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会社を辞めてフリーランスになりました~独立に伴う必要な手続き


1.会社を辞めてフリーランスになりました

会社を辞めて先月(2024年11月)からフリーランスとして活動しています。
開業のためにはいろいろな手続き(会社退職、社会保険の手続き、仕事場の確保、税務署への申請、など)が必要なわけで、ネットなどで調べていたのですが、なかなかまとまった情報を見つける事ができず、どのような手続きが必要なのか確信が持てないまま個別にいろいろと調べて開業準備を進めていました。

まとまった情報がないというのは考えてみたら当たり前で、
会社を辞める→フリーランス、というルートを進む人って
まだまだ少数派なので。

なので、せっかくいろいろ経験したので、それらをまとめました。
フリーランスになるにあたって手続きについて迷われている方の参考になれば幸いです。

なお、この投稿ではフリーランスを始めるのに必要だった役所関係・会社関係の一般的な事務手続きを書いていきます。フリーランスになるためのスキル習得!といったものには言及しませんのでそのような内容を期待している方はここで引き返された方が良いです(笑)

また、各手続きの詳細については正確に説明されているサイトは既に存在し、検索すればすぐ出てくるので、そちらを参照頂ければと思います。

2.現在の私の状況

本編に入る前に簡単な自己紹介がてら現在の私の状況を書きます。
・新卒で入社した会社を辞めて(12年半勤務しました)、
 先月(2024年11月)からデータサイエンティストとしてフリーランス
 開始しました。在宅で仕事をしております。
・会社員時代の勤務地は関東のとある県で、会社から車で20分程度の場所に
 住んでいましたが、フリーランスになると同時に東京に引っ越して
 きました。ちなみに、出身は関西です。
・仕事については会社員時代のつてで1件仕事が頂けそうです。
 まだ、正式に発注を頂いたわけではありませんが、見積を提示しつつ
 詳細を詰めているといった状況です。まだまだ、営業をかけていかないと
 いけないです。

3.最優先は家探し

私の場合、仕事場所を変えましたので住む場所(兼仕事用事務所)を決める必要がありました。住む場所が決まらないと、その後の手続きを進める事はできませんから。幸いにも気に入った物件を見つける事ができました。
ただ、ひとつ想定外だったのは申し込みから契約までの期間に制限があるという事。契約までの流れは以下のような感じだと思うのですが、
  内見 → 申し込み → 契約 → 入居

内見ができる物件は当然空室なわけで、そのような物件は申し込んでから契約までに期限が設定されていることがあるらしく、私の場合は申し込みから3週間以内に契約(契約日=家賃発生)しないといけませんでした。人気のない物件などは即内見可であっても契約までの期間に制限はないのかもしれませんが。このあたりは一般的なのかもしれませんが、引っ越し経験が乏しい私は初めて知りました。
申し込みの時点で新居への引っ越し予定までは1ヶ月以上あったので、住んでいないにもかかわらず数週間分の家賃を払わないといけなかったです。これに関しては必要経費だと割り切っていました。余分な家賃支払いをためらって、気に入った物件を逃すことは避けたかったので。

あと、契約と同時に不動産会社や管理会社に火災保険を薦められると思いま
すが、火災保険は自分で探した方がよいです。これについては「5.独立後の生活環境準備」で改めて書きます。

4.独立前(会社員時代)の生活環境整理

(1)住居解約手続き

引っ越し前の1~2ヶ月前に貸主(不動産会社や管理会社)に連絡が必要なケースが多いようですね。
 連絡→必要書類記入・提出→退去時の立会い確認
が一般的な流れです。

(2)火災保険解約

中途解約の場合、返戻金が発生する可能性もあるので、忘れずに手続したほうが良いです。貸主経由で申し込んだ場合、貸主が対応してくれるかもしれません。貸主が何も言ってこない場合でも、せっかくお金を受け取ることができる可能性があるので、こちらからも聞いた方が良いですね。

