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イギリスで病院に行ったら失明の危機だった①初診編

今回は夫がイギリスの病院に行った時の話で、初めて夫が記事を書いてみます。妻の記事とは異なる毛色になりますが、楽しんで頂ければ幸いです。

ある日、朝起きると左目の視界が白くもやがかってほとんど見えませんでした。とまあ大事のように書き始めましたが、半年前にも日本で同じ症状が出て病院に行っていたので、特段焦ることでもないとその時は思っていました。その時はイギリス渡航準備中だったのもあり、疲労やストレス等が原因で眼圧が上がったことにより発症したと説明され、目薬を点眼することで症状は改善しました。
今回は10月27日にサマータイムが終了し、日本との時差が9時間になったことで、日本の会社でのリモートワークは午前6時からとなり、生活リズムに変化が生じた矢先のことでした。その他にも旅行に行ったりして少しばかし忙しかったりアーセナルの調子が悪かったりと、疲労やストレスが溜まっていたのもあり、症状が再発しただけで大したことないと思っていました。とはいえ、治療用の目薬は市販されていないので、イギリスの病院で処方してもらう必要があり、とっても面倒ですが病院に行くしかないかと覚悟を決めました。


1.病院の予約

イギリスの病院にかかるのは初めてだったので勝手がわからなかったのですが、NHSで症状診断ができるページがあったのでやってみたところ、とりあえず救急病院に行けと指示されました(基本的には最初にGP⇨専門医の紹介という流れになると思うのですか、GPがあいていない時間だったのもあり24時間体制の緊急病院を紹介されたのだと思います)。妻には目が充血してやばいからちゃんと病院に行けと言われましたが、個人的にはそこまで大事ではないと思っていたし、NHSの救急はめちゃくちゃ待たされる等、いい噂を聞かなかったので渋っていたところ、日本で入っていた「t@bihoプライム」でサポートしてもらえることを思い出し、「Jiスマートガイド」という専用のアプリを用いて連絡してみました。
サポートはとても親切で、症状を伝えると病院と通訳さんを手配してくれると言われ、翌日にJiアシスタンスセンターという現地のサポートの方から手配内容を電話で連絡いただきました。ここで小さいなトラブルが発生。イギリスの家は謎に携帯の通信が悪く、電話が途切れてしまいました。何度か掛け直すも通信は安定しないので、急遽メールでの連絡に切り替えていただきました。イギリスの通信事情の悪さが滲み出ていました…

2.プライペートクリニックに診察を受けに行く

ともあれ、病院の予約をしてもらったのですが、指定された病院はNHSではなくプライベートクリニックである「Nuffield Hospital」でした。NHSではすぐに見てもらえないと聞いていたのですが、プラベートクリニックは当日の16時に診てくれるという神対応。近くにバス停があったので、仕事終わりにバスで向かいました。道中暇なので病院のホームページを調べてみて、ちょっと面白いと思ったのが、ホームページに医師一人ひとりを紹介するページがあり、手配時に聞いていた担当医の経歴や専門を見ることができました。ちなみに担当医はケンブリッジ大卒という超エリート…
病院に着くと既に通訳さんが待っており、病院に案内されました。通訳さんは電話越しで対応していただくこともあるとお聞きしていたので、同行いただけたのは幸運でした(何より久しぶりの妻以外の日本人との会話がホッとした)。
病院で受付を済ませると少しだけ待ってくれと言われたので、通訳さんと楽しくお話(主にイギリスに対する愚痴話)して待っていました。この時に通訳さんにご忠告いただいたのは、日本のように患者が納得いくような診察が受けられない場合があるという話で、前に自分と全く同じ症状の患者の通訳をした際は、ものの十数分の診察の後にスーパーで売られている£0.4のイブプロフェン(痛み止め)を飲んどけと言われたとか…
日本だと後々問題になりそうな話ですが、イギリスだとその辺りもガチャでいいお医者さんに当たることを祈るしかないということで、お祈りしながら(実際は雑談しながら)待っていると、十数分ほど経ったところで呼ばれました。NHSで聞いていたほど長くないのは、流石プライベートクリニック!

3.プライペートクリニックでの診察

診察室に行くと、ホームページで確認した女医さんが待っていました。簡単な挨拶や質問の受け答えは自分で頑張ってみたのですが、症状を伝える時の適切な表現や病名の単語などがわからないときやお医者さんの質問が聞き取れない時(絶望リスニング力を実感)はすかさず通訳さんが間に入り説明してくださったので、通訳さんの有り難みを痛感しました!っていうか、医療用語までささっと英訳できる通訳さんすげえ…(プロに失礼)
幸運にも(?)日本で受けるような丁寧な診察をしていただくことが出来て通訳さんと喜んでいたのも束の間、お医者さんのトーンがちょっと深刻な雰囲気に変わりました。
「日本の病院で”緑内障”という診断は受けましたか?」という質問をされ、日本では”緑内障”と明言されてはいないと伝えると、「あなたは”急性緑内障”の疑いがあり、最悪の場合失明する可能性があるので、今から救急病院に向かってください」と言われて、紹介状を渡される。
え?今から??30分以上診察を受けていたのでその時点で17時頃でした。

