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どうしよう…!

我が家では年に1回、長めの休みを利用して日本のどこかに5泊くらいの旅行をする。”どこか”というのは、どこに行くかは半分は意思で、もう半分は運と実力で決まるからだ。
どういうことかというと、どこに行くかは、A4の日本地図を目がけて投げるダーツで決まる。蟹を食べたければ日本海側を目がけて投げるし、南国に行きたければ四国九州沖縄を目がけて投げる。年に1回の長期旅行はダーツが刺さった先の都道府県に4,5日滞在することになるのだ。
妻がまだ彼女だった頃に、おもむろに彼女が「ダーツの旅しよう!」と言ったことから始まり、かれこれ9年目だ。

旅行先が決まった時、一般的には純粋にワクワクすると思う。自分たちで行きたいところを決めていくわけだから、”行きたいスポット”や”やりたいこと”が先にあるはずだからだ。

でも、自分たちの場合、旅行先が決まってまず最初に出てくる感想は、興奮と楽しみと困惑が混ざり合った”どうしよう…!”だ。
なぜかというと、狙ったところにダーツが刺さったことが今まで1度も無いからだ。
初めてのダーツの旅は群馬に、去年は島根に行った。”どうしよう…!”から始まる旅は、毎回本屋でまっぷるかるるぶを買ってその土地を知るところから始まる。

北海道十勝に引っ越して3年になる。十勝の冬は寒いから、春先の旅行は暖かいところに行きたくなる。今年の狙いは中国四国地方だ。瀬戸内海のどこかで美味しい鯛を食べたり、温泉にゆったり浸かったり、桜を見てのんびり過ごしたい。
妻も同じような気持ちだったようで、狙いは温暖な静岡のあたりや西日本だ。

ダーツを投げる時は、ほどよい高揚感と緊張感がある。この1投がA4の日本地図のどこかに刺されば、そこに5泊ほどすることになるからだ。
3投ずつ投げても決まらない。太平洋や日本海に刺さったり、うまく刺さらず落ちたりして、なかなか狙い通りには決まらないのだ。
それでも妻が投げた4投目。見事に日本地図の右上に突き刺さった。



…右上?

真ん中から左側低めを狙っていたのに、右上。妻爆笑。ダーツの刺さった先には”岩手”と書かれていた。
今回の長期旅行も行き先が決まった。旅行先が決まった感想は今年もいろいろ混じり合った”どうしよう…!”だ。
早速本屋でるるぶを買って、二人でビールを飲みながらざっくりとしたプランを考える。
三陸沖の海の幸に山奥の秘湯鉛温泉盛岡市街で文化を楽しむお散歩に、八幡平のおこもり宿
”どうしよう…!”から始まる旅は、その土地を知って、どういう流れで何を楽しみたいかを話して想像するところからとても楽しい。
今年も良い旅になりそうだ。

…自己紹介が進まない。どうしよう。

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