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サンディエゴを思い出した
先日、職場でビデオを見さされた。
人権やハラスメントにまつわるものだった。
LGBTQへの偏見や男女に関した偏見や固定概念を
戒めるものであった。
上司からは「見た後で質問しますから」と
暗に「しっかり見なさい」と釘をさされた。
カスハラをカスのハラスメントだと思うぐらい、
不勉強の私であるが、上司から訊かれたのは
「LGBTQって何のことか知ってる?」だった。
知らないだろう...と笑いながら訊いてきたが、
私が即答で
「レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、
トランスジェンダー、クエスチョニングの
頭文字を取った総称...」と答えたら、
上司は驚いていた。
知っているのは、かつての夏休み渡米で
ゲイに夜這いをかけられたことがあったからだ。
驚く上司を尻目に、往時を思い出した。
それは今から約9年前、2016年のことだった。
夏休み渡米で行ったサンディエゴで
私はLGBTのパレードに遭遇して
その手合が約5万人、サンディエゴに集結した。
当時の私はLGBTを知らず、
LGとつくから乳酸菌のLG21になぞらえて、
明治乳業がヨーグルトを売るか、
韓国のLG電子の宣伝ぐらいに思ったら、
サンディエゴのあちこちで大騒ぎ。
QUEENのフレディ・マーキュリーさんみたいな
ひげを蓄えたオッサンが何百人かで大騒ぎ。
「We will we will...rock you!」と歌声がした。
無知だから偏見も差別もへったくれもなく、
「元気でいいなあ...」という印象だったが、
泊まったホテルにもその手合がけっこういた。
そして夜中の2時ごろ。部屋をノックされた。
近くの部屋に泊まっていたゲイに
夜這い(と思う)をかけられた。怖くなった。
金縛りにあった気分で何もできなかったが、
ゲイは諦めて自室にもどっていった。
2003年から17回に渡る夏休み渡米で、
一番怖い思い出になった。
なのでLGBTQは名前だけなら知っている。
職場でおそらく、ゲイに夜這いをかけられたのは
私一人だろう。
愛の形に野暮を言うのは好きではないが、
巻き添えにするのはやめてほしい。
翌朝行ったシアトルのスターバックスコーヒーで
私の注文を聞いた女性店員さんが天使に見えた。
俳優(女優)の木村文乃さんが
金髪になったような別嬪さん。
十数時間前に見たゲイとの違いに衝撃を受けた。
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ペトコパーク、ラ・ホヤ、オールドタウン、
ガスランプクォーター...
涼しかったサンディエゴが懐かしくなった。