(3)引っ越しの手配・業者探す

インターネット等で相場の確認および複数社からの見積取得が重要だという事が身に染みてわかりました。とある会社での見積時に、事前に確認していた相場や他社からの見積金額から1万円程度安くなりそうと思ったので、「1万円安くしてもらえれば、注文します」と伝えたところ、その場で本社に電話して頂き(見積は自宅でしていたので)、1万円値引いてもらいました。
その時に担当者の方に教えて頂いた引っ越し料金を決めるのは以下の3要素との事です。
 ①引っ越し距離
 ②荷物の量
 ③引っ越し日程
  ☞月別だと3・4月、曜日別だと土・日・祝日、時間帯別だと午後、
   が料金高め。

①は変えようがありませんね。
②は引っ越しまでに不要な荷物を捨てる事で多少減らす事はできるでしょうが、引っ越し料金に影響するほど減らすのは難しい。
との事で③が一番取り組みやすいですね。私の場合はフリーランスへの転身のため、転居先への移動日程に縛りがなかったので、選びやすかったのが良かったです。
引っ越しの日程には住居解約日・撤去立会日も考慮しつつ決めないといけないので、面倒くさかった記憶があります。私の場合、移動時間3時間程度の引っ越し、かつ、車の手放し(次項参照)とのタイミング調整も必要でした。

(4)車処分、諸々の手続き/JAF解約

会社員時代に住んでいた場所は車社会でしたが、引っ越し先は車がなくても生活できる環境でしたので車を処分しました。車を処分するにあたっての注意事項は下記の通りです。

①やはり相見積もりは重要
引っ越しの項でも書きましたが、相見積もりは重要です。車の場合、型式・年式・走行距離で価格が変わるので引っ越し料金のように一概に価格を算出できるわけではないので、相場を知るためにも相見積もりはぜひ行ってください。私の場合はディーラーと中古車販売会社で見積もりを取りました。
ネットで一括査定サイトがありますが、利用経験のある知人曰く、「いろんな会社からひっきりなしに電話がかかってきて面倒くさかった」との事でした。電話対応が苦手・嫌という方はあまりおすすめしません。
あと、よくディーラーの買取価格は安いと言われていますが、私の場合はディーラーの方が高かったです。なので、初めから決めつけずにディーラーでも見積取得した方が良いです。

②自動車税、リサイクル預託金などの返戻金はあるか?
車本体の売却金以外にも諸費用の返戻金を受け取れる可能性もあります。見積金額に含まれているかを確認しましょう。
・自動車税
 毎年5月に納める税金です。4月1日から翌年3月31日分を5月に前払い
 するので、残存期間分の返戻金を受ける事ができます。
 例えば、10月末に売却した場合、12分の5の金額が返戻されます。
・リサイクル預託金
 車を廃車にするときに必要となる、エアバッグ類のリサイクルや
 カーエアコンのフロン類廃棄にかかる費用を購入時に支払っています
 (自動車リサイクル法に関連)。中古車として売却する時は返戻
 されますが、廃車にする場合は返戻されません。ただし、返戻を
 受けるためには車購入時に発行されたリサイクル券が必要となります
 ので保管されているかよく確認しておきましょう。車検証や
 自動車税納付書などとまとめてグローブボックス(助手席前にある
 ふた付きの収納)に保管している人が多いのではないかと思います。
 ちなみに、自賠責保険は廃車にする場合は返戻金が発生しますが、
 中古売却の場合は返戻金は発生しないです。

③任意保険
こちらも途中解約であれば返戻金が発生する可能性があります。契約内容をよく確認しましょう。

④JAF解約
JAFも合わせて解約しました。JAFの場合、途中解約はできますが、会費の返戻はありません。ただし、有効期限までは会員資格を有している状態なので利用は可能なようです。

(5)ライフライン手続き

水道・電気・ガスの使用停止手続きです。ガスの停止は立ち合いが必要な場合がありますので、事業者への連絡は余裕をもつことをおすすめします。

(6)郵便局への転居届

無料で、1年間旧住所宛の郵便物等を新住所に転送してもらえるサービスです。インターネットからの申し込みでも手続きに1週間程度はかかるので早めの対応をおすすめします。

(7)元居住地での転出届

引っ越し直前に役所で手続きすればOKです。転出証明書が発行され、引っ越し先の転入届時に必要です。マイナンバーカードを持っていると、カードに記録されるので転出証明書の発行はありません。私はマイナンバーカードで対応しました。引っ越し先での転入手続き時もマイナンバーカードで手続きOKでした。

