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太宰治「走れメロス」を読みました
みなさん、こんにちは。松本浩二です。
太宰治の「走れメロス」を読みました。読んだ作品は11篇が収められている文春文庫。16ページの短編作品。
古代ギリシャの伝説を基にした物語です。
王に反逆したメロスは処刑されることになり、その運命を受け入れていました。しかし、妹の結婚式に出ることができないことが心残りでした。
そこで、親友セリヌンティウスを人質にして3日間の猶予をもらいます。
急いで走って自分の街に戻ったメロスは妹の結婚式の準備・出席を済ませ、王の元へ走って戻ります。
しかし、道中には困難が待ち受けます。
川にかかる橋の崩壊、山賊の襲撃、襲い掛かる疲労。。。
極限状態の中、メロスは弱気になり、王の元への帰還をあきらめかけます。
それでもそんな弱さを振りきり、メロスは王の元へ戻ります。その姿に感動した王はメロスの処刑を取りやめます。
そして、メロスとセリヌンティウスはお互いに謝罪し合います。メロスは道中であきらめかけたこと、セリヌンティウスはメロスを待つ間に1度だけメロスは戻ってこないのではないかとの疑念が頭をよぎったことを。
自分が処刑されるにもかかわらず親友を助けるために王の元へ戻るメロスは英雄のように思われます。しかし、実際は弱さを持った普通の人物でした。しかし、それと同時に最後の1歩で踏みとどまる強さを持った人物でもありました。そういった人間の複雑さが丁寧に描写されています。
「走れメロス」は小学校か中学校の教科書でも読みましたが、当時は人間の複雑さなんて感じず、英雄の物語だと解釈していました。
時を経ると同じ作品も違う物語に思える、それが読書の醍醐味のひとつですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、また。