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20091117 日本三大怪猫伝
日本三大怪猫伝$${^{*1}}$$というのがあるらしい。佐賀鍋島騒動、有馬猫そして岡崎騒動$${^{*2}}$$の三つと言われている。
佐賀鍋島騒動$${^{*3}}$$は、瀬川如皐$${^{*4}}$$が嘉永六年(1853)にこの騒動を基にして作った歌舞伎「花嵯峨猫魔稗史(はなのさがねこまはいし?ぞうし?)」などが基になっている$${^{*5}}$$ようだ。この歌舞伎は佐賀藩の要請により上演中止となった$${^{*6}}$$らしい。
有馬猫は、河竹黙阿弥$${^{*7}}$$によって明治十八年(1880)に作られた「有松染相撲浴衣$${^{*8}}$$」という歌舞伎が基になっているらしい。江戸の有馬家御屋敷が舞台$${^{*9}}$$になっている。話の舞台は「有馬」だが、歌舞伎の題名は「有松$${^{*10}}$$」だから少し紛らわしい。化け猫話に「有馬家$${^{*11}}$$」の名前を冠するのを憚って、有馬を連想させる様な似た言葉として「有松染$${^{*12}}$$」を持ってきたのだろう。
岡崎騒動は四世鶴屋南北$${^{*13}}$$の「獨道中五十三驛$${^{*14}}$$(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」が基になっているようだ。その更なる基は、伊奈街道$${^{*15}}$$の足助(あすけ)宿$${^{*16}}$$近くの大鷲院$${^{*17}}$$という寺に伝わる化け猫話ではないかと言われている。これを有名な街道である東海道の最寄りの宿、岡崎宿$${^{*18}}$$に作り替えたのだろうか。
妖怪データベース$${^{*19}}$$で調べると、挙母(現 豊田市)の神龍寺猫の話$${^{*20}}$$が出てきた。寺で大事にしていた猫がいた。この猫はよく外に迷い出るので「神龍寺$${^{*21}}$$猫」と書いてあった。この猫が死んだ後、岡崎で一人の女児が誕生した。その女児の背中には「神龍寺猫」と黒く書いてあったので死んだ猫の生まれ変わりと言われた、とある。こちらの方が岡崎に近い。
*1 怪猫岡崎騒動 : 角川映画
*2 20091116 怪猫岡崎騒動
*3 なべしまそうどう【鍋島騒動】の意味 国語辞典 - goo辞書
*4 瀬川如皐
*5 歴史の勉強・大名騒動録
*6 武雄市史
*7 河竹黙阿弥 | 近代日本人の肖像
*8 河竹黙阿弥の作品で通称”有馬猫”といわれている歌舞伎の脚本を読みたい。
*9 【麻布十番】地名で読む街の歴史 #01 | 東京都心の高級賃貸マンション [TokyoRent]
*10 有松染相撲浴衣・扇音仝大岡政談・日本晴伊賀報讐
*11 久留米藩
*12 有松・鳴海絞会館
*13 鶴屋南北(4世)
*14 イヤホン解説余話 ■ 「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」 新橋演舞場
*15 伊那街道(三州街道)
*16 足助観光協会
*17 大鷲院 | 豊田市足助観光協会
*18 20050510 旧東海道を歩く(8)
*19 20021021 怪異・妖怪伝承データベース
*20 猫,生まれ変わり | ネコ,ウマレカワリ | 怪異・妖怪伝承データベース
*21 得雲山 神龍寺(豊田市) - 豊田市、気ままに、彼方此方散歩