5.独立後の生活環境準備

(1)火災保険見つける

火災保険加入は法律上の義務ではないのですが、必要事項として契約書で明記されている事がほとんどだと思います。書類記入の際に勧められるがままに加入している方は多いのではないかと思います(かくいう私もそうでした)。
しかし、火災保険は不動産会社や管理会社が指定する商品に加入する必要はなく、自分で選ぶことができます。勧められる商品というのは補償内容に対して保険料が高いことがほとんどなので、補償内容が同等で保険料は安い商品を自分で選んだほうが良いです。自分のお金を守るためにも。契約時に火災保険を勧められても「自分で選んだものに加入します」と伝えればOKです。借主に指定の商品に加入させる法律的根拠はありませんから。
私の場合、賃貸契約前の申込時に「自分で選んだ火災保険に加入したいです」と伝えれば「そうですか~。わかりました。ただ、契約書の控えだけは頂きたいです。」といった軽いやり取りで済みました。
商品を選ぶ際はリベ大の両学長のYouTubeチャンネルを参考にしました。

この動画のおかけで補償内容は同等にもかかわらず、2年間で保険料を1万円以上節約することができました。

(2)ライフライン手続き

水道・電気・ガスの使用開始手続きです。最短でも。申し込み~使用開始までに数日はかかるので、入居開始日から使えるように早めの対応をおすすめします。
私の場合は、電気・水道は入居日から使用開始としましたが、ガスは翌日に開栓しました。ガス開栓は立ち合いが必要で、時間的に引っ越し当日には間に合いませんでした。引っ越し当日の入浴は自宅近くの銭湯で済ませました。

(3)転入届

「住み始めた日から〇〇日以内に届出必要」と指定されていると思います。転出届時にマイナンバーに記録されたので、転出証明書なしで手続きを終えました。この時に合わせて、マイナンバーカードの住所変更もしました。

(4)運転免許証

転入届を終えて住所が引っ越し先であること証明する書類などがないと手続きできないので転入届提出後に行う必要があります。

(5)各種住所変更(金融機関、クレジットカード、ECサイト、など)

これは数が多く何気に面倒くさいです。多岐にわたるでしょうから引っ越し準備段階からリストアップしておくことをおすすめします。

(6)ふるさと納税の手続き

引っ越しタイミングと利用制度(ワンストップ特例制度など)によっては手続きが必要なようです。私の場合、ふるさと納税の申請は確定申請時に行うことになりますので、利用しているふるさと納税サイトの住所変更以外は手続きは必要なかったです。
必要な手続きについては、「ふるさと納税 引っ越しした場合」で検索するとさまざまな回答ページがヒットします。

(7)年金切替(厚生年金/2号→国民年金/1号)

会社員時代は厚生年金に加入しており、フリーランスになったら国民年金第1号被保険者となるので役所での切替手続きが必要です(会社員時代は第2号被保険者)。

☟☟会社を辞めた時の年金手続き参考サイト(日本年金機構HP)☟☟
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-03.html#cmsdaiichigo

国民年金の場合、保険料の納付方法は自分で選択でき、納付方法によっては割引されるのでうまく活用しないといけませんね。日本年金機構のサイトに納付方法による納付額の違いがまとめられています。

☟☟おトクな国民年金保険料納付方法参考サイト(日本年金機構HP)☟☟
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/zenno.html

(2025年1月2日追記)
おトクな納付方法をシミュレーションしました。こちらをご参考ください。

退職日までは第2号被保険者なので、有給消化期間がある場合は有給消化完了し、正式に会社の籍がなくなってから手続きすれば良いです。手続きの際に退職証明書など退職年月日がわかる書類が必要な場合が多いと思いますので、どのみち有給消化期間中の手続きはできませんね。

