初短編小説(ノンフィクションです)
「友とは」
僕たちは深夜車でドライブを楽しんでいた。規定速度を破り、風を感じ、暗闇のなか、ただただドライブを楽しんでいた。その時の風はなんとも言えず、どこかもどかしい風が吹いていた
その時友が急に話し出した。
「俺は大学に友達はたくさんいるが地元の友達はほとんどいない」
唐突に言われた言葉に戸惑いを隠せずにいた。やっと開いた口が放った言葉は
「なんで?」の一言だった。
そして友は話し出した。
「俺が高校の時にはたくさんの友達がいて、本当に充実していた。でも、高校を卒業してみんなが離ればなれになってから、ほとんどの人と連絡を取らなくなった。あるやつは大学に行くし、あるやつは仕事、俺は自分が何をしたいのか決めるために大学に行くのを一年遅らせたんだ。」
僕はその時仕方ない、そーなんだと流しかけたが、その後、僕は、考えさせられた。 本当の友達とは。
そして友は続けて話した。
「それから一年たってある大きなパーティーがあった。去年は行ったけど今年は行かなかったんだ。実はそのパーティーの一週間前に父親が他界したんだ。それで俺は動揺して、自分は何がしたいのか、どうするべきなのか、もうなにもわからなくなったんだ」
急な告白に僕は、戸惑った。何て言葉を返せばいいのか、、、そして僕は
「そーなんだ。僕がその立場でもそーするよ」
と言葉を返す。
すると友は吹っ切れたように
「俺はこういう状況だって言うことをみんな知っていたのにも関わらず、誰も俺のことを気に掛けてくれない。さらには、みんなでパーティーを盛り上がってる動画を載せて楽しんでいたんだ。そして俺はそういうやつ全員をブロックしたんだ」と。
僕の心のなかは複雑だった。確かにこの考え方にも同意はできるが、それは自分を尊重しすぎなのではと。なぜなら高校時代は仲の良い友達だったのだから。なんとも言えない感情だった。
その後友は
「でも俺は俺でこんな奴らもことは気にしない。いまいる友達で俺は本当に幸せだ」という。
僕は何か答えを見つけたのか、まだ探っている途中なのか。でもこのドライブで何か少しわかったような気がした。