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20021128 毛髪式湿度計

 高校生の頃だったか、物理か地学で湿度計$${^{*1}}$$のことを習った。湿度計の計測原理$${^{*2}}$$には大きく分けて二つある。温度と水との熱力学的関係に基づく$${^{*3}}$$乾湿球を用いた湿度計と湿度によって材料の性質の変化に基づく湿度計である。材料の性質の変化は湿気によって寸法が変化するのを利用するもの、電気的性質が変化するものを利用するものに分けられる。

 乾湿球を用いた湿度計は、普通の温度計とガーゼで球を湿らせた温度計との2本を用いる。乾いた空気中ではどんどん水が蒸発していくので湿らせた温度計からは湿らせた水がどんどん蒸発していく。この時、蒸発していく水が熱を奪うので湿らせた温度計は温度が下がる。この温度の下がり具合で湿度を計測$${^{*4}}$$する。

 材料の性質の変化の場合は直接的で、材料が湿ると伸びたり縮んだりするから、その変化の度合いを見ることで湿度が判る。

 その材料は湿気で伸び縮み$${^{*5}}$$すれば何でもよいが、出来るだけその変化の度合いが大きい方がいい。そこでその材料に毛髪を使った湿度計$${^{*6}}$$がある。

 毛髪と言うくらいだから人間の髪の毛である。それでは誰の毛なのか。「賢者の贈り物$${^{*7}}$$」に登場する美しい金髪$${^{*8}}$$のように金に困った人が売ったものだろうか。

 髪の毛を売られる経緯は別にして、毛髪湿度計には金髪$${^{*9}}$$が使われる。先生が授業で湿度計に金髪が使われるという話をした時、教室にどよめきが起こった。たしか起こった。しかもノルウェーの未婚女性の金髪$${^{*10}}$$を使うというのだ。ノルウェーと言えば北欧、北欧と言えば「性に関しておおらかな国$${^{*11}}$$」、やはり下も金髪$${^{*12}}$$か、という幻想が私を含めた一部の生徒には渦巻いていた。

 ノルウェーの女性の髪の毛を使うというのは第二次世界大戦中の規格$${^{*13}}$$らしいので、今でもノルウェーの女性の髪の毛を使っているのか判らない。間違いないのは頭髪を使っていることである。

*1 湿度計・露点計・温湿度発生装置の専門ページ
*2 加湿と除湿
*3 札幌市青少年科学館(科学の質問箱) ■湿度ってなに?
*4 Humidity 空気に含まれる水(湿度)と植物生産
*5 S1F online : テクニカルノート 湿度のあれこれ
*6 動作原理 毛髪自記湿度計
*7 19991213 愛の大きさ
*8 賢者の贈り物
*9 毛髪自記湿度計
*10 AS 3 Lecture Screens
*11 世界定点観測 - スウェーデン
*12 マピオン地図 神奈川県川崎市高津区下野毛(しものげ)1丁目付近
*13 Welcome to the Materials Testing Equipment Web Pages

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