(8)健康保険切替

会社の健康保険組合に加入していましたが、国民健康保険への切り替えが必要となります。しかし、国民健康保険の保険料は一般的に会社の健康保険と比較して高いです(国民健康保険料は自治体によって異なる)。
そこで、会社の健康保険組合の任意継続被保険者になる事にしました。任意継続被保険者になるためにはいくつか注意点があります。
 ①資格要件がある(以下の2点)
  ・資格を失った日まで継続して2ヵ月以上被保険者であったこと
  ・資格を失った日より20日以内に任意継続被保険者となることの
   申請をすること
 ②保険料は全額自己負担
  会社員時代は会社側も保険料を負担してくれています(労使折半の
  場合が多い)。しかし、任意継続の場合は全額自己負担となります。

国民健康保険料は自治体ホームページでもシミュレーションできる場合があるので、手続き前に一度確認されることをおすすめします。
私の場合、保険料全額自己負担となっても任意継続の方が毎月4万円弱安かったです。
知人のフリーランスの方は国民健康保険の申請に行ったら窓口で任意継続を勧められたと仰っていました。

(9)企業型DC(企業型確定拠出年金)変更手続き

前職の会社では企業型DCが導入されていました。退職後はiDeCoへの移管が必要です。退職後6ヶ月以内での手続きが必要のようなので資産管理機関から案内書類が届き次第手続きしようと思います(退職後1~2ヶ月で届くもよう)。

(10)iDeCo(個人型確定拠出年金)変更手続き

会社員時代はiDeCoに加入していました。掛金拠出は継続しますが、住所変更と国民年金切替(厚生年金/第2号被保険者→第1号被保険者)の手続きが必要です。

6.開業関係

フリーランス(個人事業主)になるには税務署への開業届の提出が必要です。他にも提出が必要な書類があります。

(1)提出書類

私が調べた限りで事業開始に必要な書類は下の7点です。すべてが必須というわけではなく、私の場合は①②④を提出しました。

①個人事業の開業・廃業等届出書(開業後、1ヶ月以内)
②青色申告承認申請書(開業後、2ヶ月以内)
③課税事業者選択届出書(④提出の場合は必要なし)
④適格請求書発行事業者の登録申請書
 (インボイス制度対応の請求書を発行したいなら必要)
⑤青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
⑥源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
⑦給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

(2)提出方法

以下の4通りがあります。④については適格請求書発行事業者の登録申請は対応していない場合もあるようです。
①税務署窓口で提出
②郵送
③WEB(e-Tax)
④WEB(民間法人の無料サービス)

①窓口提出や②郵送の利点として控書類に収受日付印の押なつがあり、提出したことの証明になるという事が挙げられますが、令和7年(2025年)1月からは押なつがなくなります。

私は、ネットで調べながらe-Taxで提出したのですが、e-Tax(WEB)とe-Taxソフトの内容が混在していて必要機器などが正確でない情報がありましたので、私が経験した情報を基にまとめます。参考になれば幸いです。

e-Tax(WEB)とe-Taxソフトの概要とログインに必要な情報(通信機器など)をまとめたものがこちら。

e-Tax(WEB)とe-Taxソフトの特徴

各提出書類に対応している提出方法がこちら。

各提出書類に対応している提出方法

開業届のWEB申請はe-Taxソフトでないといけなく、マイナンバーカードでe-Taxソフトにログインする場合、ICカードリーダーライタが必要です。
したがって、開業届をe-Taxで提出する場合はICカードリーダーライタが必要なのですが、「スマホがあれば開業届はe-Taxで提出可能」と書いているネット情報もありましたので、とても紛らわしかったです。

(3)開業準備にかかった費用の領収書確保を忘れずに

開業前であっても事業のための準備にかかった費用(勉強のための書籍代金、セミナー代金、必要機器購入代金、など)は開業費として経費計上できます。しかも、さかのぼる期間に制限がありません。したがって、領収書は忘れずに確保しておきましょう。

7.番外編 ※2025/2/17追記

独立前や開業関係ではないですが、独立後(正確には会社退職後)1~2ヶ月で住民税の未納分の請求がきます。
まとめて納めないといけないのでそれも考慮して資金を確保しておきましょう。

こちらの投稿にまとめました。

8.最後に

書いていたら結構な長文になってしまいました。せっかく経験したことなのでnoteのネタになればよいなぁと思い、今回書きました。
今回の内容は私が経験したことなので普遍性はないかもしれませんが、何かしら参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
では、また。

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