20021124 瞬間視聴率
瞬間視聴率というのが不思議で堪らない。数年前から瞬間最高視聴率が数十%に及んだなどということを聞くことがあったが、この数字は本当にその瞬間の視聴率を反映した結果になっているのだろうか。
現在、日本のテレビジョン番組の視聴率はビデオリサーチ社$${^{*1}}$$という視聴率調査会社が調査している。かつてはニールセン社$${^{*2}}$$という会社も調査をしていたが2000年に視聴率調査から撤退した。
ビデオリサーチの視聴率調査は全国27地区6250世帯$${^{*3}}$$がどの番組を見ているかによって算出されるらしい。そして毎分の視聴率が集計$${^{*4}}$$されている。
「毎分なのに瞬間というのか」という屁理屈を言っているのではない。視聴率が毎分変化するのは理解できる。しかしそれが判ると何かの役に立つのだろうか。一つの番組の時間帯の中で視聴率の変化が判っていれば、その時期に合わせてコマーシャルを流せば非常に効率がよさそう$${^{*5}}$$であるので、何か役に立っているような気もする。
一般家庭ではどのようにテレビジョンを見ているのだろうか。番組表などを見てチャンネルを合わせるか、何か面白い番組はないかといろいろチャンネルを変えてみるぐらいではないではないだろうか。2、3台のテレビジョン受像器を並べたり、多画面機能を活用していつも複数の番組を見比べてここぞという場面になったら切り替える、と言う見方はかなり少数派だろう。
そうなると大抵の人は番組の最初から見るようにするだろうし、何か面白い番組を探す人は大抵は○○時00分から15分ぐらいで番組の選択が完了しそうな気がする。○○時30分から45分にチャンネルを変える人は多くないだろう。
つまり平均視聴率は調査対象となった世帯の標準的なテレビジョンの視聴の仕方を反映しているが、瞬間視聴率は落ち着きがない少数派の視聴の仕方を反映しているだけではないだろうか。そのような少数派の目にも留まるような場面という解釈も出来るかも知れないが、それで視聴率を代表させるには数が少なすぎるのではないか。これでは誤差が大きくなってしまう$${^{*6}}$$だろう。
瞬間視聴率はあまりあてにならないような気がする。
*1 Video Research Ltd.
*2 テレビの視聴率
*3 世帯視聴率調査地区
*4 毎分視聴率
*5 Yomiuri On-Line/なんでもクエスチョン
*6 標本誤差