事前にその連絡をして許可を取らないといけない」という。
なぜなら「会社のお金で給油する」んだから事前に報告すべきとの主張なのです。
なるほどね・・・
いや、まてよ。
他人の車に給油する訳でもないし、営業車に間違いないのだからその会社のお金は「当然の必要経費」なんじゃね?
まして
プロドライバーが高速道路でガス欠なんて、みっともない醜態は晒したくないし、事故や違反を犯すことと同様に有ってはいけない事なのです。
これは教習所での座学で「ドライバーの基本の基」として教わっている事です。
ワタシの取った行動(事後報告)はそんなに問題なのでしょうか。
事務方の説明は、なんとなく分かった様な分からない様な、、、
うーん兎に角
乗務員が決断して自らとる行動を事前連絡をさせる姿勢に疑問を感じるのです。
それもこれも
ドライバーの不正と問題行動防止の観点からの事なのでしょうけど・・。
でもね
タクシードライバーの現状は大昔と比べ、今や勤務中にどうやったら不正が出来るのか、よほど「悪知恵のある輩」にしか出来ない芸当となっているのです。
もっと分かり易くお話するとドライバーの勤務態度・姿勢は「ドライブレコーダー」と「車内防犯カメラ」で全てお見通しなのですよ。
だから浅はかな悪知恵で不正などは出来ない労働環境になっているのです。
不正防止の観点からドライバーの自立心や独自の裁量に過度な規制をして行く行為は我が社のみならずひいては業界の発展は望めないのではと考えます。
まず、労使双方の「信頼関係」に禍根が残ります。
つまり個人の想像力と自立性に蓋をする結果となって、ひいては会社の健全な成長にブレーキをかける事になって行くのでは?との危惧なのです。
ここで特記して置きたい事は
タクシードライバー業とは稼働中に関わらず空車時も常に先を考え、様々なアンテナを張ってその場その場で適切な対処をしなければならない、ある意味「マルチタスク的」な仕事をこなす職業なのです。
それだけ現場は緊張と集中力を要求されるのです。
だから面白いんですけどね^^
どこかで聞いた覚えのある
「事件は現場で起きているんだ!」(笑)とも言えるでしょうね。
断言します。
成績上位のタクシードライバーはその「マルチタスク」を卒なくこなしているのです。
まあ、今回のケースも会社の規定なのだから以後は受け入れるしかないのだけれど割り切れない感情が残ります。
詰まるところ
内勤社内でも偉い役員と中間管理職の関係も同じ事が言えるのでしょう。
これが旧態依然たる日本ビジネス社会の悪のバイアスなのでしょうか?
決して全員ではありませんが、管理職さんはなんだかんだ「正論」を言ってのけるけど、建前でかっこいい事を言っていても本音は上司の顔色しか見えていないのかな?
ここで
「正論」では人の心を動かすことは出来ないって知ってますか?
何故か?
「正論」はお互い分かり切っている事だからです。
だから
何の説得力も持たないのです。
いい例が警察官の交通取り締まりです。
こちらの言い分などどこ吹く風。
「正論」を振りかざされたら絶対に勝てません。
しぶしぶ切符をもらいますけど簡単に反省などしませんよね?
じゃあ
普通では有り得ないことですが
ここで軽微な違反行為であれば
警察官が
「今回は許してやるけど以後注意しなさいよ!」と言われる方が素直に反省してその後の違反や事故は減ると思うのですが・・。
「おまえは甘~~い!!」でしょうか?
先ほどの私のガソリン代金のケースも似たようなことだと思います。
自腹になっていたら「ぐれて」ますね(笑)
話を戻すと
会社組織の中間管理職・宮仕えの社員さんも大変ですね。
同情も致します。
でもね
それを冷静に見抜いているドライバーは決して少なくないのです。
コラム・タクドラ zakkiy
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