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「ビジネスサイド」という言葉に対する違和感

スタートアップ界隈では「ビジネスサイド」という言葉があります。エンジニアやデザイナーでない人、例えば営業やマーケティングやBizDev・CSなどの総称です。

私の経験則でいうと、この言葉が使われるパターンは2つです。1つは「開発サイドとビジネスサイドの対立」のように組織の問題を語る場合、もう1つは「ビジネスサイドの採用」のように人材採用を語る場合です。

私が特に違和感を覚えるのは、前者の「ビジネスサイド」です。違和感の理由は2つあります。

(1)「開発はビジネスではない」という誤解

当然のことですが、企業で働くエンジニアは事業やビジネスの成長のために開発をしています。その意味でエンジニアも「ビジネスサイド」です。

(2)「エンジニアはビジネスのことを考えていない」という偏見を助長する

エンジニアに対する典型的な偏見として、「技術が大好きなギークやオタクが多く、ビジネスに疎い」といったものがあるでしょう。

そういう人がいることは否定しませんが、エンジニアと深く付き合うと、そういう偏見がステレオタイプであることが分かります。CTOやテックリードなど、優秀なエンジニアほど事業やビジネスを深く理解し、そこから逆算して開発をしています。彼らは技術を目的化しておらず、あくまで事業成長の手段として技術を使っているのですね。

※こうしたステレオタイプの危険性は以下の記事で説明しました。

「ビジネスサイド」の言い換え表現を見つけたい

「ビジネスサイド」という言葉の弊害を唱える人は私以外にもいらっしゃるのですが(「開発サイド」も「ビジネスサイド」もない、ノーサイドなPharmaXの組織など)、実際には「ビジネスサイド」という言葉が横行しています。これは、「ビジネスサイド」以外の適切な表現が無いことが原因でしょう。何か良い表現を見つけたいものです。

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