4.救急病院での診察

何時に帰ることができるでしょうかという話を通訳さんとしながら、紹介されたAddenbrooke's hospitalのEye Clinicに到着したのは17時45分頃。紹介状があると流石にスムーズに受付ができ、少しばかし待った後に診察室に通され、眼圧検査と目薬の点眼を行いました。眼圧検査の結果を聞くと、「右がフィフティーン、左がフィフティーン」と。あれ?一緒なの?と思っていると別の看護師さんも聞き返し、「左はフィフティ」と言い直されました。

15と50。

よくわからない数値ですが、3倍以上と明らかに左の値が高すぎるのは容易に想像できました。家に帰ったのちにChatGPTに聞いたところ、以下の回答が返ってきました。

50 mmHgという極端に高い眼圧は非常に危険であり、緊急の医療対応が必要です。直ちに眼科医の診察を受け、適切な治療を開始することが重要です。

俺、ガチで失明しかけてたんやん。。
妻の知り合いのお医者さんからも「視神経障害で失明する恐れ」とお墨付きの危機でした。日本で同じ症状だった時はそんな話聞かなかったのに…

話を戻しまして、その後に紹介状に書かれたお医者さんに詳細な診察を受け、おそらくヘルペスウイルスが原因の細菌性の再発性前部ぶどう膜炎(緑内障の手前の症状)という診察を受けました。
点眼後しばらく時間が経ってから眼圧を再度測定したところ、左が30まで下がっており一安心できました。ちなみに30 mmHgも十二分に高い数値で、すぐにお医者さんへとChatGPTに言われました。50 mmHgがレベチすぎた…
ともあれ、診察が終わり薬待ちで待合室へ移動したのが18時半過ぎ。16時から小一時間で帰る予定だったのに既に2時間半が経ち、通訳さんとやっと帰ることができると喜んでいました。ところが、待てど暮らせど呼ばれない…
看護師さんに確認したところ、眼圧がまだ高かったから下がるのを待って再検査すると。そんなこと聞いてなかったけどそれなら仕方ないと思っていると、診察してくれた医者がリュック片手にやってきて目薬を手渡して「バーイ!」と言って颯爽と帰って行った。お前が先に帰るんかい!と思いつつもらった目薬を見ると箱が開いているというUKクオリティ。。
その後しばらくして最初の看護師さんに呼ばれると、追加で2つの飲み薬と1つの目薬、処方箋を受け取ると帰っていいよ!と言われました。
眼圧の再検査はどこいった?とか、なんでお医者さんが先に1つだけ目薬渡したん?とか不可解な思いを抱えながら、通訳さんとやっと帰ることができると喜びを分かち合いました。時刻は19時半で、目の診察が終わってから1時間近くも待ったことになります。

5.支払いについて

皆様が気になるのは病院での支払いについてかと思います。
まず、プライペートクリニックに関してですが、今回は保険会社を通して予約をお願いし、その際にキャッシュレス支払いの手続きをしていただいていました。病院に行くまでなんのこっちゃと思っていましたが、病院の待ち時間に記入した問診票?の支払い方法を選ぶところに「Insurance」という項目があり、腑に落ちました。とはいえ、これが本当に保険会社が指示したものか確信が持てないので通訳さんに確認したところ、通訳さんも把握してないが多分これでいいとのこと。違ったら病院側から連絡来るよねってことでそのまま提出して、本日まで音沙汰ないので多分合っていたんだと思います(適当)。そんなこんなで立替することなく支払いができてとても便利だったんですが、いくらかかったか見てみたかった気持ちもあり少し残念でした笑。
続いて、救急病院に関してですが、こちらはNHSなので、診察代、薬代ともに無料でした。こちらはVISA取得時にたっっかい保険料を2年分一括で払わされたので、少しは元が取れたかという感じですね。
最後に番外編ですが、t@bihoプライムは通院時の交通費も請求対象とのことで、今回はバスで向かったのでその運賃も請求することができました。まとめると、初診の日は交通費のみを支払い、後ほど保険会社に請求することになりました。

6.保険はだいじ

改めて記事にまとめるために今回の一連の出来事を振り返り思ったのは、「やっぱり保険に入っておくのがだいじだわ」ということでした。
保険に入るくらいなら自分でお金を貯めておいた方がいいという意見を耳にすることがありますが、確率論的にはその通りだと私も思います。
しかし私個人が思うのは、保険は「転ばぬ先の杖」と言われる通り、何かが起こる前の備えであり、病気や怪我をした時に躊躇いなく病院にかかることができるということです。実際、守銭奴の私は保険に入っていなかったら今回病院に行っていたか、定かではありません。その結果が失明の危機だったことを考えると、保険に入っておいてすぐに病院に行けたのはとても幸運なことでした。
とまあいい感じにまとめてみましたが、本記事は初診編。その後に再診に行くことになったのですが、こちらがトラブルだらけでとても大変だったので、また別の記事でまとめたいと思います。保険金の請求についても別でまとめようと思っておりますので、そちらに興味がおありの方はもう少しお待ちいただけますと幸いです。

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