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地下の宝石箱・プルピ晶洞
世界三大地下洞窟というものをご存知だろうか?
ご存知なはずがない。私が勝手に言っているだけだからだ。
今回は私が独断で選ぶ世界三大地下洞窟の一つ、スペインのプルピ晶洞について取り上げたい。
過去のシリーズはこちら
その前に、二つ重要なことをお伝えしなければならない。
まず一つ、前回のサリーナ・トゥルダと同じく、このプルピ晶洞には私はまだ行ったことがない。
しかしながら、いつか訪れる日のために諸々調査をした上で記す、行っていない場所について堂々と語る旅行記である。
二つ、これまでの本シリーズを読んでくださっている方、あるいは↑の過去記事シリーズを数えた方はお気づきだろう。
この記事は、私が独断で選ぶ世界三大地下洞窟についての記事の第四弾である。
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ついにこいつは数も数えられなくなったのか、などと思わないでほしい。
私とて二本目の記事を書く頃には「あ、四つあったわ。」ということに気づいてはいた。
しかし一度"三大"と銘打ってしまった以上、後からしれっと四大に書き直すなどという不義理は行えない。
ならばどれか一つ削ればいいではないかという声が聞こえてくるが、角の立つこともしたくない。
そもそも勝手に選んでおいて、挙句後から「ごめん、やっぱ君三大から外すわ」などというのは洞窟側からすれば明らかに理不尽で身勝手な仕打ちである。
一度選んだものは外すべきではないと思う。
よって私の中では北九州も未だに工業地帯である。
というわけで、世界三大地下洞窟第四弾の記事をここに記す。
プルピ晶洞はこんな場所
プルピ晶洞(La Geoda de Pulpi)は、スペイン南部アルメリア県の街・プルピにある晶洞である。
そもそも晶洞とはなにか。
晶洞とは、玄武岩や堆積岩と言った岩石の内部にできた空洞のことである。その内部はただの空洞にはならず、ミネラル分による結晶が形成される。
アメジストドームなどがその典型例だ。
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晶洞の多くはオブジェサイズのものであるわけだが、中には人が入れるほど巨大なものも存在する。
それがプルピ晶洞なのである。
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この非現実的なまでに美しい光景。一度は目にしてみたいものだ。
閉山された銀山に晶洞が発見されたのは1999年のことであった。
その規模は約11立方メートルに渡り、2mを超すサイズのセレナイト(石膏の結晶)が広がる空間ができている。
その他にも、洞窟内の随所に晶洞が見られるそうだ。
発見後長らくは専門家のみが立ち入ることを許されていたが、2019年からは一般客にも開放され、新たな注目スポットとなっている。
プルピ晶洞へのアクセス
プルピ晶洞に関する情報はあまり多くない。日本語となるとなおさらである。
観光地として開放されてから日が浅く、加えて近年のご時世による渡航制限もあったためだろう。
まず行き方がわからない。
未来の自分のために今調べておこうと思う。同じように渡航を計画する人の参考になれば幸いだ。
Google Mapは極めて不便なバスの情報しか出してはくれなかった。
流石にもっといいやり方があるはずだ。
なお、公式HPにはLocationというページが有るのだが、不思議なことに場所に関する情報が一切書かれていない。
試されている気がした。
直接問い合わせてみることにした。
2019年オープンとは思えない、2000年代初頭の空気を纏ったHPとはいえ、中の人に直接聞けば答えは出るだろう。
待っている間に他にも調べてみることにした。
まずプルピの街は人口7,600人程度の小さな街であり、鉄道駅も一応存在する。
隣のムルシア州の州都ムルシアからアギラスに向かう列車が停車するようだ。しかし、駅から晶洞までは遠く離れており、タクシーが捕まるかも定かではない。他の手段も視野に入れておきたいところだ。
なお、このプルピの街はかつて6.7トンのレタスを使った「世界最大のサラダ」を調理し、ギネス記録に名を残したそうだ。
話を移動手段に戻す。
ヨーロッパの旅人御用達の交通情報検索サイトOmioでムルシアからの移動を調べてみたところ、「Bla Bla Carで行け」とのお達しであった。
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Bla Bla Carとはなんだろうか。
調べてみると、乗り合いUber的なサービスなようだ。
ただ、Bla Bla Carはタクシーではないので、希望する場所までピンポイントで行ってくれるかは未知数だ。
そうこうしているうちに、公式からの返答があった。
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神は死んだ。
取り付く島もなかった。
大人しく、グラナダからのツアーも視野に入れて良いかもしれない。
地下の探検
なんやかんやあってプルピ晶洞にはたどり着けたと仮定して話を進める。
周囲はまさしく廃坑といった雰囲気だ。
どことなくメキシコの荒野のような趣きがある。
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内部はガイドツアー形式でのみ見学が可能なようだ。
公式サイトからオンラインで予約ができる。
8月のハイシーズンだからかも知れないが、数週間先まで予約が埋まっていた。
早いタイミングで予約しておいたほうが良さそうだ。(予約ページはスペイン語のみ)
ツアーは大人一人22ユーロである。30分間隔で行われているが、所要時間は90分程度である。
見学にはヘルメットの着用が義務付けられているらしい。
早速中へ。ガイドは基本的にスペイン語のみだそうだ。今後海外からの観光客が増えてくれば、このあたりは充実されていくだろう。
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元は銀山である。坑道をひたすら進む。
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かなり深いのかもしれない。
壁を見やると、至る所に結晶が見られるようだ。
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お目当ての大晶洞は、階段を降りた先にあるようだ。
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そこには宝石箱への入り口が待っている。
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どうせならばこんな感じのアドベンチャーをしてみたい。
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が、ツアーではここまでの奥深くには行くことはできないようだ。
まぁ確かに、素人がホイホイ入っていけそうな感じはしないし、折りそうで怖い。
どこまで行けるのかは定かではないので、ひょっとしたら行けるのかもしれないが、行けると思って行けないと悲しいので行けないと思っておくことにしよう。
少なくともここまでは行けるようだ。
おそらくその眼前にはこんな景色がひろがっているのだろう。
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どうせなら写真のアングルを工夫して「犬神家水晶バージョン!」などと行きたいが、スペイン人に犬神家みたいに撮ってくれと伝えることはできそうにもないし、国の恥になりそうなのでやめておくことにする。
宝石箱のメカニズム
このように巨大な晶洞が何故できたのだろうか?未だに多くの謎を残しているが、少しづつ明らかにされつつあるようだ。
プルピ晶洞はアルボラン海の近くに位置する。
560万年頃前の気候変動で海水面が低下し、もともと海底であった一帯が地上に露出した。
この際に、洞窟内の空洞に残留したミネラル分の結晶生成が進み6-200万年頃には今の姿になったのではないかと考えられているようだ。
謎のキャラクター
ところで、いろいろな観光地と同様に、このプルピ晶洞にもマスコットキャラクターが存在するようだ。
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テリン(Terrín)というキャラクターだそうなのだが、なぜ晶洞に亀なのだろうか。
甚だ疑問である。直接行って確認する他なかろう。
一般公開されて日が浅く、まだ詳細に謎の多いプルピ晶洞。
自分が行く頃には、もう少し詳細は明らかになっているだろうという期待と、メジャーになる前に行ってしまって、「あープルピ晶洞ね。いいよね。私?だいぶ前に行きましたけど?」とアンテナ高い感を出したいという相反する思いを抱えつつ、訪れるチャンスを伺っている今の私である。
世界三大地下洞窟シリーズ。今後も続くかもしれないし続かないかもしれない。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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