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20090711 螺旋状の雲

 面白い写真を見つけた。朝鮮戦争時代の写真である。艦上から飛び立とうとしているプロペラ戦闘機のプロペラから蒸気の螺旋が発生している写真$${^{*1}}$$である。プロペラからどうして蒸気が出ているのか$${^{*2}}$$はよく判らないが、プロペラの径とほぼ同じ大きさの蒸気の螺旋が戦闘機の後方に向かって流れている様に見える。

 回転するプロペラからの先端から蒸気が出てそれが螺旋状になって流れていくというのは、一瞬当たり前のような気がするが、考えてみると何となく変である。新体操のリボン$${^{*3}}$$のように蒸気の粒が繋がっていれば螺旋になるだろうが、実際には繋がっている訳ではない。

 では空気が螺旋状に流れているのか。そんな空気の流れ方があるのだろうか。渦にはなる。しかし空気の流れが写真の如くねじの溝のような螺旋を描くことは不可能である。ある送風機$${^{*4}}$$の効果の説明で空気が螺旋状に吹き出る絵$${^{*5}}$$を使っているのがあるが、実際にはそんな流れになる筈がない。空気が螺旋状に流れなければ、プロペラから出た水蒸気の流れは螺旋状にならない。

 水蒸気の出所が固定されているのならば、空気の流れが螺旋状にならない限り、水蒸気の軌跡は螺旋にならないが、水蒸気の出所はプロペラと一緒に回転していれば、プロペラでできた風に乗って白い水蒸気の塊の一つ一つは真っ直ぐ後方に流れていくが、水蒸気全体が流れていく様子は螺旋状になっている。従ってプロペラの先端から水蒸気が出さえすれば、当たり前の様に螺旋の軌跡を描くことになる。ただし、プロペラの先端から水蒸気が出る理由はよく判らない。

*1 Korean War--Aircraft Carrier Operations, January-June 1951 g431289.jpg
*2 20090606 超音速と白い雲(2)
*3 法人桜花学園 桜花学園高等学校/スクールライフ/クラブ活動/体操部
*4 20020120 ボルナド
*5 VORNADO FEATURES | ボルネード 特徴

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